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第6回 「人と企業を元気にする」
年が開け、新春を味わった季節はもうとっくに過ぎたように感じますが、未だ1月中旬。仕事を始めてしまうと忙しさで、時間があっという間に感じます。
しかし1月、年の初め。心の中に新風を吹き込ませられる余裕があるような気がしませんか。新玉の春を迎え、これから一年起こるであろうことに胸を膨らませ、「挑戦」という目標を掲げている方は多いのではないでしょうか。
さて、今回は2005年初のレポート。今年1年がみなさんにとって最高の年になるために、元気になる大野さんのお話をお伝えしたいと思います。
イタリア女性のピアノの調べと一杯のエスプレッソ。そんな夢のような朝の目覚めをご経験されている方は、この日本にはどれくらいいるでしょうか?
「本気で彼女と結婚を考えていた。」と語る大野さんは、自分の気持ちに素直に生きる素敵な方。もちろん、今ではとても魅力的な女性を奥さんにしておりますが、80カ国は訪れたという旅の中で、大野さんの人生を変えたこのイタリアでの出逢いからも、自由に生きる大野さんの人柄が伺えます。
もともとは叔父さんの交通事故でアメリカ留学が出来なくなり、その為に貯めた資金を使ってヨーロッパの旅に出たのが始まりだった。
そこで訪れるイタリアで恋仲になった女性と結婚の約束をし、切れたビザを胸に、日本で結婚資金を貯める肉体労働を始めた。当時、実家に帰ると丸いちゃぶ台にお味噌汁の香り、それが当たり前の生活だった大野さんにとって、暖炉を囲むその西洋の豊かな生活が、他に無い最高のものに思えていたのだった。
20歳の若さでディスコにも行かず、1日17時間の労働、切り詰めた食生活費、そんなストイックな生活を1年間続け、再びイタリアに渡る。
しかし、そこで迎える彼女の横には、自分ではない別の男性が…。
「ショックだったが、そこまで自分がストイックな生活を続けることが出来たことで、大きな自信になっていた。それは自分が意図していたことではなかったが、その時、好きな女性のために、こんなに自分のモチベーションを高く保てるんだ、ということを初めて知りましたね。(笑)」と明るく語る。
そんな生活からどこでエイチアイエスにつながるのか。
帰国後多くの旅の経験のおかげで、エッセイの仕事等が舞い込んでくる。その仕事の中でエイチアイエスの前進「秀インターナショナル」(当時の代表・澤田
秀雄)という旅行会社を取材するという機会が舞い込んでくる。しかし、その会社は今のエイチアイエスとは随分違う。九州のマンションの1室、社長とスタッフが1人。勿論本社には15名ほどスタッフはいたが、今の規模と比べると、本当に駆け出しの状態だ。そこで大野さんが入社、福岡営業所を任され、年間3000万円に満たなかった九州中国内の売上を百数十億円まで伸ばすのだが、そこまで持っていくまでの過程が、根性の座った自由人の力の見せ所だった。
とにかく知名度もなければ、売上もまだ低い。九州のスタッフは大野さんともう1人。たった2人だ。旅行ビジネスを研究する為、自社の強みと弱みを洗い出し、他社のサービスを徹底的に調べ出す。そして、最高のサービスや・接客を心掛け、その対応策や、お客さんの獲得方法は、今の世の企業にとってもすごく眉唾の方法。「他の会社と比べると負けている事はたくさんあるが、勝っていることもあるじゃないか。それを徹底的に伸ばすこと。そしてお金がかからない、最高の方法を考えた。」
実際の施策等の内容は、講演の中でのお楽しみにして頂きたいのですが、ここでちょっとしたヒントを一つご紹介します。
「誰でもやれることで、誰もやらないことを継続するだけでピカ一になれる。これがサービスの基本だし、ビジネスの基本です。」
誰も出来ない事は、多分誰も出来ない。ほとんどの場合はきっとそうだと思います。 この言葉を聞くと思いますが、難しいことはもちろん、簡単なことでさえ、それを「継続すること」は難しい。ただ、簡単な事だと思うと自分でも出来るのでないか、という希望が湧きます。誰にでも成長できるチャンスはあるんです。
マフラーの隙間からひんやりとした空気が染みる季節に開かれたこの講演は、ホテルの会場を300名の聴講者がぎっしりと埋め尽くしていた。某石油会社の販売部社員向けに開かれ、全国の成績優秀者の表彰式に花を咲かせる特別講演として、例を見ない盛り上がりを見せました。
複雑にしている要素を削ぎ落とせば、実体はとてもシンプルだったりすることがあるが、それを見極められるのが大野さん。曇りのない眼差しで、真っ直ぐに物事を見ることが出来るからこそ成し遂げられる神業である。そしてそれは、大野さんの生き方、人生に起こる様々な出来事に対して逃げ出さず、大変なことがあっても、目の前に壁があっても、自分の心に素直に立ち向かうことで、身に付けてきたものかもしれない。
そんな大野さんのお話を聞いていると、答えが決して一つではない、とせつに感じる。そして自分の人生の中で「挑戦」すること、そしてそれを「継続すること」の意味を再確認し、日々変化する毎日に向かって精一杯生きることをしたくなる。元気の効能がある講演でした。
(2005年1月20日 株式会社ペルソン 無断転載禁止)
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