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生井 利幸のコラム「 勝利のための発想法」
生井 利幸
生井 利幸(なまい としゆき)
生井利幸事務所代表

11年の海外生活において主にアメリカの大学で教鞭を執る一方、在ニューヨークの企業を中心に法務・経営・ビジネス戦略に関するコンサルティングを行う。帰国後は、作家として多方面において執筆・講演等を行う。

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Vol. 55 『「うっかり発言」を制する人がビジネスを制する』
(2009年01月05日)

日本では、「うっかり発言」で失敗する人が多いように感じます。「うっかり発言」とは、「社会通念上、言うべきではないことを言ってしまった」という"話し手自身による失言"を指しますが、諸外国と比べて、日本では、失言で大失敗をする人が多いように感じます。ビジネスの世界でも政治の世界でも、「たった一言の失言で取り返しのつかない事態を招いてしまった」ということはよくあることです。

ご承知のように、アメリカの政治においては、「言葉の管理」の問題は、「政治生命の管理」そのものとして考えられています。大統領選挙はもちろんのこと、地方の小さな自治体における選挙においても、選挙戦における立候補者の「言葉の管理」は極めて厳密・厳格に行われます。むろん、当選後も、政治家は、公式行事における挨拶、スピーチ、記者会見など、公の場で自身が発する言葉に対して細心の注意を払い続けます。

アメリカでは、このことは、そっくりそのままビジネス社会においても言えることです。組織の規模によらずして、すべての企業体のトップリーダーは、社員に対する発言、そして、顧客や一般社会に対する発言においても、「言うべきでないことをうっかり言ってしまった」という事態が起きないように最大限の注意を払うことは"最低限の常識"として考えられています。

アメリカのトップリーダーは皆、自身の発言に相当の注意を払っているというのに、この日本では、一体どうしてトップリーダーによる「うっかり発言」が多いのでしょうか。理由は色々と考えられますが、この問題の根底にあるものは、日本人の心の中に「グローバルなものの見方・考え方が十分にあるかどうか」という問題ではないでしょうか。
「グローバルなものの見方・考え方」と言うと少々大袈裟な表現ですが、これをシンプルに言うならば、

1)「他人の立場に立って見る見方」
2)「他人の立場に立って考える考え方」

ということです。

本来、英語のグローバル(global)とは「地球規模の、地球全体の、世界的な」などの意味を指しますが、「グローバルなものの見方・考え方」をするためのそのスタートラインは、毎日の生活シーンにおいて、自分の目の前の人々を大切にし、目の前の人々の立場に立って見る"見方"、考える"考え方"を重視するところにあるのだと私は捉えます。

真に大切なことは、まず第一に、自分の目の前の人々の「心」を大切に扱い、「心ある発言」「責任ある発言」をするように心掛けることであると思います。毎日におけるそうした"小さな心遣いの積み重ね"が、ひいては、

1)「自分が関わるビジネスに対する責任感」
2)「ビジネスを通して関わる地域社会(community)や一般社会(society)に対する責任感」
そして、
3)「グローバル社会に対する責任感」

へと繋がっていくのだと私は考えます。

日々のビジネスシーンにおいて「うっかり発言」を無くするためには、まず、一つひとつのビジネス・コミュニケーションにおいて、自分の頭の中に、「自分がこう言ったら他人はどう感じるか」と即座に推察する習慣をしっかりと構築することが必要となります。

ビジネスの命運は、結局、「他者といかに接し、いかに仕事をしていくか」で決まります。そのような観
点から言うならば、毎日のビジネスシーンにおいてこの「うっかり発言」を無くすだけでも、ビジネスの流れは大きく変わると思います。




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