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川村透
川村透 講師
プロフィール

「あなたは自分の力を
        信じていますか?」

川村 透(かわむら とおる)
川村透事務所 代表
・モチベーティブ・スピーカー
・翻訳家
・企画コンサルタント

 
Vol.60 自分の正しさをいったん手放す

 僕は、いま彼女と暮らしているのですが、先日こんなことがありました。彼女は、ある意味おおらかなのですが、一緒に生活しているといろんなところが目につきます。
 電気はつけっぱなし、言ったことは忘れる、服も脱ぎっぱなし。
 はじめのうちは大目に見ていた僕も、だんだんたまらなくなってきて、「もう、これはそのつど言って直させるしかないぞ」という心境になってきました。だって、「自分のことは自分でやる」のが、最低限のルールでしょうが(注:僕の中では)。
 そして毎日、ことあるごとに彼女のやり忘れを見つけては
 「ほら、電気!」
 「ゴミ出すって言ったよね」
 「服はここじゃない!」
 と注意しまくっていました。

 そんなことが1ヶ月以上も続いたでしょうか、ふと気づくと彼女の態度が少しおかしい。だいぶ僕と距離を置くようになったんです。
 変だな、とうすうす感じてはいたのですが、思い切って聞いてみることにしました。
 「ねえ、最近、お前ちょっと変わったよ。なんで」
 すると彼女はこう言うではありませんか。
 「そうさせたのはアンタでしょ!!」
 「・・・・・・」
 「グチグチ言われて、最近うざいよ」
 (最近の若い子は、こういう言葉を使うんですね、おおこわっ)
 この言葉に、僕の心は凍りつきました。
 そして、はじめて、彼女の気持ちがわかったんです。
 「あぁ、いやだったんだ」
 そう、彼女は、来る日も来る日も、自分が「できない、できない」と否定され続けていたのです。彼女の言葉で、はじめて相手が何を感じてたのかが見えたんです。

 もちろん、僕の中では「自分のことは自分でする」のが基本。電気を消す、言ったことはきちんとやるのが当たり前。それが絶対、正しいんです(注:僕の中では)。ただ、それを握り締めていると、相手の立場がまったく見えない。毎日グチグチ言われ続けて、どんな気持ちになるか。もし自分だったら・・・?うーん、きっといやだろうな。

 確かに、これは女のわがままなのかもしれませんよ。だって、やることやってないんだから。でも、驚くことに、人によってその正しさは違うんですよね。僕は「人として最低限これはするべき」ってルールを持っていますが、彼女にとっては、別にそんなのルールでもなんでもないわけで、悪いことしてるって罪悪感自体がないらしい。仕事は出来る人なので、きっと外ではきちんとしているのでしょうね。

 自分の正しさをいったん手放すって、とっても難しい。それって自分の人としての信条だったりもするわけで。でも、あえてそれを手放さないと見えないことがある。彼氏、親など、親密な人との関係では、特にそれが多いんじゃないでしょうか。
 「いったん」でいいから、それを手放してみる。そうしてはじめて、相手の気持ちがわかるようになるんです。
 「もののみかたを変える」っていつも言っていますが、この事件は、僕の中ではレベル3(最難関)に位置することになりました。
   
●もののみかたを変える3つのレベル:
 1. いつもと違うことをやる
 2. 自分で意味を作り出す
 3. 自分の正しさを手放す

 えっ、その後彼女との仲はどうなったっかって?僕も少し口うるさく言うのをやめました。彼女も少しは気をつけてくれているようです。
 でもまあ、いつまでこれが続くか。人って学習しないもんですから(お互い)。ああ・・・。

 



<川村 透講師のコラム バックナンバー>

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Vol.53 「僕がやったんじゃない」
Vol.52 「任せっきりにしない」
Vol.51 「変わる!リーダーシップ〜魅力的なリーダーとは?」 特別編
 
Vol.50 「人はアウトプットしないと変わらない」
Vol.49 「最新現場レポート 〜実録<コーチングのススメ>」
Vol.48 「頑張ることより大切なもの」
Vol.47 「こうしてやりたいことを見つけた二人」 特別編
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Vol.36 「これっておかしいんじゃない?」

Vol.35 「凶は吉なり」
Vol.34 「あと一回」
Vol.33 「いまに見てろ」
Vol.32 「裏返し」
Vol.31 「20年前の自分に出会う」
 
Vol.30 「ミスしたときこそチャンス!」
Vol.29 「自分をRe-framingしてみよう」
Vol.28 「上司をコーチングしてみませんか?」 〜逆コーチングのススメ〜
Vol.27 「いまから遅すぎることはない!」 〜50代に学ぶ「すがすがしさ」〜
Vol.26 「組織でうまく動けなかった自分」
Vol.25 「形のない贈り物」

Vol.24 「何が私を変えたのか? 〜いまの自分で相手にウンと言わせる5つのヒント〜」

Vol.23 「コーチングで会話が変わる?」 

Vol.22 「可能性のドアをたたく」

Vol.21 「ワークショップで組織が生き返る!」 
 
Vol.20 「企画を通す喜び」 
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Vol.18 「倒れた父がはじめて見せた笑顔」
Vol.17 「人は変わらない」
Vol.16 「やると決めてからやる人、ただやる人」
Vol.15 「イアン・ソープの翻訳やらない?」
Vol.14 「こだわりがある人は、成功しない」
Vol.13 「人と自分を比べてしまうあなたへ」

Vol.12 「自分のプリンシプルを持つ」

Vol.11 「さあ何か、新しいこと始めよう」
 
Vol.10 「ALS患者から学んだこと」
Vol. 9 「コンプレックスは自分の原動力」
Vol. 8 「自分のものさしを持つ」
Vol. 7 「言葉があなたの人生を決める」
Vol. 6 「未来へ帰る」
Vol. 5 「小さく考える」
Vol. 4 「自分の論理よりその場の論理」
Vol. 3 「2つの悪い知らせ」
Vol. 2 「自信に根拠はいらない」
Vol. 1 「みなさんこんにちは。川村透です。」

 

 

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