−サッカー教室の指導では、サッカーの上手なセルジオ先生と親しまれているようですが、今の教育に関してお感じになられることはありますか? |
ある物事に対して、ちゃんとその理由を説明できない親が多いということですね。
私が全国を回っていると、「うちの子はいつもテレビの前でゲームばかりやっているんです。」という苦情をよく聞きます。サッカーを教えに行っているのに、何故か子育てについての話しも多いんです。(笑)
テレビゲームに関しての母親の本意は、害があるからさせたくない、というものでしょうけれど、でもそれを買ってあげたのは誰かと言えば、ご自身であったりするのです。それにテレビと言えば、家事の休憩がてら、お菓子を片手にテレビに食いついているお母様方もたくさんいるんではないでしょうか。昼ドラの視聴率を稼いでいるのは、世のお母さん方です。そんな姿を見て、子供は何を思うでしょうか?よく考えて欲しいとおもうのですが、問題はテレビゲームではなく、長時間やり続けることに伴う弊害が問題なんですよね。目が悪くなるとか、勉強に手をつけられないとか。それだったら、時間を決めて1日2時間までしかやってはいけないとか、途中で休憩をしなければいけない、等というやり方で解決してあげればいいのではないか、と思うんです。大人の社会が効率を第一に考えたせっかちな社会だから、つい悪いと言われたものを即座に悪い物と子供にしかりつけ、ちゃんと説明し、子供に分かってもらうことをしていないな、と思います。子供は以外に細かくて、親が間違った事や嘘を言うと見抜いていたりするんですよ。
|
|
−そう言えば、「大人ってずるいな。」そう子供の頃に思った事がありましたね。 |
正直言うと、私も自分の子供のゲームを借りてやってみたことがあります。それが面白くて、面白くて。
「やってみたことはありますか?」やってみればその面白さが分かるはずです。お子さんの立場に立って物事を考えれば、子供に対して出てくる言葉も変わると思うんです。それを世間が「良くない」と言っているという事象だけでせっかちに判断したりする。それでは、子供はちゃんと理解できないですし、同じことを繰り返します。
そして思うのですが、もし私が子供の時代にこういうものがあったら、間違いなく今の子供たちと同じように夢中になっているはずです。私が子供時代にテレビゲームをやっていなかったのは、我慢していたのではなく、なかったから、つまりその時代には存在しなかったから出来なかったのです。「私たちが子供のころは…」と話し出す方々がいますが、時代の差や文化の差をしっかりと理解出来ている大人が少ない、と思います。自分の子ではあるけれど、確実に自身の子供の頃とは違う時代に生きています。そういった時代の差を認め、今だから分かる古き良き時代を参考にすべきです。
|
|
−古き良き時代ですか…。セルジオさんの子供時代を少し教えて頂けますか? |
|
私は、ブラジルで生まれました。両親は日本人です。産まれた時代だけでなく、国によっても価値観は変ってくると思いますが、ブラジルと日本という二つの国を比べられた経験を持っていて、凄く得したな、と思っているんです。人と違う経験を持っているから、ユニークだ、なんて言われるのでしょうけれど、その話を少し。
当時は、アスファルトの道路もなかったですし、貧しい生活で、おもちゃと呼ばれるものは全て手作りでした。自然の中で暮らしていましたから、現代の人たちから見れば羨ましがられるかもしれませんが、当時はそのありがたさも知らなかったし、不便だとも思いませんでした。
タイヤを押して遊んだり、竹を取りに行ってタコを作ったりしましたが、別に手作り自体が楽しかったわけではないんです。売っていなかったんです。もし近くのお店で売っていたら、作るなんていう、めんどくさいことはわざわざしなかったんではないかな。そう考えると、当時はテレビゲームがなかったから、あんな素朴な遊びをして、裸足で走り回るのが全てだったんです。
|