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―――前職の外資系教育会社には営業未経験からの入社。しかもフルコミッション型(完全歩合制)という特に厳しい世界へ飛び込まれました。なぜこのお仕事を選ばれたのですか? |
「大学を出てからアパレル会社で営業事務の仕事を2年ほどしていたのですが、やはり若かったですし、単純に『もっとお金が欲しいな』と思ったんですね。ですから当然、入社当初の成績は散々でした。マニュアル通りにやってはみるものの、なかなか結果に結びつかない。とにかく優秀な先輩方の良いところを真似して、周りについていくのに必死の毎日でした。さらに、実は私は根っからの人見知りなのです。初対面の人の前では今でも緊張してしまいます。でも、地方の大学を出て、これといったスキルも経験もない、という状態でしたから、仕事を選べる状況ではなかったというのが正直なところです」
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―――営業職で「人見知り」。かなり苦労されたのではないですか?
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「普通は、人見知りと営業なんて結びつかないですよね(笑)。ただ私の場合は結果的に、この人見知りがプラスに働いたんです。というのも、昔から人と話すとき、『この人は何を考え、何を欲し、何を言おうとしているのか』と、相手の立場になって考えるくせが身についていたんですね。営業はお客様に商品を『買わせる』ことが目的ではなく、お客様に商品の良さを理解して頂いて、お客様自らに選んで買って頂くことが重要です。買わせるだけなら押し売りになってしまいますから、いかにお客様に『私にはこれが必要だ』と思っていただけるか。そこが営業の腕の見せ所。ですから、商品説明や知識を披露するような、一方通行のコミュニケーションではなく、むしろお客様の話を聴く側にまわり、その中から課題や問題を引き出さなければいけません。
人見知りの私は、人と話している間に自分の心の中で、『こんなこと言ったらどうかな?』、『今この人はこんなことを考えているのかもしれない』と、常に反芻していました。考え過ぎて何も言えないのはかえってよくないですが、相手のことを考えるのはコミュニケーションでは大前提ですし一番必要なことです。それによって、こちらから発する言葉や言い方が違ってきますからね。トークやプレゼンテーションのスキルは努力すれば伸ばすことができます。ただ、相手が何を考えているのか、何を欲しているのかを推し量ることができなければ、いくらスキルを磨いたとしても、相手に気持ちは伝わりませんし、結果的にお客様も心を開いてくださらないんです。 ですから一見、営業としてはハンデにみえた<人見知り>を自分の<強み>として捉えて転換できたのが、その後の営業人生に大きく影響したと思っています」
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| ―――日本でトップ、世界142カ国中2位という素晴らしい営業成績に到達するには、人の何倍も努力し、周りと同じことをしていては、到底達成できる成績ではないと思うのですが、具体的に、どのような取り組みをされてこられたのでしょうか? |

[52週目標達成法については、著書『息を吸って吐くように目標達成できる本』 (ポプラ社)に詳しく書かれている] |
「フルコミッション営業は、自分の努力がすべて形になって返ってきます。何もしなければ、お給料は1円も入ってきませんし、それどころか赤字になる可能性すらあります。自分の生活がかかっていますから、そのためにはアイディアや知恵をたくさん絞りました。中でも、これは著書にも書いているのですが、『52週の目標達成法』というのを一人でやり始めたんですね。1年を1週間ごとに52週に区切ったポスターを壁に貼る。1週間に1件は必ず契約を取ると決め、達成できたらそこに赤丸をつける。非常に原始的でシンプルな方法ですが、決意を目に見える形にすることが重要なんです。途中、達成が危うい週が何回もあったのですが、絶対に契約ゼロは作らないと信じていると奇跡のようなことが起こるんです。ずっと前に営業したお客様から『契約したい』と突然お申し出があったり、終業のほんの数分前に契約のお電話を頂くことも。結局、52週すべて目標を達成することができました。
このことで、絶対に目標を達成すると信じることがいかに大切かを身をもって実感しましたし、『目標達成のサイクル』というものが体に染み付いたと思っています」
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| ――――和田さんご自身は、厳しい世界でトップランナーとして走り続けられた要因は何だとお考えですか? |
「フルコミッションという営業スタイルが、良い意味での『危機感』を生み出していたことも大きかったのですが、最近感じるのは、要は、『辞めます』という最後のひとことを言い出す勇気がなかったからだと思います。消極的な理由ですが本音なんです(笑)。仕事が辛くて、「辞めたい」、「逃げたい」と何度も思いましたが、いつも最後のひとことが言えませんでした。それで、そのまま続けていると、状況が変わってきて結果も出始めて、仕事が楽しくなってくる。毎度、その繰り返しだったような気がします。でも私に限らず、どんな仕事でも、楽しいとき、苦しいときの波がありますよね。先月は仕事が辛くて辞めようと思ったけど、続けていたら結果が出たり、嬉しいことがあったりして、“やっぱり辞めなくてよかった”ということって誰でもあると思うんです。
私自身も、『辞める勇気』よりも、『続ける勇気』を選んだ。突き詰めるとそこに行き着くんだと、最近、気がつきました。ですから今考えると、自分で選んできた道とはいえ、『お前はこの場所で頑張りなさい』と神様から<与えられた道>だったという気持ちが強いですね」 |