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―――芸能界でポジションを築かれていたのに、ある時期からタレント活動よりも、自然やアウトドア普及にシフトしていかれます。それはなぜだったのですか? |
「皆さんからすると、芸能界で生まれて、自然へシフトしていったように見えるかもしれませんが、本当は逆なんです。僕は自然に囲まれた、いわゆる田舎生まれ(福井県出身)ですから、都会へは出稼ぎに来ているイメージでした。今、富士山の裾野に住んでいますが、今でもテレビの仕事などで東京に出てくるときは、息を止めて水にもぐって獲物の魚を銛で付く、という感覚ですかね。あくまでベースは向こうで、都会は“漁場”、つまり生活の糧を得るところ、と捉えています。 僕はタレント活動を天職だと思ったことはないです。もちろん、歌を歌ったり、テレビでタレント活動することは面白いですよ。何千人の前でいろんなことができる、『行けるところまで行ったろ』と、目の前の仕事には全力で打ち込んできました。人生は1回きりだから、やるからには思い切りやるというスタンスはどんな仕事でも同じです 」
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―――現在、清水さんが校長を務められている河口湖の「河口湖自然楽校&森と湖の楽園」では、農業体験、企業研修、子どもの自然教室などさまざまなコースが大好評ですが、当初はどういうコンセプトで立ち上げられたのでしょうか? |
「最初は、本当に個人的に楽しむことが目的でした。僕自身が富士山を好きなのと、河口湖にはよく魚釣りに来ていたこともあって、その周辺で好きなことだけして暮らそうと思って探していたんです。そしたら、ぽつんと森の中にあった幼稚園の物件を紹介されました。廃園なんですが、広くて気に入りましたね。実は、最初は“当時の家族”と一緒に移住する予定だったんです。……ええ、“当時の家族”と(笑)。みんなで自然の中で暮らしたかったんです。しかし、なんと家族から、『私達は行きません。パパだけ行ってらっしゃい』と言われてしまって……まあ、2回目の離婚ですよ(笑)。しょうがないから1人でだだっ広い所に住んでいたのですが、徐々に空しくなってくるんですね。例えば、釣竿でもナイフでも僕は何でも手作りするんですが、完成したものを『できたー!』と高々と掲げても見てくれる人は誰もいない。僕の声がこだまするだけです(笑)。色んなものを作りましたが、自分の好きなことを好きなだけ、時間も場所も制限なくやれるのにどうも空しい。やはり人間って、好きなことでも自分のためだけでは気持ちがシュリンク(縮む)してくるんでしょうね。自分がしていることに対して誰かが喜んだり、関心を持ってくれないと縮んでしまう。
その結果、移って半年ぐらいしたら、もうボーッとし始めたんです。自分のやりたかったことをやれているのに、こんなにつまらなくて、寂しくて……という気分ですね。やる気も湧いてこない。それで子どもやお年寄り、皆さんを集めて農業やりましょうとか、山に登りましょう、カヌーを作りましょうという企画をやってみたら、すごく面白いわけです。お金とか地位とか関係なく、自分の好きなことで人の役に立つことは非常に充実感があるから、これを徹底していこうと決めました。
もうひとつは、今は人間が自然からあまりに遠ざかっているのが気になってましたね。不都合なことが世の中でたくさん起こっているのは、それも遠い原因にあるのではないかと感じたんです。子どもが親を殺したり、親が子どもを育てなかったり、お年寄りをないがしろにしたりね。どう考えても“不自然”ですよ。こんな世の中の不自然な状況を、少しでも自然に返すことに貢献できればと思いましたね。それで全国展開しようと『河口湖自然楽校』を立ち上げて現在に至ります」
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| ――――実際、子育て支援や、セカンドライフサポートなど、都会では味わえない自然体験によって、皆さん本当に充実した笑顔になっていますね。 |
「昔の僕は、モノをたくさん持つことが目標でした。高級車にも乗りました。でも、やがて自分が持ったモノの重さに背中がミシミシ鳴り始めるんです。家を持ったり、車を持ったり、会社を持ったりね。あれもこれも手に入れたいと頑張るほどに重くなってくる。重たいな。こんな苦しい生活、かなわんな。どうしたらええんやろ。そのとき、『下ろせばいいんだ』ということに気づいたんです。自分の持てる分だけ持てばラクじゃないですか。気持ちのいい生活って、たくさん背負い込まないほうがいいんだということがわかったんですね。
ですから、これからの僕の目標は『Have』ではなくて、自分でする、つまり『Do』です。できることは自分でしないと、結果的につまらない生活になるんですね。衣・食・住に加えて、『遊』も自分でやるほうがいい。僕もいろんなものを作りました。家、ツリーハウス、カヌー、食べ物、着物、子どももね(笑)。もちろん作れないものもある。でもそれは自分の生活に必要のないものだと考えればいい。もちろん、お金はある程度は必要ですが、『Have』や『Take』を求めるから、『もっと欲しい』となってくるんです。人に何かをしてもらったり、何かを持とうとするのではなく、自分が何をしている時に幸せを感じるのか、それを分かっている人のほうが、人生幸せなんじゃないかと思います
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