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生井 利幸のコラム「 勝利のための発想法」
生井 利幸
生井 利幸(なまい としゆき)
生井利幸事務所代表

11年の海外生活において主にアメリカの大学で教鞭を執る一方、在ニューヨークの企業を中心に法務・経営・ビジネス戦略に関するコンサルティングを行う。帰国後は、作家として多方面において執筆・講演等を行う。

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Vol. 71 『プロセスが大切なのか、それとも、結果か大切なのか』
(2010年05月10日)

この経済社会におけるいかなるビジネスにおいても、それを成功させる上で常に考えるべき重要な問題が多々あります。その一つは、「ビジネスにおいては、それを行う上でのプロセスが大切なのか、それとも、結果が大切なのか」という問題。今回は、この問題について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

企業の経営者の立場から述べるならば、「ビジネスは常に"結果"が命」。結果を出さなければビジネスを成功させることは不可能であり、着手しているビジネスを成功させない限り、会社の経営をスムーズに行い、毎月、社員の給料を払うこともできなくなります。では、ビジネスでいい結果を出せば、その結果に到達するまでのプロセスは、どのようなものであってもよいのでしょうか。

「ビジネスにおける"プロセス"と"結果"」の関係を考えるとき、実に様々な問題が見えてきます。その一つは、「利益」と「社会道徳」の問題。

この競争社会においては、利益を出すことを最優先課題として、社会道徳を顧みず、「とにかく儲かればいい」という了見でビジネスを行っている会社もあります。無論、企業が「金を儲ける」という経済行為に邁進することは資本主義経済の理念に何ら抵触する行為ではありません。しかし、企業が利益を出すそのプロセスは、常に、「"合法的"、且つ、"道徳的"プロセス」であることが望まれます。

ただ、やり手の経営者の中には、「普通のやり方でやっていたのでは競争に勝つことはできない」と考える人もいます。言うまでもなく、ビジネスで他の企業と勝負するには、のんびりと誰でもできるようなステレオタイプな見方・考え方で悠々自適と取り組んでいるのでは埒が明かないのも事実。「競争社会における生き残り」という観点から鑑みるならば、このことも一理あります。

しかし、そこには、「社会道徳を遵守する」という一定の制限があると思います。「儲かればどのような手段を用いてもいい」「企業と企業の関係、あるいは、企業と消費者の関係の基盤にあるのは"騙し合い"そのもの」という考え方でビジネスを行う企業は、遅かれ早かれ、いずれは"大転落"をする運命を背負っているものです。

私自身、経営者の皆さんとのお付き合いの中で感じることの一つは、「"自然淘汰"という概念は、常に"真実"である」ということです。

経営に成功している経営者からは、「常にビジネスをする上でのプロセスに対して細心の注意を払い、そして、いい結果を出す」というポジティブな様相が見えてきます。一方、経営がうまくいかない経営者からは、「何よりも金儲けがしたい。金を儲けるためならば手段を選ばない」というネガティブな様相が見えてくるのです。

今、皆さんにご提案したいことは、ゆっくりと自分自身を振り返る時間を確保し、「自分は一体何のために働いているのか」ということを深く思索し、もう一度、「仕事の取り組み方」「ビジネスの進め方」について考えていただきたいということです。

落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと考えることにより、きっと、"一個の人間"として、「自分自身が本当に望んでいること」「自分自身が本当にしたいこと」について再発見することができるものと想像します。

人生は一度だけです。後悔のない仕事人生を歩んでいただきたいと切望しています。




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