野口 誠一(のぐち せいいち)
八起会会長
1956年、25歳で玩具メーカーを設立し、年商10億円までに急成長させたが、1977年に倒産。翌年、自らの経験ももとに、「倒産者の会」設立を呼びかけ「八起会」を興し、倒産した経営者や会社が傾きかけている経営者をもう一度立ち直らせる活動を行う。
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Vol. 12 『倒産する社長の共通十一項目のまとめ』
(2010年03月19日)
成功者にはすべて、その成功を導いたその人独自の天分なり、努力なりがある。それはその人の個性にしっかりと結びついていて、余人にはなかなか真似ができない。一方、失敗者には多くの共通点がある。それを参考にしてその共通点を回避するなり、克服するなりすれば、少なくとも失敗を免れることは可能であろう。その意味で、前回まで「倒産する社長の共通十項目」を紹介したが、まとめとしてもう一度ここに列記してみよう。
一 自己中心
ニ 悪いことはすべて他人のせい
三 嫌いなこと、苦手なことは避ける
四 真の勇気がない(縮小、謝罪、相談)
五 頭で分かっていても実行しない
六 お人好し(頼まれたらノーと言えない)
七 還元の心なし
八 反省心の欠如
九 時間貧乏(働きすぎ、遊び過ぎ)
十 公私混同(金銭感覚の欠如)
改めて十項目を目にして、「なんだ、分かりきったことばかりじゃないか」と思われる方には、次のエピソードを紹介しよう。
中国の詩人・白楽天が、高僧・道林禅師に「仏教の神髄は何ですか」と尋ねたところ、師は「諸悪莫作、衆善奉行(しょあくまくさく、しゅうぜんぶぎょう)」(悪いことはするな。良いことをしなさい)と答えたという。白楽天がムッとして、「そんなことは三つの子どもでも知っているよ」と反発したところ、師は「三つの子どもが知っていることを、八十の老人でも行うことは難しい。それが現実ではないか」と答えたという。
ここに掲げた十項目は、八起会「失敗学」の集大成である。理解は簡単だが、実行は難しい。この十項目のうち三項目以上に該当するようなら、「危ない社長」と言っていい。ためしに社員・従業員たちに、無記名でチェックしてもらう手もあろう。客観的な「社長像」が現れるに違いない。