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川村透
川村透 講師プロフィール

「あなたは自分の力を
        信じていますか?」

川村 透(かわむら とおる)
川村透事務所 代表
・モチベーティブ・スピーカー
・翻訳家
・企画コンサルタント

 
Vol.43 「本物に触れることの効用

 先日、昼間のテレビでいわゆる「六本木ヒルズ族」の投資顧問会社かなにかの女社長がでていた。フェラーリなど3台を所有し、タイムリッチ、マネーリッチ、フレンドリッチを手に入れた女性だ。彼女が次のような興味深いことを言っていた。

「アメリカに留学中、友達が、"これ、ダディからのプレゼントなの・・・と言って目の前をヒューっと走り抜けていったのが、馬だった。それをみて、"自分も絶対そういう世界の人になってやる!"と決めたの」


■何を見るかで人生が決まる

 普通、こんな場面をみたら「いいな、でも自分には無理だわ」と思ってしまう人が多いだろうに、彼女がそう感じたのはさすがである。

この話を聞いて、前にも同じようなことを聞いたのを思いだした。あるビジネスで大成功している男性は、アメリカ留学中にサウジアラビアかどこかの石油王の息子と寮で相部屋になり、リムジンで送り迎えにきたり、その桁外れの豪華さに度肝を抜かれ、「自分もそうなる!」と心に誓ったという。こうして考えると、何をみるかで、その人の人生は決まる、と言えるかもしれない。

ここまで極端ではないが、僕にも思い当たるふしがある。僕はサラリーマン時代、ずっと、一人で仕事をしている人にあこがれていた。だが、まわりにそういった人がいなかったので、イメージがもてなかった。人はイメージできないものは実現できない。さらに、うちの父は、サラリーマンで社長になり成功した人だったので、そのイメージが無意識にインプットされ、「人生とはそうして生きるもの」というシナリオにとらわれていたのだ。

■自分を錯覚させる

 しかし、あるとき、自分の中で変化が起きた。会社をやめ、これからどうしようかと自分のキャリアを模索していたころのことだ。とにかく自分で仕事をしている人にたくさん会った。アートディレクター、フリーのプロデューサー、企画会社の社長、プラスチック工場を経営しているおじさん、証券会社を辞め、塾を経営している人・・・。そうしているうちに、「もしかして、自分にもできるかも」という変な「錯覚」を持ち始めたのだ。いわゆる勘違いかもしれない。でも、この勘違いが人を行動に駆り立てるのである。


■どうやって自分を勘違いさせるか

  いかに自分を勘違いさせるか。
つまり「自分にもできる」と思い込むかだが、僕はいま思うと、次の点を意識していた。

●相手との共通点を探す(出身大学、年齢、業界など)。
  人は、自分と同じ部分を相手の中に見つけると、安心し、近い存在に思える。

●可能なら、外の喫茶店とかでなく、相手の会社や事務所にお邪魔して話を聞く。
  そこにある雰囲気や空気はとても大事。その場所、働いている社員、置いてあるデスク、
  事務所の匂いなど、現場の空気をナマで感じ取る。

●相手の言葉をよく聞く。
  話の途中に仕事の電話がかかってきたときなど、そっと耳をそばだてて聞く(失礼!)。
  それはまさに相手のビジネスシーンのひとつだ。
  僕はいまだに、塾を経営し、大成功しているある男性が、
  講師の募集をしてきた相手に説明をしている言葉を忘れることができない。

 こんなことを繰り返しているうち、それまで自分の中で「夢」でしかなかったものが、目の前の相手の姿を借りて、だんだんと自分の中の「現実」に変わっていくのだ。僕の場合、決定的だったのは、その中で出会った相手のところで、実際働かせてもらったことだった。ワンルームの一室、社長一人、社員一人の小さな会社での3年間、僕は日々、目の前の社長が、何を考え、何を話し、どんな行動をするのかをつぶさに観察させてもらった。これで自分の中の「イメージ」がようやく固まってきたのだ。


■大人も本物に触れよう


 よく、小さい子供に「本物に触れさせろ」と言う。本物の絵や舞台を見ることで、その現場にしかない生の感動を体験させるためだ。しかし、僕は「大人こそ本物に触れよう」と言いたい。この場合の本物とは「自分が描く理想の仕事や、ライフスタイルを送っている人」のことである。

大人になると、つい仕事が忙しかったり、体がつらかったりして、ナマの現場に足を運ぶのがおっくうになる。雑誌やテレビ、ネットで用をすませ、知ったつもりになってしまう。でも、それでは一番大事なエッセンスを逃している。それは心を突き動かす衝動である。その人に直接会い、会話を交わし、空気を感じることで、あなたの心は揺さぶられる。そして行動せざるをえなくなるのだ。

 さあ、いま気になっている人やイベントはありませんか。すぐに電話をかけ、アポイントをとり、予定を入れましょう。体をそこへ持っていけば、必ず何かがありますよ!

今月のメッセージ: 本物に触れることで、自分を突き動かすエネルギーが動き出す



<川村 透講師のコラム バックナンバー>

Vol.42 「犬の世界にもコーチング?」
Vol.41 「気働き」
 
Vol.40 「こだわるべきか否か?」
Vol.39 「コーチングにできること 〜あるミスをした運転士ととの会話」
Vol.38 「ゲームで仕事を斬ってみる」

Vol.37 「海に散ったウインドサーファー」

Vol.36 「これっておかしいんじゃない?」

Vol.35 「凶は吉なり」
Vol.34 「あと一回」
Vol.33 「いまに見てろ」
Vol.32 「裏返し」
Vol.31 「20年前の自分に出会う」
 
Vol.30 「ミスしたときこそチャンス!」
Vol.29 「自分をRe-framingしてみよう」
Vol.28 「上司をコーチングしてみませんか?」 〜逆コーチングのススメ〜
Vol.27 「いまから遅すぎることはない!」 〜50代に学ぶ「すがすがしさ」〜
Vol.26 「組織でうまく動けなかった自分」
Vol.25 「形のない贈り物」

Vol.24 「何が私を変えたのか? 〜いまの自分で相手にウンと言わせる5つのヒント〜」

Vol.23 「コーチングで会話が変わる?」 

Vol.22 「可能性のドアをたたく」

Vol.21 「ワークショップで組織が生き返る!」 
 
Vol.20 「企画を通す喜び」 
Vol.19 「僕ってクレーマー?」
Vol.18 「倒れた父がはじめて見せた笑顔」
Vol.17 「人は変わらない」
Vol.16 「やると決めてからやる人、ただやる人」
Vol.15 「イアン・ソープの翻訳やらない?」
Vol.14 「こだわりがある人は、成功しない」
Vol.13 「人と自分を比べてしまうあなたへ」

Vol.12 「自分のプリンシプルを持つ」

Vol.11 「さあ何か、新しいこと始めよう」
 
Vol.10 「ALS患者から学んだこと」
Vol. 9 「コンプレックスは自分の原動力」
Vol. 8 「自分のものさしを持つ」
Vol. 7 「言葉があなたの人生を決める」
Vol. 6 「未来へ帰る」
Vol. 5 「小さく考える」
Vol. 4 「自分の論理よりその場の論理」
Vol. 3 「2つの悪い知らせ」
Vol. 2 「自信に根拠はいらない」
Vol. 1 「みなさんこんにちは。川村透です。」

 

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