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野口 誠一のコラム「生き残る企業の条件」
野口 誠一
野口 誠一(のぐち せいいち)
八起会会長

1956年、25歳で玩具メーカーを設立し、年商10億円までに急成長させたが、1977年に倒産。翌年、自らの経験ももとに、「倒産者の会」設立を呼びかけ「八起会」を興し、倒産した経営者や会社が傾きかけている経営者をもう一度立ち直らせる活動を行う。

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Vol. 9 『倒産する社長の共通十項目 八、反省心の欠如』
(2009年12月18日)
「倒産する社長の共通十項目」の第八項目は、「反省心の欠如」である。
 二十一世紀に入ってこの方、企業不祥事が後を絶たない。とりわけ食品偽装、表示偽装などは年々増加する一方である。今年上半期(一~六月)の表示偽装の摘発は二十三件と、昨年一年(十六件)を半年で上回った。食の安全が叫ばれる今日、反省心の欠如もはなはだしい。

 反省は企業にとっても経営者にとっても、成長と向上のビタミン剤と言っていい。このビタミン不足に陥ると、遅かれ早かれ倒産を余儀なくされる。八起会はそうしたビタミン欠乏患者の集まりのようなものだが、その患者に根気よくビタミンを注入し、再起を促す病院でもある。が、全快して退院できる患者はニ、三割程度にすぎない。それほど「反省」は難しいということでもある。

 反省と後悔は似て非なるものと言っていい。反省の心は明日へ向かうが、後悔の心は昨日に張り付いたまま動かない。真の反省は、昨日までの自分のあやまちを潔く認め、明日から別人に生まれ変わることを意味する。それだけに実に難しい。倒産して地位、名誉、財産、人間関係まで失いながら、なおかつ反省できない患者が少なくない。

 一方、だまされた、裏切られたと恨んだり、ああしておけばよかった、こうしておけばよかったと後悔するばかりでは、明日は見えてこない。本当は、騙されやすい自分の本質や、判断力・決断力・実行力のなさに気付き、それを克服していくのが真の反省なのだが。

 わが会員に、見事に反省して再起した経営者がいる。彼は計数管理が苦手で、経理関係をすべて他人任せにしたことが原因で倒産したが、その後がすさまじかった。昼は土方仕事で糊口をしのぎながら、夜は簿記学校に通って苦手の計数をマスターし、ついに同じ業種で再起を果たした。そしていま、彼の会社は順風満帆である。

 中小企業経営者にとって、「反省心の欠如」は致命的と言っていい。後悔先に立たずというが、反省は先に立つ。むしろ、転ばぬ先の杖ならぬ「知恵」と言っていい。



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