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生井 利幸のコラム「 勝利のための発想法」
生井 利幸
生井 利幸(なまい としゆき)
生井利幸事務所代表

11年の海外生活において主にアメリカの大学で教鞭を執る一方、在ニューヨークの企業を中心に法務・経営・ビジネス戦略に関するコンサルティングを行う。帰国後は、作家として多方面において執筆・講演等を行う。

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Vol. 70 『「真の国際コミュニケーター」に求められる精神基盤』
(2010年04月09日)

言うまでもなく、「国際コミュニケーター」とは、単に、<外国人と英語でコミュニケーションが図れる人>を指すわけではありません。では、一体どのような人を国際コミュニケーターと呼ぶのでしょうか。

会社の規模にかかわらず、外国企業を相手にビジネスを展開することが日常茶飯事となった今のこの時代において、ここでもう一度、読者の皆さんと共に、この「国際コミュニケーション」の問題について考えてみたいと思います。

一般社会では、国際舞台に立ってスムーズにビジネスができる国際コミュニケーターになることを目指し、"国際共通語"である「英語」を熱心に学び、流暢に英語が喋れるようになることを念頭に置いて、日々、学習に学習を重ねている人は多いでしょう。しかし、真の意味において、国際コミュニケーターになるための条件として、本当に、「英語のみ」を学ぶだけで十分と言えるのでしょうか。

ここで一つ、大切な問題について触れたいと思います。それは、日本人が、英語そのものをどのように学んでも、その本人が、1)「コミュニケーションとは何か」、2)「人間は一体いかなる理由で他者とコミュニケーションを図るのか」、ひいては、3)「より良いコミュニケーションとはどのようなコミュニケーションを指すのであろうか」という問題について考えることなくして、真の国際コミュニケーターになることは、"夢のまた夢"であるということです。

国際コミュニケーションという概念を考えるとき、まず第一に、「"人間存在"そのもの」の問題について考える必要があるでしょう。言うまでもなく、私たち人間は、「一個の"個"」そのものです。この地球上において、どれだけ多くの人間が存在していようとも、人間は、それぞれが「一個の"個"」です。

「一個の"個"」、さらに噛み砕いて述べるならば、人間は、それぞれ「一個の"個人"」です。コミュニケーションは、「個人と個人における"交じり合い"」を指す概念です。そして、その個人と個人の交じり合いにおいて、接するその相手が何人であるか、即ち、コミュニケーションを図る相手の国籍、人種、民族、文化、習慣などを所以として何らかの偏見・差別感を持つことは、「一個の個人として、極めて"非理性的"である」と言わざるを得ません。

個人と個人におけるコミュニケーションをどう捉えるか、人はこの問題について、自分自身を、"地球規模"、あるいは、"人類"という観点から捉えることができたとき、「真の国際コミュニケーターへの道のり」についてしっかりと捉えることができるようになるのだと思います。

そもそも、「英語」という言語は、コミュニケーションを図る相手が、英語を理解できる場合にのみ役に立つ言語。言うまでもなく、世界史の潮流の恩恵を受けた英語は、現在、間違いなく、"国際共通語としての位置づけ"を保っています。

しかし、言語としての英語そのものを流暢に話せても、その本人において、必要十分な国際的教養、見識、モラル意識、品格、品性等が備わっていなければ、その人を即、国際コミュニケーターと呼ぶことはできないでしょう。

言語はあくまで、コミュニケーションを図るための"手段"。国際コミュニケーションを考える上で、今、もう一度、この「コミュニケーションにおける原点」を見詰め直したいものです。




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