| 佐藤: |
学校は、今までは聖域とも言われ閉ざされてきただけにわからなかったけれど、本当は企業的な側面も多くあるのです。例えば、派閥があったり。ただ企業と学校とが違うのは、学校は上から管理されていないということです。先生同士、並列関係なんです。
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| 川村: |
自分のやり方が、常に通ってしまうというわけですね。
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| 佐藤: |
そうなのです。
チェック機能がないんですよ。教員免許も日本では一生ものですし、進歩をするということが急務ではなくっているのが現場の実情だと思います。
ずーっと一緒でも問題にならない。その一方で、学習面に関しては生徒に右肩上がりの成長を課さなくてはならない、という苦しい立場にもあります。前のテストの点数よりも絶対にいい点数をとらなくちゃいけないと頑張れば頑張るほど、何のために頑張っているのかわからなくなっていくんですよね。そんな状態で好きなことをやってもいいよ、と突然言われてもわからないですよ。
その点は先生も生徒も同じです。
ちょっと前までは、ゆとり教育ということで年間100時間の自由な時間が与えられていましたが、結局はどんな授業をして良いのかわからず、図書館での自習になってしまったりしているんです。
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| 川村: |
そうですね。好きなことをやるには、辛さが伴うということをなんだか刷り込まれてきた気がします。だから、自分自身に対して、やりたいことをやってもいいんだよという許しを与えている子が少ないのではないかと思います。
以前、大学主催のキャリア支援の授業に呼ばれて講演をしてきたのですが、そこでは大学生の実情と言うのがとてもよくわかりました。
今の大学生はとにかく働きたがらないというのです。卒業しても大学院に残ったり、あるいは就職浪人になったり・・・。正社員で働くことの理由が、彼らにとってはわからないのです。
僕は、これは大人の責任かな、と思うんです。学生たちは社会で仕事をしている大人たちに触れてないんですね。だから働くということがどんなことなのかわからないし、自分が憧れる大人にも出会えない。ロールモデルになるような大人がいないというのは、僕ら大人の責任ですよね。
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| 佐藤: |
まさにその通りですよ。ワクワクしている大人が本当に少ない!仕事をしている大人が楽しそうじゃないんです。それでは、働く気になるわけないですよね(笑)
教育現場の最大の問題はふたつあるんです。
ひとつは、生徒のお手本(ロールモデル)になるような先生がいないこと。もうひとつは先生のお手本になるような先生がいないことです。教師は夢の水先案内人であるべきだと思うんですよ。
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| 川村: |
迷っている生徒に「そう考えていいんだ」という、前を照らしてあげる存在であるべきだと僕も思います。今ニートやフリーターをしている子達は、このまま社会に出ても面白くないとわかっている。逆に本質を見抜いているんだと思いますよ。
それと、今まで先生たちは知識を伝えるということに終始してきたと思うのですが、どう伝えるかということには注目してこなかったんじゃないでしょうか。世の中が進化しているように生徒も進化していると思うんですよ。それに伴ってコミュニケーションも進化してる。だからこれまでと同じ伝え方では、伝わらない。先生のロールモデルも今までと同じじゃだめなんですよね。
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| 佐藤: |
そうですね、生徒も進化している。上手に伝えないと受け入れてくれないんですよ。
ロールモデルということで言えば、先生同士にもそういう存在が必要だと先ほどもお話しました。
学校という世界は長く勤めている先生が多いだけに、世代のギャップが生じやすいところでもあります。先生同士が同じ話題で盛り上がれることは、そうありません。そうした意味でもコミュニケーションのあり方を学びなおすということで研修が増えているのかもしれませんね。
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| 川村: |
先生たちは、自分の知識を教えることが教師の仕事だと思っているのでしょうか、それとも生徒の能力を引き出すことが教師の仕事だと思っているか、どちらでしょうか。
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| 佐藤: |
圧倒的に前者の先生がほとんどだと思いますね。昔は先生、つまり大人が情報を握っていたし、それを子供に伝えることも大事な仕事だったんです。でも今はインターネットが普及しましたら、情報だけならパソコンを自在に操る子供の方がたくさん知っていたりする。そうなると、大人は知識量以外のところで尊敬を得ていかないといけません。学校であれば、それがなぜ勉強するんだろうという部分になっていくわけです。なぜ、数学を勉強するのか、勉強してなんの役に立つのか、ということを学校で伝えていかなくてはいけない。これからは、学校もそういう方向に向かっていくのではないでしょうか。
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| 川村: |
学校もサービス業ですよね。先生もたとえ事務職員の方でも、ホストやホステスになって生徒を迎え入れるという気持ちでいれば、毎日は楽しいと思うんですよね。
僕は今すごく気になるテーマパークがあるんですよ。豊洲に今度オープンする『キッザニア東京』というテーマパークなんですが、これは「子供たちによる 子供たちのための 未来の国」というコンセプトで作られている職業体験パークなんですよ。このパークでは、自分で消防署とかレストランなどで働いてお金を稼ぐことが出来る。そのお金を使って買い物をしたり、貯金もできるんですよ。まさにこどもの国なんですね。このパークではごっこ遊びをすることで、社会の仕組みを知り、働くということがどういうことなのかを体験できるのです。
遊びながら学べる。それって良く考えたら当たり前のことですよ。勉強って本来は楽しいものであるはずなのに、今はそうでなくなってしまっている。このテーマパークでは、限られた年齢の子供しか職業体験はできませんが、この発想を是非学校でやってほしい!
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| 佐藤: |
そう、エデュイテイメントというやつですね!
(※エデュテイメントとは、エデュケイション と エンターテイメントを合体させた造語)
知識にコミュニケーションという付加価値をつけていく。そうすれば教育もサービス業になりえますよ。
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――学校教育はエデュテイメントへ向かっていく。そして学校教育をエデュテイメントにするためには、コミュニケーションが大きなポイントだということも、よくわかりました。では、そのコミュニケーションを上手に行うためのポイントは、なんでしょうか。
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| 川村: |
やっぱり「君はどう思う?」って聞いてあげることですかね。教えるのは簡単ですから。言いたいのをぐっと我慢して、相手の考えを聞いてあげる。相手の頭を質問することで回してあげることで、生徒の能力を引き出してあげること、ですね。
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| 佐藤: |
僕は、相手の気持ちを言葉にして表現してあげること、だと思います。それがコミュニケーションの一番の基本であり、難しいところなんですよ。そのときの相手の気持ちを言葉にすることで、この人はわかってくれるんだというように心を開いてくれる。どうしても先生という立場だとジャッジしてしまうんですよね。どうしてそうなんだ、とか。でも、自分をわかってくれる大人がいたらどれだけ社会で楽に生きていけるでしょうか。人に迷惑をかけてもいいんだよ、もしかけてしまったらごめんなさいと謝るこころを持つことが大事とおしえてあげなくちゃ。そういうとき、いいんだよお互い様だよと言ってあげられる大人でいなくてはいけないですよね。 |
| 川村: |
佐藤さん、本日はありがとうございました。

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今月のメッセージ:
教育はエデュテイメントへ!
すべてのはじまりはコミュニケーションから。 |
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