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――日本経済、世界経済の景気動向について、どのような現状認識をお持ちですか? |
みなさんもご想像されていると思いますが、経済の現状はよくないですね。ヨーロッパはユーロ危機に苦しみ、アメリカも財政赤字問題がささやかれており、雇用も拡大しません。また、中国もスローダウンしていて、日本は相変わらずデフレが続いています。世界全体として、よくない、と言わざるを得ないでしょう。しかも、ユーロ問題は解決までに数年はかかると言われていますから、状況は2012年も変わらないと思います。
実は、日本だけは復興需要があるおかげで、2012年はある程度経済が上向く可能性があります。ただ、それも長続きはしないでしょう。そもそも日本は政策が間違っているんです。日本の経済問題は、日本固有の原因があります。その原因というのは、デフレが続いていることです。デフレが続くと、民間は消費や投資を増やしません。その結果、民間の需要が盛り上がらないんです。なぜなら、デフレのもとでは実質的に現金の価値が上がるため、現金を持っていた方がいいとなる。このデフレを15年も放置してきたのが日本。民間の需要が滞ってしまっては、経済が上向くはずがないんです。
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――デフレから脱却するために、日本銀行や政府は行動を起こさないのでしょうか? |
デフレ対策の処方箋は極めてシンプルで、もっと金融緩和すればいいんです。お金を市場に送り込み、インフレ傾向に持ち込む。ところが、日本銀行は金融緩和をしたくないんですね。金融緩和をすればデフレは解消されるのに、です。なぜなら、日本銀行は、金融緩和よりも自分の銀行のバランスシートの方が重要で、バランスシートを大きくしなくないから。さらにデフレから反転してインフレになったとき、コントロールする自信もないからです。
一方で政府はというと、まずは増税したいんです。政府というより財務省が、といってもいいかもしれない。財務省は景気をよくしたいなんて思っていないんですよ。だから、なんら手を打たない。結果として、デフレは放置されたままになっています。政治家はなんとかしないと、と思っているでしょうが、政治としてどうしたいかを決めないわけですね。だから結局、財務省の考えで“増税が必要”だ、という流れになってしまっている。
日本銀行に対しても、政治の側からプレッシャーをかけるべきなんです。そうするしか、もはや金融緩和には向かわない。ところが、未だにプレッシャーはかけられていない。政治家の中でも、特に若手はそういうことがわかっています。ところがわかっていても、最後は官僚の言いなりになってしまう。自分からやろうとはしないんですね。
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――民主党は政治主導を目指したわけですが、うまくいっていないのでしょうか? |
最初はやろうとしましたが、官僚とぶつかって、できないということがわかったんです。官僚なしには自分たちに政治はできないと。だから、官僚の言うことを聞くしかない、と。それで結局、官僚の言いなりになってしまっている。官僚にとっては、今は過去にないほどラクでしょうね。全て好き勝手にできるからです。実際、官僚がこれまでやろうとして、できなかったことが次々に表に出始めています。消費税増税しかり、社会保障費の引き上げしかり。これは、官僚がやりたかったことを政治家に言わせているんです。官僚は基本的に自分たちの権限や予算を増やしたいわけですね。だから、自分たちに都合のいいことをやるようになるわけです。
ただ権限や予算を増やしたいのかといえば、そういうわけでもない。東日本大震災からの復興は象徴的だと思います。すべてが遅い。後手に回ってしまっている。復興の規模云々の前に、とにかく遅いわけです。背景には個別のいろいろな要因がありますが、官僚は結局、自分たちの権限や予算を増やせたとしても、実際手がかかる仕事はやりたがらないんです。
一方で、そうやってサボっている官僚を政治の側が強制しようとしても、なかなかできない。結果として瓦礫の処理も進まず、補正予算は政治のガタガタもあって遅れてしまった。例えば、復興庁は法案通りになるかもしれませんが、もともとそういう組織はなかったし、官僚は作りたくなかった。そこで、できるだけ実質的な権限を持たせないようにするでしょう。
こうした状況はすぐに変わることはないと思います。このままだとマズイわけですが、ここから脱却するためのトリガーがあるのかというと、ない。それがわかれば苦労しません。閉塞状況は今後も続くでしょうね。
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