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第7回 「先手戦略を練られる営業スタイルを磨く」
春に弾むような軽い声、大野さんはそのように表現したくなる人。今はまだ、雪が降りそうな天気も続きますが、そんな寒さの中でほわっと柔らかい空気を運んでくれます。ちょうど立春。少しずつ咲き始めた梅の花が、静かに春を知らせてくれますね。
うすいブルーグリーンのスーツがオーダーメイドを思わせるようにキレイになじみ、少し低い背にかわいらしさを残しながら、しゃんと伸びた背筋。上品な高さのヒール。決して主張し過ぎる事のない、いやみの無さが、大野さんを好印象に仕立てているように思います。「いやみの無い」その加減は、非常に微妙なところではないでしょうか。
「はじめまして。大野洋子です。お電話では何度かお話させて頂きまして、ありがとうございます。」私の友人に合唱をされている方がいますが、その発声に似た安らぎを与える声でした。名刺を頂けば、薄くピンクがかったクリーム色のシンプルなもの。私は編集をやっている関係上、デザインや紙の質などについ目がいってしまうのですが、紙に花のアウトラインが転写されている上質なものでした。名刺というのは、その人の人柄が出ると私は思っていますが、まさに細かい所まで気配りが出来る、そんな様子を伺わせるものでした。
人のファーストインプレッションは、その後の付き合いの中でなかなか変わるものではないと言いますが、その後も何度か講演でお会いして、変わらずいつも楽しい時間を過ごさせて頂きます。
さて、本講演は、横浜のパンパシフィックホテルの一室、某化粧品会社の営業社員向けに開かれました。以前大野先生が講演された時に大変好評だったので、そこでの聴講者の方が、他の支店でも、とご紹介して下さり、今回の講演が実現されたのです。大野さんはイメージコンサルティングの専門家なので、マナー研修等も多いのですが、今回はより多くの顧客を獲得するための営業スキルと、コミュニケーション力を向上させることが目的でした。
大野さんのお話は、アメリカで出会った全米TOP10の売り上げを誇る女性のお宅を訪ねた時のお話から入ります。営業社員でなくても、興味がわくのは間違いない話ですが、そこで開かれたパーティー会場での出来事は何もかもが、新鮮で目からウロコのお話です。そんな皆が気になるような話題で話を進めるテクニックも抜群ですが、何よりそのお話が面白い。すごく身近なことで、少しアレンジし応用すれば、実際に私たちのレベルでも出来そうなこと。実際のお話は講演での限定のお話なので、中身まではお教えできませんが、少しだけ、ヒントになるお話をしましょう。
「あなたは来客があった時に、コーヒーを何のために出しますか?」
今講演会に参加された方は、会社でTOPセールスをされている優秀な方の集まりでしたから、
こう答えます。
「私はその理由を2つあると考えます。一つは外から来られたら、夏は喉が渇くでしょうし、冬は寒いでしょうから、心配りで。それによって、その方を歓迎していることも表せると思います。そして2つ目は、これからお仕事の話をしなければなりませんので、より良いコミュニケーションをとるために、お客様の心をRelaxさせる、というものです。」と。
きっとこれを読んでくださっているあなた自身もこの答えは浮かんだでしょう。でもそれだけでしょうか?と大野さんは訴えます。そのお客様の反応と様子にたくさんのメッセージがあることを指し示してくれます。
例えば、営業などのセールスで、自分が一生懸命語っているとき、相手がどう思っているかが分かれば、どんなに事がスムーズに運ぶか、なんて考えたことありませんか?日本人はただでさえ愛想の良い人が多いですから、さんざん興味がありそうに聞いていたのに、購入はまたの機会に、といって逃げてしまうお客さんもいます。
それは何が悪いのでしょうか。人はみなそれぞれ趣味趣向も行動傾向も違ってきます。ですから、Pointをついたその人に必要な言葉で、自分のFieldに引き入れるトークがなされなければなりません。それがなされていない時に、そのようなことが起こるのです。その際に先ほどのようなコーヒーを出すという行動に伴う、お客様のシグナルを読み取りましょう、という話になります。あるPintを注目して見れば、その人が出すシグナル、その人の趣味趣向等が分かるという、驚きのお話です。どのようなシグナルがあるのか、興味がある方は、講演でのお楽しみにして下さい。
その後は、実際に「聞く」テクニックの実習に入り、参加型のお話は聴講者も終始笑いながら、進みました。
人は誰でも「うまくいった」そう感じる時があるはずです。そして、そのようなサイクルの時は続けて成功したりするものです。その「うまくいった」というものを体系化して、大野さんはお話をして下さいます。そして、受身ではない、能動的な行動を起こし、自ら結果を出して行く考え方を、個人に身につけさせてくれるわけです。お話の構成や聴講者をひきつける内容、間、トーク、共に、聞くだけではない、その後の結果を生む講演になること間違いありません。
講演が終わってからも、大野さんの人柄のせいか、周りに人だかりが出来て熱心な聴講者の質問が絶えませんでした。また呼んでくださるのではないか、そんな予感を胸に膨らませながら、今回のレポートは終わりに致します。学びは、いつまでたっても心を満たしてくれるものですね。コーヒーは出して終わりではない。それが今回の収穫です。
(2005年2月20日 株式会社ペルソン 無断転載禁止)
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