小室 淑恵「経営戦略としてのワーク・ライフバランス」
小室 淑恵(こむろ よしえ)
株式会社ワークライフバランス代表取締役社長/ワーク・ライフバランスコンサルタント
日本企業の風土に合ったワーク・ライフバランス施策導入のコンサルティングが好評。メディアや各種講演・セミナーなどで、個人や実態に合った働き方の提案も行なっている。
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Vol. 11 『プロジェクトチームのモチベーションを維持するには』
(2009年02月13日)
ワーク・ライフバランス施策の導入には様々な施策があります。100社あれば100通りの施策があり、それぞれの実態に沿った方法で進める必要がありますが、共通したポイントもあります。
ワーク・ライフバランス導入は、次々に明らかになる課題に対応するべくPDCAサイクルを回し続けていくため、非常に時間のかかるプロジェクトです。いくつもの壁にぶつかり、成果もそう簡単には出ないのが一般的です。プロジェクトチームを結成し、意気込んでプロジェクトを始動しても、社内の抵抗にあったり、なかなか変わらない周囲の意識に絶望したりすることもあるでしょう。そこを乗り越えていくためには、人事担当者やプロジェクトチームのモチベーション管理が不可欠です。どのような施策を導入したとしても最も大切なのは主体的に進めるための「気持ち」、ともいえるのです。
モチベーション維持には、組織の置かれている状況の危機感を共有し、活動による実績を示していくことが有効です。例えば、定性アンケートを使って、当初の危機的な数字と、その後の変化を把握し、社内に向けて発信していくことなどをおすすめします。「このプロジェクトは何のためにやっていることなのか」という意義を常に振り返り、進捗状況を確認することで、チームのモチベーションダウンも防ぐことができます。制度改革などの実作業に加え、こういったモチベーションコントロールのための取り組みも事前に織り交ぜておくとよいでしょう。
そのほか、他社の同じ立場の人と交流して、意見交換することも重要です。これはモチベーション維持にも役立ちますし、何よりも最新のワーク・ライフバランス情報と触れることができます。ワーク・ライフバランスは経済情勢や社会環境によっても取るべき手段が変化します。常に新しい知識を持つことにより、幅広い視野で戦略を立てることが可能になります。最近は、政府や地方自治体が主催する講演会やワーク・ライフバランスをテーマとした勉強会・セミナーが数多く開催されています。プロジェクトチームをサポートする立場である人事部なども、「モチベーションコントロールの重要性」と「最新のワーク・ライフバランス情報に触れる」ことをきちんと認識し、必要な情報提供や働きかけを行っていきましょう。
前述のようにワーク・ライフバランスの実現方法は100社あれば100通り考えられます。様々な価値観があることを前提に、自社の課題・風土を照らし合わせて試行を重ねながら、自社らしいワーク・ライフバランス施策を見つけ出してください。