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―――今は健康そのものにお見受けしますが、4月には十二指腸ガンの全摘出手術をお受けになったとうかがいました。 |
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「実は、それまで20年近く健康診断を受けていませんでした。むしろ『健康診断を受けるから病気になるんだ』なんて言ってたぐらい(笑)。そんなとき、とあるプライベートクリニックの方と出会いまして、プライバシーも守られて設備も揃っていて、とても素晴らしい環境だったので、僕も試しに人間ドックをやってみようと思ったんです。『これでホントに病気が見つかったりしてね』と笑っていたら、再検査。シャレになりませんでした。最初はポリープだから内視鏡ですぐ取れるという話でしたが、あれよあれよという間に入院が必要になったんです。病理検査で『ガンが見つかりました』、内視鏡ではダメだから開腹手術をしますと言われて、十二指腸ガンでした。ただ、『まだ初期ですから大丈夫ですよ』と言われて『すい臓、胆嚢、胃も取って調べましょう』と提案されました。転移しているとまずいですからね。
その時、先生からセカンドオピニオンはどうしますか、と聞かれました。僕は『先生にお願いします』と即答しました。これは、あくまでも個人の考え方の問題だと思うのですが、がんが見つかったのは十二指腸の乳頭部。通常ならとても発見しづらい場所なんだそうです。しかも初期状態で見つかった。こんなラッキーがぽんぽんと続いてきているのに、ここで迷うことでラッキーの連鎖を断ち切りたくなかったんですね。しかもラッキーはまだ続いていて、その先生は日本で3本の指に入るぐらいの名医だったそうで、手術でバッコーンと取っていただきました。ほかに転移も見られず、本当にありがたかったですね」
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―――大病を患って生活や人生観に変化はありましたか? |
「田舎へ移り住んで自然の中でのんびり暮らせるかと思いきや、実は、ものすごくせかせかした生活をしていたんです。仕事でたびたび東京や、その他の地方へ行かなければなりませんでしたから、朝はものすごく早いし帰宅は深夜を回ることも。その日のうちに家に戻れなくて、車の中で寝たこともありました。病気をしてみて、改めて『ああ、不自然な生活やったな』と、それまでの生活を省みました。同時に、人生には限りがあることを身をもって実感したからこそ、これからの人生、一瞬一瞬を全力で生きていこうと。これまでも思っていたことですが、より一層強く感じるようになりましたね。
それから、僕は楽しくて面白いことだけやるという考えでしたが、最近それだけでは長生きできんな、と思い始めました。『ラク』と『楽しい』は違うんです。嫌なことはしたくない、ではアカン。嫌なことは自分にとってチャレンジになる。苦しいことの先に感動がありますからね。ラクなことだけでは感動ある人生にはなりません。長生きしたいな、という思いだけでは人間はダメです。絶対に死んでなるものか、生き抜いてやるって強い信念というか、生きる張り合いみたいなものがないと人間は負けます。ラクでノンビリだけでは4日後に死ぬかもしれません。ですから、僕は全身全霊でウリャアーっと立ち向かうようなチャレンジを常に見つけていこうと決めました」
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―――今はどんなことにチャレンジしていらっしゃいますか?
「最近ね、うってつけのものを見つけたんです。名づけて、『マムシ谷プロジェクト』(笑)。先日、知人が『土地を買ったけど、草薮にマムシがいっぱいいて困っているんだ』と嘆いていたんです。話を聞いてみると、傾斜地で水が溜まるわ、マムシがウヨウヨいるわで手がつけられないそうです。これは最高だと、僕のアンテナがピクピク反応しまして、そこに家を建てたら面白いんじゃないかと(笑)。雨が降ったら大変だし、マムシに噛まれるリスクはあるし、より厳しいチャレンジができそうだなと考えていたら、物凄くワクワクしてきました」
――――すごいチャレンジですね(笑)。それでは60歳を前に、今後ご自身がどうありたいかを教えてください。そして講演に来られる方にメッセージをください。 |
「苦しさの先にある楽しさを求めるチャレンジをしていかないと生き残れないだろうし、生きている実感もないと思います。忙しくてしょうがないけど、楽しさを感じる。企業経営なんかは、まさにうってつけですね。これからも、自然楽校の運営を基軸にしながら、そんな『忙・楽しい(いそたのしい)』ライフスタイルを目指していきます。ちなみにこれ、『エロ・かっこいい』から真似てみました(笑) 」
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――本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。
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取材・文:佐野 裕 /写真:上原深音
(2009年7月 株式会社ペルソン 無断転載禁止) |
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