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第19回 「人の心を掴む ビジネスコミュニケーション力とは?」
生井さんの講演はまるで、イタリア フィレンツェで見た日の出のようだった。
あれは、2月の終わり頃。ホテルの屋上に出ると、夜明け前であたりはまだ暗かった。
すると、一筋のオレンジ色の光が、地平線と空との境界線を明らかにするように滲み出していく。
それがだんだんと、空を染め出して、
気づけば、
オレンジ色の屋根瓦が規則正しく永遠と続いている景色が広がっている。
街が朝日に照らされて、その姿をあらわにした時、
目の前の教会の鐘がひとつ、鳴った。そしてそれを合図に、幾つもの教会の鐘が輪唱し始めたのだ。
その鐘の荘厳な響きは幾重にも重なり、街全体に鳴り響いた。
そして、いつしかその響きが静かに消えていく。
その直後、一瞬だけ、静まり返る瞬間がある。 「音のない時間」。

それから、眠っていた街が動き出す。
まさに「静」から「動」に変わる瞬間である。
生井さんの講演の終了15分前に用意された仕掛けは、
まさに「静」から「動」。
聴講者が突然目を輝かせ、後ろの方で傾いていた頭が上がり、
メモに走らせるペンの動きが明らかに変わる。
「気づかせる」ということは実はとても難しい。
人事担当者からは、よくあがる言葉だが、人はなかなかその意識、性格までは変えられない。
だから、意識の変革は、重要であるのにも関わらず、実は非常に難しいのである。
それをいとも簡単に、最後の残り15分でやりのけてしまう。
場に応じたコミュニケーションの必要性、交渉術の話しから始まり、
その基礎となる個人個人の自己表現能力を上げるためにはどうしたら良いかを説いていく。
そして、「何のために働くのか?」を聴講者に考えさせながら、
この最後のパフォーマンスに全ての答えが結びつく。
「どうしてあの人はあんなことを成し遂げられるんだろう?」
という皆が名前を知っているようなグレートコミュニケーターの秘密。
このパフォーマンスが生井さんの講演の一番の見せ場である。
基本的には温和で落ち着いた声でお話される生井さんだが、
「何のために働きますか?お金が欲しいだけだったら、もっといい会社がありますよ。」
と厳しい言葉も挟みながら、これから社会に出て働くための心構えも訴える。
11年間、在ニューヨークの企業を中心に、法務・経営・ビジネス戦略等
のコンサルティングを行ってきた経験から語られる、ビジネスコミュニケーション術と
アメリカ的なパフォーマンスの発想、講演終了15分前のサプライズを是非実際に体験してください。
(2006年3月20日 株式会社ペルソン 無断転載禁止)
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