青柳 教恵「ヒューマンコミュニケーション術・・・会話の力」
青柳 教恵(あおやぎ みちえ)
株式会社アクア 代表取締役/人材育成プランナー/ビジネスコーチ
日本航空株式会社客室乗務員として、部下乗務員の指導育成に携わり、14年間乗務。現在、顧客満足を高めるコミュニケーション術・人を育てるビジネスコーチングを研修と講演を通し広めている。
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Vol. 111 『お客さまをひきつける...ここぞのひと言、キーワードを持つ』
(2010年05月10日)
西部新宿駅の改札を出ると地上階に行く階段がある。その下に小さな花屋がある。高級ブティックのような花屋ではない。特別な白さを持つカサブランカも手に入る値段の花屋である。桃や桜の枝花も手ごろな店である。
今の季節は特にカラフルな色花で迷い箸ならぬ迷い眼である。足早に通り過ぎていく人たちを背に、花選びに迷うのも悪くない。
深谷ゆりというアマリリスの赤い色に似たゆりを買ったことがある。「深谷」という名前に惹かれて買ったことなど思い出していた。今日はない。
思案をしていると背の高い店員が声をかけてくれた。たくさん色花が入荷しましたと言いながらも「今の季節だけですから」と白く長い指が花菖蒲を指していた。
野菜も果物も旬を待たずして年中手に入る、スイカなどはもうマーケットに出ている(売れている気配はないが)。そんな中で「今の季節だけですから」の言葉がとても新鮮に響いてきた。
花を包んでくれている間に、この前に買った深谷ゆりがつい最近まで咲いていたことを話した。あの花は最近入っていないのでずいぶん長く咲いていましたね、深谷市のユリを知ってほしくて生産者と相談して決めたことなどをうれしそうに話してくれた。
花菖蒲が包み終わるころにこの花が咲き終わったらこの中に次のつぼみが入っているので、また咲きますよと教えてくれる。
本当にもう何日かすると青い色をしたつぼみが現れました。
「セールストークを教えてほしい」といわれることがあります。しかしセールスのためのトークなど実はないと思います。お客さまとどのように会話を広げるかの言葉を持つことならできます。その結果、お客さまの心や決定を促すことはできます。
この花菖蒲ですと温室で栽培し冬に需要があることはおそらくないでしょう、また今は5月、ですから今の季節だけですが生きてきます。お客さまの心にヒットするのです。店のポリシーなどもさりげなく感じられます。深谷のゆりを広めたい、生産者と考えたなどです。そして花菖蒲という商品のセールスポイント(特長と特性)をお客さまのワンダー(「あっ、それなに?」の楽しさや驚き)に通じるようにすることです。
商品をよく知っていることが重要です。