| 広岡: |
決断力、必要な部分ですね。それと、人心掌握も大切な要素の一つですよね。
ヤンキースのトーリ監督もまた、監督としてはトップクラスの監督なんですが、実はこの間、ニューズウィークでのアンケートで中間管理職になってもらいたい人NO,1に選ばれたんですよ。
要は、その置かれている立場が、スタインブレナーというオーナーと、年俸30億円なんていう選手達をマネージメントしなければならない、ちょうど中間管理職と同じ立場なんですね。その立場で、世界1を5回、6回と連続で成し遂げているような監督なんです。
しかし実際接してみて気づいたのですが、監督は普通の当たり前のものを大事にされているに過ぎないんです。日本人が抱くステレオタイプなアメリカ人ではなく、日本的な考え方をしますね。
例えば具体的にいうと、人を怒る時。おそらく佐伯さんも選手を怒ると思うのですが、ヤンキースの場合、松井よりすごい年俸の選手がごろごろいるわけですよ。みんなそれぞれ俺が一番だって思っている選手ばかりです。だからやはり、自尊心を傷つけないように、指導をしなければいけないですよね。
さすがだなぁと思うことは、ミーティングでは一応怒りますが、ほとんど名指しはしませんね。名指しで、選手を怒らない。明らかに誰が見てもお前が悪いという部分も。ただ、終わってから二人だけで話していたり、人に見えないところでマンツーマンの対話をしていますね。
僕はもともと記者でしたから、なんでこういう考え方をするんだろうと思って、取材してみたんです。そうしたら、自分が子どもの時に人前で怒られるのが屈辱だったからだそうなんですね。ましてはプライドがとても高い野球選手。当たり前のことですよね。それを実践しているにすぎないんですけれども。あとは野球もオーソドックスだし、見ていてバントだなぁと思うとバントだし、プレイ的にはそうですね。ただ、人心掌握術とか、一つのパートを動かすとか、個を組織にするとか、そういうものにかけては、すごいと思います。
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