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――2012年の世界、日本のキーワードにはどんなものが挙げられますか?
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ひとつは、『ポピュリズム』でしょう。2012年は、アメリカの大統領選を筆頭に、世界的に重要な選挙がたくさんあります。選挙になれば、どの国の政治家も国民受けすることをやりたがります。ポピュリズムに偏るのか、こういう中でも正しい政策を貫けるのか。そこが問われる。間違ってバラマキ政策が行われたりすれば、後に問題を残すことになります。
一方でもうひとつ気になっているキーワードが、『財政規律』です。ギリシャ問題以降、特にヨーロッパの国は財政規律ばかりが声高に語られている。しかし、財政規律だけが目立つ政策というのは、やっぱりおかしいわけです。緊縮政策ばかりやっていては、景気が悪くなるばかりです。間違った政策がいつまで続くのか、どこで方向転換するのか、気になるところです。日本も、すぐに議論が財政問題、消費税増税に進んで行くのは同じといえます。この緊縮財政というキーワードは、かなりやっかいだと感じています。
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――一方、2012年に特に日本が注意しておかなければいけないのは、どんな点でしょうか? |
復興需要で日本は少し景気が良くなります。しかし、それに騙されてはいけません。景気が良くなると、政府も企業も緩んでしまって、やるべき改革や対応をしないで、その後また悪くなる、ということを繰り返しています。おそらく復興需要による景気回復は一年ほどしか続かないでしょう。そこに依存したら、その後がきつくなります。
そうした日本の先行きを見通しているのが、株価です。2011年、株価は極めて厳しい水準にありました。この10年で株価が上昇傾向にあったのは、小泉政権のときだけです。政府がまともな政策をやっていれば、株価はちゃんと上がる。逆に、間違った政策をやっていたら株価は上がらない。円高も株安も続いてしまうことになる。外国人投資家はしっかり見ています。政策がひどければ投資はしない。逆にいい政策になれば当然、買いに入ることになると思います。
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――コンテンツ産業をはじめとした、クリエイティブ産業を応援しておられますね? |
日本は、これまでに取り組みを進めてきた産業以外に、地方文化も含めていろいろないいものが眠っているんです。それは十分、産業化できるんですね。アニメや漫画もそうでしたが、それ以外にもいろいろなものがあります。それらをもっと活性化させていくべきだと思っているんです。
とはいえ、これだけでは厳しい。医療も成長産業と言われていますが、これだけで1億2000万人の国民を養うことは不可能です。そういう目新しいものばかりでなく、多くの産業に目を向けないといけない。だからこそ、根本でやらないといけないことは、デフレを解消することなんです。デフレを解消すれば、いろんな産業にチャンスは山ほど出てくる。これをやらずに個別のことを語っても意味がない。いろんな産業が成長産業になっていかないといけないんです。
そうした中で、コンテンツも含めたクリエイティブ産業を、もっともっと強くしていく必要があると考えています。多くの人の目もクリエイティブ産業に向き始めています。経済産業省がこれから出そうとしている成長戦略にも、クリエイティブ産業は入っているんです。
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――官僚時代にエネルギー政策にも携わられていましたが、エネルギー問題に関しても、いろんな発言をしておられます。 |
原子力発電の割合を将来的に下げていき、電力産業は自由化し、改革していかないといけないでしょうね。監督官庁は電力業界と密接な関係がありますから、原子力を減らしたくないし、電力産業の側も今のままの独占体制でやっていきたいと考えている。だからこそ、問われるのが政府の姿勢です。ちゃんと変えようというシナリオを政治が書けるかどうか。
2012年の春くらいに今度は債務超過に近い状態になり、東京電力の問題がもう一度再燃してくると思います。そこで、東京電力に対して政府がどんな対応を取れるか。これで今後、正しい方向にエネルギー政策が向かうかどうかが見えてくると思います。実のところ、潰してしまっても本当は困らないんですけどね。だからこそ、政府がどう対応するか、見物です。
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――最後に、講演依頼.com・講師の心.comをご覧の方々にメッセージをお願いします。 |
テレビでは短い時間で意見を言わないといけませんから、十分なことが言えない。編集でカットされてしまう可能性もある。新聞や雑誌では、語れる量が少ない。講演には、ある程度時間があります。ですから、物事の全体を体系的に語ることができます。ここが講演が他のメディアと違うところです。全体をきちんと体系的に語れるので、講演は正しい意見を広める手段のひとつと考えています。
とりわけ、政策というのは算数とは違って、解がひとつしかないわけではなく、複数の解があります。その中で、どれが正しいのかを選ぶのが政治の役割です。政策というのは複数ある。その中で正しいものの考えはこうだ、という思考のプロセスをぜひ体感していただきたいと思っています。正しいものごとというものをわかってほしいんです。
その意味では、講演は大学の授業と同じです。みなさんのその場での反応を見ながら、いい講演を作り上げていきたいと考えています。
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――本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。
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取材・文:上阪徹 /写真・編集:丑久保美妃
(2011年12月 株式会社ペルソン 無断転載禁止) |
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