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−その決断が今の羽中田さんに繋がるんですね。
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そうだね。監督なら、車椅子でもできるんじゃないかって思った。それから指導者の勉強をするためにスペインへ行って、たくさんの経験をしたな。リーガエスパニヨールのアスレチックの責任者が言った、「選手の育成に大事なことは、目標を与えてやる事だ。」っていう言葉だったり、妻との二人三脚で歩いた生活だったり。サグラダファミリアの思い出は、コラムを読んでもらえば分かるかな。僕はサッカーを通してもたくさん失敗しているし、その失敗が指導者をやる上でアドバンテージにもなると思う。
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−現在、暁星高校サッカー部を指導されていますが、生徒はどうですか? |
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要求すればみんな一生懸命やるし、歯を食いしばってついて来る子が多いですね。勉強しながらサッカーもやって『この子達、本当に遊ぶ時間がないんだろうな』っていうのがよく分かる。
ただ、要求したものや与えたことは一生懸命やるんだけど、『こうやろう』とか『もっと工夫してみよう』とかそういうものがグランドの上であんまり見ることができない。そこが少し物足りないかな。もっと自分を表現すればいい。『自分はこういうことがやりたいんだ』ってことをもっとぶつければいいのにな、と思いますね。
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−羽中田さんの高校時代は、そうでしたか?
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そうだね。僕は、「自分の思うサッカーをやりたい!」っていうのをよくグラウンドで監督にぶつけていました。(笑)その時の監督が、よく聞いてくれる監督だったのですが、時にはケンカをした。夏の練習、灼熱の太陽の下で100本ダッシュとかやって、そういう時に「なんでこんな練習をやらせるんだ!」とか「俺はセンスで勝負したいんだ!」とか(笑)そんなことを言いながらやっていました。
結局日本1にはなれなかったんだけれど、仲間と一緒に励ましあいながら、文句を言いながらやれたのは凄く良かったなって思います。頑張るってその時は大変ですが、やはりどんな無意味な頑張りでも頑張るって素敵だなって思うんですよ。ただそれだけでね。本当、そう思います。
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−頑張るって理屈ではないですからね。
サッカーに関わっていく中で、車椅子だから見えてきた。と思うものはありますか? |
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凄く難しいことをしていたんだなって思いますね。車椅子で指導する立場になって、体の微妙な動きを言葉で説明することが凄く難しいと感じます。同時に、「上手い選手というのは、本当に微妙なところで上手い」ということもより実感しましたし。
それでも監督は自分のサッカーを伝えるためにグラウンドに立っているわけだから、それが出来なければ指導者の資格はない。動きを言葉で伝えられなきゃチームに必要ないんですよ。だからね、言葉の難しさを感じながら、今は勉強中です。ただ、イメージさせることが非常に大切だと思うので、トップレベルの選手のプレーなどを例にしながら、動きをイメージさせることを意識しています。教えることの経験も少しずつ積み重ねていきたいです。
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−今、現在はS級ライセンス取得に挑戦されてるんですよね? |
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そうです。20年後には、子供達、ユース、中学生や高校生ぐらいの年代の子供達にサッカーを教えていきたいので、そのためにもJリーグの監督になりたいんです。ライセンスの講習はひと段落しましたが、実技試験が追試になってしまいまして。車椅子を一つの個性にして、頑張りたいと思っています。
それに、良き指導者になるためには、人間力ももっと必要だし、「こういうサッカーをしてファンに感動を与えたいんだ。」という自分のサッカーのコンセプトもしっかり持たなければならないと思う。自分が指導者になったら、選手の成長をちゃんと穴があくほど見てやろうと決めているんですよ。選手をちゃんと見てあげる監督にね。
それから練習が終わった後に、今までの自分の経験も伝えて行きたいです。サッカーのことだけでなく、「ひととは違う大切な個性」の話だったり、ヨーロッパを車で周った話だとか、自分が今まで出会った人達の話だとか。そう考えると、やっぱり最終的には子供達にね、夢を与えたいな、サッカーを通じて。「あの時はこうだった。ああだった。」というのではなくて、その時その時に感じてきたことがエネルギーになって、それが言葉になって子供達が何かを感じてくれたらいいな、と思っています。
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−最後になりますが、サッカーの好きな部分ってどこですか? |
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そうだね。11人皆で力を合わせてゴールに向かっていくところかな。それと、難しいところ。パズルを解いていくように、ひとつひとつを組み立てていく感じが、とても。
実はね、45歳になったら、韮崎高校時代のチームメイトと一緒に『山梨のサッカーを盛り上げて行こう』という話をしているんです。出来るかどうかはまだ分からないですが。そうやって、サッカーを通じてかけがえのない出会い、贈り物もたくさんもらったし、好きな部分というより、凄く自分の人生の中で大切なものなんです。
本当に今はね、"サッカーの神様"っているんだなってつくづく思います。
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−素晴らしいお話をありがとうございました。
S級ライセンス、監督の夢、是非応援させて頂きます。 |