―国内メーカーから外資系金融企業へキャリアアップ、さらにはヘッドハンティングもご経験されている逢坂さんですが、今までのキャリア形成のなかで重視されてきたことはありますか?
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当たり前のことですが、日々の努力でしょうね。キャリアアップにラッキーはありません。知識と経験はあって当然、それに努力が加わらないと、いまの時代は組織の歯車になっていきます。でも歯車であるうちはまだマシなほうで、特にホワイトカラーは、マンパワーがコンピューターに代わる恐れもあります。私はずっと欧米の企業におりましたので、会社の都合で東京支店がいきなり閉鎖されたり、部署ごと突然なくなったり…という不安や危機感はありました。そんな中、別の会社に移っても生きていくためのスキルがないと路頭に迷ってしまうわけですから、「人間力」をアップさせていきたいと考えていました。
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―具体的にどんな努力をされてきたのでしょうか?
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金融業界は「Reputation is everything」、評判がすべてです。株や債券は基本的に、どこで買っても同じ質と値段です。それなのに、なぜ私から買うかといったら、サービスが決め手なんです。そのひとつがスピードですね。誰よりも早く情報を届ける、というのは常に心がけていましたが、そのためには"準備"が不可欠です。それは、人よりちょっとだけ早く来る、遅く帰る、人より5分多く勉強する、などですね。
あとは、人の力を借りて最大限活用することです。金融用語でいうところの"レバレッジ"(※)です。私の場合、いつでもアップデートの情報を聞けるネットワークを社内に作っておきました。でも借りてばかりではなく、自分からも相手に必要な情報をアウトプットすることは徹底していました。ビジネスにしろ、人間関係にしろ、良い関係を続けるには"ギブ・アンド・テイク"は基本ですから、一方的に、『ください』『ください』で通用するほど世の中は甘くありません。
(※レバレッジ=てこ(lever)の作用から転じて、投資において信用取引や金融派生商品などを用いることにより、手持ちの資金よりも多い金額を動かすこと)
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―日本のビジネスシーンでは、「自分でなんとかしよう」という意識が強いように感じます。
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それも決して悪いことではありませんが、日本ではまだそのあたり、遠慮が邪魔してうまくできない方が多いですね。『自分で調べればわかるだろう』と。"遠慮"は日本人の美徳でもありますが、ビジネスで一歩先に出るためには、どんどん人に聞くべきです。新聞やテレビなどメディアの情報は、ほとんどが古い情報ですから、リアルタイムの情報を電話1本で聞けるのなら遠慮する必要はないと思います。
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―キャリア形成のお話に戻りますが、現在、自分の理想とのギャップに絶望して仕事のモチベーションを失ってしまったり、すぐにやめてしまう人が増えています。
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私は、入社2〜3年間を"ダッシュの時期"と呼んでいます。丁稚奉公のようなものですね。でも、この期間を乗り越えた人はキャリア形成における基礎体力がついていますから、どんな局面でも強い。私も新人時代は毎日のように怒られて泣いてばかりいましたが、ここで辞めてしまってはもったいないと思い、「気にしたら負け」と常に自分に言い聞かせてなんとか乗り越えることができました。
それと、物事がなかなかうまくいかない時は、小学校の時にやった計算ドリルを思い浮かべてください。最初は1ページを解くのに時間がかかりますが、だんだん慣れてきて、最後のほうにはスラスラと早く解けるようになりましたよね?これは何事も同じです。すべてコツさえつかめば、うまく転がっていきます。コツを掴む途中のところで諦めてしまっては、ドリルのお金も、費やした時間も取り返せない。天才なんてほんの一握り。私も含め、みんな最初からうまくできないのは当然です。ただ、そこで違いができるのは、それこそ微差・僅差の努力じゃないでしょうか。
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―シンプルな言葉でも、逢坂さんから語られると相当の説得力があります。
それでは最後に、今後の展望を教えて頂けますか?
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私自身がすごく辛いときに、何千冊と本を読み、元気付けられ、助けられた経験があります。ですから今度は私が社会に対してアウトプットしていきたいと思っています。本を書いたり、講演会などでお話ししたり、より多くの人々に対して元気を発信していきたいですね。
それから、もっと日本の女性をアゲアゲにしたいです(笑)。私は世界各国のさまざまな女性たちを見てきましたが、日本女性は世界レベルと比較しても本当に優秀です。それなのに、世界を舞台に活躍するような人が他国と比べて輩出されにくい現状にあります。その弊害は何かというと、ただ単にビジネスや投資の世界を『知らないだけ』なんです。ですから私の経験を通じて、多くの日本女性に広い世界を知って頂きたい。日本から"世界のスーパーウーマン"が生まれることを願っています。
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―逢坂さん自身もスーパーウーマンに…
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もちろん!目指していますよ。
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本日は貴重なお時間の中、どうもありがとうございました。
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文:上原深音 / 写真:鈴木ちづる
(2007年2月1日 株式会社ペルソン 無断転載禁止)
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