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第8回 「個性がどう組織を活かしていけるか?」
花粉症の厳しい季節になって参りました。
通勤電車の中は、マスク人口が例年以上に増しているように思います。
そして、私もその中の1人です。
映画館に行けば、スタートからもう泣いているのか、と囁かれ、電話でお話しする先生方には、お気の毒に、とお声がけを頂きます。「春は恋の季節」と浮き立つ足並みに軽くステップなどしていた頃は、いつだったか。赤い眼をしたウサギのようですと言えば可愛らしいですが、現実はなかなか厳しいものです。
さて、そんな中での今回は、元ヴェルディ川崎・セレッソ大阪監督、サッカー解説の松木安太郎さんの講演レポートです。
そう言えば、松木さんも花粉症らしく、こんな風にレポートを書いているのを知ってか、知らずか、どこかでくしゃみなどしているのでしょうか。
それでもお会いした時の表情は、「爽やか」という言葉が大変似合う、素敵な方でした。
体格には恵まれなかった、とおっしゃっておりましたが、その身長をカバーするために、考え抜かれたプレーの工夫で、素晴らしいサッカー成績を残し、成功することができた。そんなご自身の前向きな努力と、それに伴う結果を自分の手にしてきたという自信が全身から発するその爽やかなオーラの根源のように思えました。
講演前には八王子のコートで練習をされてきたというのに、疲れの色などちっとも見うけられず、少し焼けた小麦色の肌と短髪。声の調子は軽い。
「個性がどう組織を活かしていけるか?」と題された本講演は、新宿で某N社の技術職の社員向けに開かれました。組織で働く上で、どのように個人一人ひとりが頑張っていくのか、そしてその大切さをお話しして欲しい、というご希望だったので、今回の松木さんをご紹介させて頂きました。松木さんの場合、サッカーという皆が親しみやすい話題で、監督経験を活かしたビジネスの組織作りや、目標設定、モチベーション向上のお話をして下さいますので、男性社員は勿論、女性社員も、理論だけではない、体の底から湧きあがるようなワクワク感を思い起こさせてくれるのです。
実際の内容に関しては、最初に目標設定の大切さのお話から入り、モチベーションの向上のためには、【形・何かの理由がないと人間は動けない】、というお話に入っていきます。自分の監督時代に経験した、ある有名な選手とのやり取りの例などを持ち出し、精神的な限界についてもお話頂きました。オリンピック選手のメダルを取ったときの言葉にもしかり、自分のベストが出たという時は、殆どの場合、技術論ではなく、精神論なのだそうです。だからといって精神論だけを訴えているわけではなく、行動というのは、内面的なものからくることを分かりやすい例を持って説明し、肉体的な限界から、精神的な限界、そこを上手く引き出せる選手がいい選手だというお話に持っていくのです。また、その内面、モチベーションを上げるためには、好きなものなら何でも良い、とも松木さんは仰います。選手の中には、「点を取ったら、何をくれる?」なんて言いながら、本当に活躍してしまったものもいるらしいのです。そんな一面からも、様々な個性を持つ選手達とうまくコミュニケーションを取っていた、松木監督の姿が浮かびます。
また講演の後半では、監督(管理者)のどのタイプにより、勝てるチームになるかというお話をして下さいました。世界のチーム例をあげながら、チーム作りに関する答えは1つではなく、そのチームに合った組織作りをしなければならないと語ります。放任型の監督とそのチーム構成や、協同型のチーム例、どれも分かりやすく、おもしろいのが、特徴です。そして、松木さんの理想とするチーム、組織編成を聞くと、誰もが納得してしまう。
ワールドカップの話題や、選手時代に訪れた北朝鮮でのお話等を織り交ぜながら、終始熱を帯びた講演でした。講演後は本質を見抜くようなドキッとした質問もあり、非常に充実した講演になったと、主催者の方にお礼のお手紙も頂きました。
組織に属する個人の目的意識を持たせ、モチベーションの向上を図る、そして素晴らしいチームを作り上げる為に、松木安太郎さんの「ネバーギブアップ」という言葉の持つ威力を是非実際に感じてください。
講演をやったら、それで終わりでは意味がありません。しっかりと理論立てられたお話なので、意識だけでなく、それを行動に結び付ける術も学ぶ事が出来ます。
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