生井 利幸(なまい としゆき)
生井利幸事務所代表
11年の海外生活において主にアメリカの大学で教鞭を執る一方、在ニューヨークの企業を中心に法務・経営・ビジネス戦略に関するコンサルティングを行う。帰国後は、作家として多方面において執筆・講演等を行う。
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Vol. 61 『時間は、探し出すものではなく、「自分で作るもの」』
(2009年07月10日)
毎日会社で働く皆さんは、日々、満員電車で会社に通勤し、朝から晩までかなり忙しいビジネスライフを過ごしておられることと想像します。
言うまでもなく、今のこの不況下において、「仕事が忙しいということ」そのものは決して悪いことではないでしょう。実際、日本全国において、「相手企業との取引が大幅に減少し、自分の仕事そのものが減っている」という苦境に悩むビジネスパーソンはどこにでもいます。そう考えるならば、仕事が忙しいということは、ある意味で"幸いな事実"であるに違いありません。
私自身、身の回りのビジネスパーソンからしばしば耳にすることは、「毎日忙しくて、なかなか自分磨きのための勉強ができない」というお話です。多くのビジネスパーソンのメンタリティーにおいては、「毎朝、朝早く家を出て夜遅くに家に帰る状況の下では、勉強のために、一日に一度、たっぷりと自分の時間を持つということは不可能に近い」と考える傾向にあります。
概して、ビジネスパーソンにおいては、「時間そのものの確保が難しい」という捉え方が一般的傾向であるといえます。しかし、その反面、昔も今も、1)「資格試験のための受験勉強」、2)「"一個人"として何らかの能力・スキルを養うための勉強」などを通して、"より高いステージで仕事をしたい"という願望を抱くビジネスパーソンの自己啓発欲が衰えることがないということも周知の事実です。つまり、今現在、どのような時代であるかにかかわりなく、一般的ビジネスパーソンの心情を述べるならば、「なかなか時間はないが、時間さえあればどんどん勉強したい」ということなのです。
ただ、ここで一つ、注意するべきことがあります。それは、この「時間さえあれば」という考え方にこそ"落とし穴"があるということです。
そもそも、時間は、「探し出すもの」ではなく、「自分で作るもの」です。どのような仕事をしていようとも、働いている以上、人は皆、忙しい毎日を送っています。
ビジネス社会では、「忙しい・忙しい」、「忙しいから自分の時間が持てない」という声は毎日のように耳にします。しかし、率直に言うならば、忙しいことを理由に何もしない人は、自分が勉強したい分野について「腹を決めて、しっかりと勉強する」という確固たる決意ができない人なのだと感じます。
もし、腹を決めて勉強しようとするのであれば、恐らく、どのように忙しくても、自分なりに工夫を凝らし、それなりの時間を作るに違いありません。結局のところ、その勉強について「腹を決めているかどうか」ということが、「時間を作れるか否か」についての分かれ道になるのだと思います。
このコラムを読む皆さん、しばしば、自分の心の中で「時間がない」と独り言を言っていませんか。最後に、もう一度述べます。時間は、探し出すものではなく、「自分の工夫で作るもの」です。