親野 智可等のコラム「本当に子どもを伸ばす大人とは?」
親野 智可等(おやの ちから)
教育評論家
1958年生まれ。公立小学校で23年間教鞭を取り、1~6年すべての担任を経験。経験をいかして発行しているメルマガ「親力で決まる子供の将来」は読者4万人を超え、教育系メールマガジンとして最大規模を誇る。 人気漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる。
【
親野 智可等講師詳細プロフィール】
【
講演を依頼する】
Vol. 1 『日常的に叱ることには大きな弊害が2つある(1)』
(2010年04月23日)
「最近は子どもを叱らない親が多い」こういう話を聞いたことがあると思います。
テレビのコメンテーターは、みんなこう言います。でも、事実はその逆です。実際は、子どもを叱りすぎる親が多くて、子どもをほめる親が少ないのです。
私が教えた子でも、朝から晩まで叱られっぱなしの子が何人もいました。親から、「また○○してない」「○○しなきゃダメでしょ」「なんで○○しないの」「何度言われてもできないんだから」などと一日中言われ続けるのです。
このような否定的かつ感情的な言い方で叱られ続けると、大きな弊害が2つあります。1つは自分に自信が持てなくなることであり、もう1つは叱る親に対して不信感を持つようになることです。
もちろん、親は、物事や行動について言っているのであって「あなたはダメ」と人格そのものを否定しているつもりはありません。
でも、いくら物事や行動についてでも、それが度重なれば結果は同じなのです。いくら物事や行動についてでも、「また○○してない」「○○しなきゃダメでしょ」などと否定的に言われ続けていれば、結論は「自分はダメだな」ということになってしまうのです。
これは当たり前のことです。なぜなら、そう言われ続けているのは自分以外の何者でもないのですから。
そして、弊害はこれだけではありません。否定的かつ感情的に叱られていると、子どもの中で親に対する不信感が育ってしまうのです。
子どもも、頭では「お母さんはぼくのために叱ってくれているんだ」と考えます。そして、自分にそう言い聞かせようともします。
でも、心の奥の無意識の中では、だんだんある疑いが生まれてきます。「もしかしたら、ぼくはあまり愛されていないのではないか?」という疑いです。
こういう疑いは、本人も気づかないうちに抑えがたく生まれてきます。
そして、これは、親と子の関係だけでなく先生と子どもの関係でも同じです。