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渡部 陽一のコラム「世界の戦場から平和を考える」
渡部 陽一
渡部 陽一(わたなべ よういち)
戦場カメラマン/ジャーナリスト

戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、
世界の人々に伝えることに命をかけるジャーナリスト。
著書に、『世界は危険で面白い』など。
最近では、独特の語り口が話題となり、
バラエティー番組にも出演し、注目を集めている。

 渡部 陽一講師詳細プロフィール
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Vol. 11 『「今を生きる!」世界の学校/課外授業紹介』
(2009年02月20日)

世界の子供たちは学校が終わった後に何をしているのだろう?世界中の戦場に飛びこみ、爆破された街のなかで子供たちの放課後を追いかけた。そこで体験したものは戦場の課外授業といったほうが的確かもしれない。日本では学校が終わると塾に直行し受験勉強に励む。部活動で汗をながすことも見慣れた光景だ。 世界の子供たちの放課後にはより生々しい生活感が漂っていた。イラク、レバノンでは戦場の学校に通学する子供たちに密着した。そこでは明日を憂わず今を生きる、まさに実践課外授業であった。

渡部陽一コラム写真2009.02-2.jpgイラクでは、戦車や装甲車が走りまわる中で子供たちは放課後、サッカーの練習に没頭する。将来のワールドカップにイラク代表選手として出場することを夢見る子供たちは、数限られたサッカーボールを順番にまわしながらドリブルをくり返す。好きな日本人サッカー選手はナカタ選手だと口を揃えた。

レバノンの小学生は学校登校前に新聞配達をこなす。戦場となった首都ベイルートでは新聞から得る情報が、空爆を逃れ生き延びるすべである。父親と共に子供たちは早朝から瓦礫の散らばる地面に新聞を並べて臨時のスタンドを作り、行き交う避難民に提供していた。 さらに新聞配達の少年の近所には空爆で家を吹き飛ばされた家族、その子供たちが避難民キャンプ地に逃げ込んでいた。空爆で学校が破壊されてしまい登校することができない。キャンプ地内に臨時に作られた青空教室で上級生による授業を受ける。郊外で採れる巨大なスイカが救援物資として届けられた。子供たちは両親共々スイカにかぶりついた。

渡部陽一コラム2009.02-5.jpg 渡部陽一コラム写真2009.02-3.jpg
 
戦場とは異なるがカリブの真珠と呼ばれるキューバの放課後では子供たちが教えてくれた。

渡部陽一コラム写真2009.02-4.jpg 渡部陽一コラム写真2009.02-1.jpg「踊ることが楽しい時間を過ごす秘訣だよ。」就学費用がすべて無料となっているキューバでは子供たち個人個人の個性をいかすカリキュラムを取り入れている。スポーツ、芸術、音楽等ジャンルごとにエキスパートを育てる教育方針をとっている。そして放課後は皆一緒になって踊り歌う。学校の生徒に留まらず町中の老若男女がおどりで一丸となっていた。

ロシア領サハリンでは、放課後にミスキャンパスコンテストが行われていた。雪に閉ざされるサハリンでは、子供たちは学校の校舎の中で過ごす時間が長い。子供たちの刺激になるのか、はたまた将来の女優を発掘するのか、至る所でミスキャンパスが行われていた。

世界の学校の放課後、命の危険が常に伴うも元気一杯、今を生きる課外授業が繰り広げられていた。




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