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――女性なら誰もが若くありたいと願いますが、逆にいえば年齢と向き合うことに対して、多かれ少なかれ恐怖心を持っているともいえます。宇佐美さんは老いに対してネガティブな気持ちになったことはありますか?
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老いに対する恐怖心を持っていたのは40代ですね。職業柄、年齢よりは若く見られましたが、いま振り返ると、その頃は未知なるものに対する焦りというか、もがいて、いろんなことを模索していた時期だったように思います。もちろん今でも努力をしておりますけれども、50代に入って、あの頃ほどの焦りはなくなりました。自分の出来る範囲とペースで、「心地よい」状態で努力する方法が身についてきたんじゃないかなと思っています。
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<講演会での様子> |
―50代になって、老いへの恐怖心が解けて肩の力が抜けたわけですね。 |
| 老化じゃなくて「進化」と捉えるようにしたんです。そうすると、人に優しくなれることに気付きました。私はもともと勝ち気なほうですから(笑)、若い時はライバル心が先に立って、人に負けまいと肩肘張っていました。でも今は「人は人、自分は自分」。むしろ一番負けたくないのは自分自身ですね。 |
| ―年齢を重ねるからこその魅力に気づけるかどうか、なんですね。ところで、いまの中高年の方々のおしゃれについてはどう思われますか? |
私と同世代の方々の話をうかがっていると、ここ10年くらい同じ色のファンデーションを使っていたり、自分に似合う洋服の色を決め付けてしまっているんですよね。若い女性はコスメの新製品が出ると、いろいろ試したりしますが、ある年齢以上になると、それが鈍くなってくる。本当なら「進化」に合わせて化粧品も変えなきゃいけませんし、似合う色も変わってくるはずなんです。若い人以上に、自分の進化についてかなきゃいけないので、変わることを恐れずにいてほしいですね。そうすれば、おしゃれの幅もぐっと広がります。お部屋のお掃除と同じように、自分の人生も時期ごとに必要なものを見極めて、捨てたり整理したり、きちんと見直すことが重要だと思います。過去に執着するのは大人の女性には似合わないことです。
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―常に自分をアップデートしていくということですよね。講演会でも、シニア層の女性向けにお話することが多いですけれども、どのようなことを一番強く伝えたいですか?
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皆さんに、年をとることを素敵なことだと思っていただきたいです。顔の皺ひとつをとっても、それをネガティブに捉えるのではなく、素敵な人生の一部だと思いますし、年齢を積み重ねていくことで、内側からにじみ出るものがどんどん増えてきますから。人それぞれ、いろんな生き方があって、一人ひとり違った「今」があるはずです。
私はよく、人の魅力をお花に例えてお話しています。バラにはバラの美しさがあれば、ヒマワリにはヒマワリの美しさがある。でも若い時はどうしても自分以外の花が美しく見えて、人と比べてみたり、人の真似をしてみたりします。私もそうでした。華やかなバラは可憐なスミレに憧れ、スミレの花は堂々と咲くヒマワリになりたいと願います。でも50歳を過ぎると、「私はスミレです」、「私は薔薇よ」と、自分の花が分かってくるんです。だからこそ、お互いの魅力を認め合うことができるようになる。そうすれば、人を羨ましがったり、引け目を感じることもなく、自分自身の気持ちも楽になれると思います。 |
―長く生きてきたからこその自信と余裕が生まれる。
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もちろん、自分の花を知る時期には、人によって早い遅いはありますが、それに気付ければ、もう迷わずに大輪の花を咲かせることができます。ですから、40代の中ごろまではお勉強の時期ですね。本当の自分磨きは50歳からじゃないでしょうか。
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―宇佐美さんがおっしゃると非常に説得力があります。最後に、これから挑戦したいことや目標を教えてください。 |
| うーん…いっぱいあって怖いくらいなのですが(笑)、仕事面で言うなら、小説を書きたいと思っています。これまで美容に関する書籍は何冊も書かせていただいたのですが、次は、シニアの女性を主人公にしたストーリーを考えています。もうすでに頭の中に、具体的な設定が出来上がっていて、長年暖めています(笑)。 それ以外でいえば、ボランティアをしていきたいです。犬が好きなので、犬に関するボランティアをしたいと、常々考えています。ペットブームの今、飼いきれずに、保健所で処分される犬が増えています。その犬たちをなんとか救えたらと思うのです。今までの自分や家族のことに追われていたので、なかなかできませんでしたが、少し余裕が出てきたので、そろそろ始動しなくてはと思っています。 |
―本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。
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文:上原深音 /写真:鈴木ちづる
(2008年3月19日 株式会社ペルソン 無断転載禁止) |
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