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4つ目は、「チェック&バランス」です。日本の社長は偉すぎるんですよね。アメリカでは、2期減収だと社長は責任を取って退任ですが、日本の経営ではその概念がほとんどないところに問題があります。監査役も社長が任命してっていうのは、泥棒が警官を任命するようなものなんです。いい点悪い点をチェックして、社長や経営者に対してアドバイスするとか、最悪の場合は罷免するとか、そういうチェックアンドバランスが今まで日本の会社ではなかったんです。すべての人が誰かしらに正当な評価を仰ぎ、その結果に責任を持つ仕組みが必要ですね。
最後の5つ目は、「若手・女性の登用と活用」です。最近でこそ日本でも若手・女性の登用が進んできていますが、米国と比較すると登用の中味に違いと言うか問題があるように思います。
それは、まだまだ権限と責任を持たせた仕事をさせていないと言う事です。例えばコンシューマー製品の企業であれば、女性の消費が中心なのですからもっと自社の女性に権限と責任を与え思い切って仕事をやらせてみるべきです。例えば、部長さん30人に対して、女性の部長が1人もいないという場合が日常茶飯事ですよね。GDPの6割は消費なんですね。その8割は女性の消費なんです。日本経済の約半分は女性が握っている。だから、女性が管理職に1人もいないというのは、おかしいじゃないですかということなんですよね。
35歳でも能力があれば取締役にしても構わないと思うし、女性の下に男性の部下がいても全く構わないと思うんだけども、やっぱり性別、学歴、年齢等が幅を利かせすぎる。これらの点は、それなりの考慮には値するけども、本質的な重要性があるとは言えない。このような次点要因が幅を利かせすぎる会社というのは、短期的には見かけ上の和を保つことはできるけれども、中長期的には、企業を滅亡に追いやる。そういう経営ですよね。この面では、アメリカに日本は30年ぐらい遅れているんです。
総じて言うとこの5つが、日本の会社はアメリカから学ばなきゃいけない点かなと思いますね。
――では、米国経営で反面教師とすべき点はどんなところでしょうか?
それは、極端な<短期株主資本主義>的な経営でしょうか。ステークホルダー(利害関係者)がいて、その中で経営者は常に監視されています。ちょっと業績が悪いと自分の首が飛ばされるから、短期的に株価を上げたがるんですよね。そのために、陥るのが短期株主資本主義で、将来のわが社の継続的な成長発展を無視、あるいは軽視して、見かけ上の短期の株価だけあがればいいと。その象徴的な例がワールドコムでありエンロンであるんですね。
最近日本でもそのような兆候を感じているのですが、これは極めて危険です。短期的にはいい時期があっても必ず、早晩経営がおかしくなるからです。
――新さんは、「勝ち残る企業の条件」と題した講演を行っていますが、ここでいう「勝ち」の企業定義は何ですか?
とりあえずの条件は企業を潰さないということです。ゴーイング・コンサーンでないと。何故かというと、潰れるということは程度の差はあるけれども、ステークホルダーに迷惑をかけるわけじゃないですか。お得意様とか銀行とか消費者とか取引先とかに。迷惑をかけるのは悪いことで、悪いことをする企業をエクセレント・カンパニーとか優れた企業と呼ぶことはできないんですよ。
したがって、勝ち残る企業というのは潰れない企業のこと。そして、【ステークホルダー(利害関係者)に対する責任を継続的に果たすことができる企業】です。
私は、本来経営とは「社会創りであり、社会創りは人創り」であると考えています。これからの経営のため、国際性と豊かな教養を持つ人創りが大切な要素だと考えています。
そのためにも経営者は、性別、学歴、年齢を問わずスキルとウィルの高い社員に権限と責任の機会を与え仕事を遂行させ、公正に評価処遇しなければなりません。
それが、最終的には経営者としての自分創りにも繋がると私は経験を通じて実感しています。
――ありがとうございました。
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