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苦労させるようなスパルタ教育的なことはするのですか?
いや、やってません。まず子供には通用しません。何かで苦労しているときには、おめでとうといってあげる。人が出来ない思いを、そのときに知れる。それが自分の財産になるからね。その時やってわかるんでしょうね。役者にしてみると、芝居の深みとして出てくる。
―― 劇団フリースタイルを主宰してますね。結成した時のキートン山田さんの思いは?
ある声優学校に講師として行っていて担当したクラスの生徒40名位いるんです。2年たつと卒業なんですよ、でもみんな声優やりたいけど、卒業して終わりなんですよ。そこからどこかに所属できるという人はいない。それから、とうてい声優なんかなれそうもないわけです。学校ですからその中に何とかなりそうだなという人が数人いる。どうするんだと聞くとどこも行くところが無い。
自分もそういうことを経験していますから、19才のころから養成所みたいなところに残ってなんとかなるだろうと思っても全然なんとかならない、そういうところは。学校はお金だけとって卒業、はい、さようなら。そういう気持ちがあって、じゃあどうだ!劇団みたいなのつくってやってみないかと声かけたら、やりますと2〜3人いました。もうちょっと人数集めろということで7人になった。
それは7年前ですね、そこから夢捨てた人は別に来なくていい。まだやりたいと思っている人はこの仕事で生活できるようになれば一番いいんですよね。そういう場所をまず提供しようと思った。それから自分自身も若い連中と芝居を語ったりして出来るだけふけないように若い人と接して行こうという意思もあって、いわゆる劇団という芝居ばっかり考えるのではなく、いろんなことを緩やかに、マスコミをめざす人間が育つような楽しい芝居を心がけようということで始まった。
―― キートン山田さんが若いときに、先輩と朝まで好きな芝居のことで語り合って寝る暇も無かった、今の若い人もそのようにしていますか?
あんまり無いですね。こちらが与えられればやりますけど芝居とか将来の夢で語り合っている姿を見ないのが残念です。ゲームとかカラオケとかであまり人の心に入らない会話で仲良くやってますよ。ちょっと突っ込んだ、例えば「人生」なんていったらいっぺんに乗ってこない世代ですよ。でも、嫌われても、生活のために自分の経験を語るんですよ。
自然にしみこむものですよ、7年経ちましたけど少しはしみているのかな?少し最近は突き放していますけど、たまに顔出しながら、あまり言い過ぎても駄目ですげど、育てるのは大変だなぁ思います。
芝居をやっていて、あと一週間後に本番だなとなると、いやでも全員本気になりますけど、それが経験できる若い連中は幸せだなと思いますね。終わると皆、元に戻るんですけど一番腹立つんですけど、積み重ねをわかっていないのか?と思いますよ。本当は成長してるんでしょうけど親の目でみていますので、いつまでも駄目だなと思うんです。
―― キートン山田さんと同世代のかたで、若い世代の人との間をうめる努力をしている人が少ないのでは?
それも確かにありますよね。多分、さらに上の先輩との付き合いをしていないのでしょう。小言を言われていないために、小言を言うこともなくなってしまうのでしょう。自分の経験を語るしかないでしょう。それ以上のことは、別なところで読むなり、聞くなり、してもらうしかないですね。
―― 劇団の若い俳優さんの中に、キートン山田さんがちびまる子ちゃんに出会ったような、そういう芽の出そうな人はいそうですか?
それはこれから、2,3年の間に出てくると思います。そういうチャンスはあるんだが、それが気づかなかったり、すぐそこにあるのに、振り向けなかったり、チャンスは留まってないので、それをつかむ人がいるかどうかでしょうね。実力も必要でしょうけど、チャンスをものに出来るかどうかでしょう。そのための準備をしておけとは全員に言ってます。せっかく来たら驚いて、「それは無理です」では終わりだぞ。いつ来てもいいように心の準備をしておけ。その為に何をしたら良いかを「自分で考えろ」ということですよ。
―― キートン山田さんのちびまる子ちゃんと出会うときの心の準備は?
若い頃は仕事がそれなりにあって、かなりいい気になっていた時に比べれば、谷間に落ち込んで、もう一度這い上がろうとしていたときの事でしたので、気持ちがまったく違う。
こんなにピッタリ合う仕事に会えるのか、人生に一度あるかないかですよ。私のキャラクターがどうのこうのということではなく、天の声が導いたのでしょう。ここにたどり着くまで、止めずにこの仕事を続けてきたことだけが自分の力でしょうか!それ以外は、原作者もこんなナレーターがまさかピッタリはまるとは思ってなかったでしょうね。出会いの大切さを感じますよね。
劇団にも、役につけない、いつも代役の人がいますよ。本番に出れないわけですが、だけどあいつが病気になったら、君しかセリフ覚えているのがいないわけだから、いつ役にまわされるのか準備はあいつ以上にしておかないと自分をPRできないぞ。かりに病気しなくても君のためになるんだ。そうとらえて努力してないとダメでしょうね。
それが出来るのかどうか、夢でしょうね。あきらめない事です。目先のことばかり考えていると出来ないことです。
―― 「三流の一流」からキートン山田さんの言うプロ意識について聞かせてください。
決めることでしょう。自分の道はこれだ!と決めること、それがプロ意識でしょう。いろいろやってどれか自分に合うことを決めようとしているうちは、プロでも何でもない。決めたときからプロでしょうね。最初稼げないでしょうから、決めた後からお金がついてきたら、人も認めるプロになれるわけ。またそういう自信がもてるかどうかも大事でしょう。この本(『三流の一流』)の反響が良いのは私の経験から分かりやすく、無理なくそんな自信がついてくることだと思います。いますでにプロの方でも、谷間にいる人がこの本(『三流の一流』)で勇気付けられたとも聞かされたので、大変うれしく思っています。
――ありがとうございました。
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