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  講師マガジン「人」
 
 藤田正美 講演
 「日本経済の展望と
   明日に備える企業経営」

   デフレの収束が囁かれ、
  経済の回復の兆しも見えてきた日本。

  2006年はどんな年になるのか。

  元ニューズウィーク日本版編集長の
  藤田正美さんの気になる講演にお邪魔してきました。

 
主催: 千葉県宅地建物取引業協会
聴講対象: 会員250名

2006.2.20



 
藤田正美 講師
 <講師> 藤田正美
元ニューズウィーク日本版 編集長
フリージャーナリスト

最終学歴 東京大学経済学部卒業

大学卒業後、東洋経済新報社に入社し、
週刊東洋経済の記者となる14年の経験を積む。
85年に「よりグローバルな視点」を求めて『ニューズウィーク日本版』創刊プロジェクトに参加。1994年〜 2000年同誌編集長。2001年〜2004 年3月同誌編集主幹。

インターネットを中心にコラムを執筆するほか、
テレビにコメンテータとして出演。2004年4月からはフリージャーナリストとして活躍中。自身のブログ『世の中まるごと“ O b s e r v e r ”』では、できるだけ多様な見方を提供すべきというジャーナリストの役割を説きながら、独自の視点による辛口ニュースコラムを発表している。

藤田正美 講師プロフィール

第18回 「日本経済の展望 と 明日に備える企業経営」

 講演が行われたのはライブドアに強制捜査が入った週だった。
「皆さん、やっぱりライブドア問題が気になるでしょうね」
まずはこの話題からだ。

そして次の言葉がとても印象的だった。

「価値を生むということと、儲かるということは別物ではないでしょうか。」

藤田正美 講師

目を細めるように微笑みながら、藤田さんは語る。
この笑顔、藤田さんの人柄だろうか、緊張していた会場の雰囲気を和ませる。

 そこで、こんな面白い話を持ってきた。
フォード自動車の創業者、ヘンリー・フォードのエピソードである。

友人の息子にヘンリーは聞いた「君はお小遣いをどうしている?」
「僕は貯金をしています。」
そうやって息子は答えた。

そうするとヘンリーはこう少年に言うのである。
「そのお金は怠けているんだよ。きみがしなくちゃいけないことは、
そのお金で工具を買うことだ。そして何かをつくってごらん。
とにかく、何かを創造してごらん。」
と。

ベルトコンベアによる大量生産方式という20世紀製造業の基礎を築いたフォードらしい言葉である。

そして一拍おいてこう付け加えた。
「堀江さんだったら、それで株を買いなさいと言うところでしょうね」

 ライブドアの報道から、ヘンリー・フォードの話が飛び出てくる所は、さすがだとしか言いようがない。「たまたま開いた古い本(『覇者の驕り』(NHK出版))に載っていたんだ。」と藤田さんは何事もないように語るが、物事を善悪の二元論で話したがるテレビ的発想とは違う、冷静な視点である。

聴講者の目の色から、期待が明らかに感じとられた。
そして、今後の日本経済の展望の話が始まる。

■ デフレ脱却の景気回復の見通し

 2006年、今年の景気は全体的に上向きであろうと藤田さんは語る。恐らく2%〜3%の成長率とやや強気の発言だ。その理由の一つは、バブルがはじけた後、企業の財務体質が強くなり、収益力が回復していること。 また、これは、国内消費の伸びに関わってくるが、労働分配率もよくなってくるという。これまで企業は人件費を抑えるため、契約社員やパートといった雇用形態の比重を上げてきた。これが企業収益の向上にもつながり、株価の押上げに一役買ってきた。しかしこれからは正社員雇用が増えるし、残業も増える。したがって個人消費も上向くだろう。ただ懸念材料もないわけではない。日本の貯蓄率は過去のピーク時が23%、現在は2.8%(2004年度 内閣府「国民経済計算」より)と随分低下している。だから収入が増えても消費に回らず、貯蓄を増やすという可能性もあり、その場合は個人消費はそれほど増えないかもしれない。

中国経済の高度成長に後押しされ、原油高傾向は続く予想されるが、原油高騰によるコスト上昇分を価格転嫁できれば、デフレの収束が早まる。しかし価格が高くなれば国内消費には悪影響を与える。ここでいかに国内消費を伸ばすかが課題だ。

また、今年最も懸念されることは金利の上昇であり、日銀がインフレ防止のため、金利を上げた場合、地方銀行が多く抱える国債の含み損の問題が浮かび上がってくる可能性が挙げられる。そうすると、地方銀行の財布の紐が緩まないので、中堅、中小企業への影響も無視できない。つまり、これからの原油高の価格転嫁の様子に注意が必要なのである。

 また、これからの日本企業の課題を、「ブランド・エクイティ(ブランド資産価値)の形成」だと藤田さんは語る。アップルコンピューターのiPodの1人勝ちからも分かるように、ブランド力をいかに捉え、育てていくかがかなり重要になってくるのだ。

 その他、海外の動き、中国やアメリカの経済の現状と今後を、分かりやすくお話頂いた。

■ 藤田さんの講演の特長

 ここで、藤田さんの講演のポイントをまとめると、藤田さんの講演の特長は、ずばり分かりやすいこと。難しく複雑なことを聴講者に合わせて易しく解説し、また業界に合わせてアレンジを加えてくれる。今回に関しても、上記のように、大きな経済の流れを説明し、業界に合わせて、土地や建物の今後なども混ぜながら、一つ大きなヒントを与えてくれるのだ。

経済状況は日々、秒単位で変化する。
だから、講演を聞いた後も、聴講者がちゃんと数ある情報に惑わされないように、ヒントをくれる。

「様々な情報、ニュースの中からどう本質を見抜けばいいのか」

私達が欲しいのは、経済の今後のトレンドでもあるが、
実はいろいろな情報を俯瞰しながら、その流れの本質を見抜く目ではないだろうか。

これは、ニューズウィーク日本版の編集長として、メディアの中にいた藤田さんだからこそ
分かるものでもあるが、画一的な報道の危険性など、藤田さんの講演だからこそ聞ける話ばかりである。
このヒントは、是非講演で聞いて頂きたい。

また、現在活躍する名だたる経営者達も読んでいるという、藤田さんのコラムでは、
物事の多様な見方を提供するため、面白い角度で社会を読み解いているが、
その論調に見られる辛口でユニークな視点のお話は、講演で惜しげも無く披露されるのだ。

そう言えば、フォードの言葉にこんな有名な言葉がある。

「想像できることなら、誰にでも どんなことでも できる。」

藤田さんが講演の冒頭に持ってきたフォードの話が幾重にも、
期待の言葉に聞こえてくるのは、こんなメッセージが思い起こされるからかもしれない。


  (2006年2月20日 株式会社ペルソン 無断転載禁止)


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
これからも講演依頼.comで人気のある講演会をレポートさせて頂きますので、よろしくお願い致します。


 

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