親野 智可等のコラム「本当に子どもを伸ばす大人とは?」
親野 智可等(おやの ちから)
教育評論家
1958年生まれ。公立小学校で23年間教鞭を取り、1~6年すべての担任を経験。経験をいかして発行しているメルマガ「親力で決まる子供の将来」は読者4万人を超え、教育系メールマガジンとして最大規模を誇る。 人気漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる。
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Vol. 4 『子どもがなかなか宿題に取り掛からないときは?』
(2010年07月23日)
子どもがなかなか宿題や勉強に取りかからない。毎日叱ってばかりいる。どうした
ら、取り掛かりが早くなるのか?
こういう悩みをよく聞きます。こういうとき、ただ叱ってばかりいても解決はしま
せん。子どもが勉強に取りかかりやすくなるよう、いろいろな工夫をすることが大切
です。
あるうちでは、玄関に大きな箱を置いてあるそうです。そして、子どもが学校から
帰ってきたら、カバンの中身をすべてその箱の中に出させます。
すると、宿題でやるべきプリントや漢字ドリルなどもカバンから出されて箱の中に
入ります。そこで、子どもはこれが宿題だったなと思い出します。
また、予定帳もカバンの中から出されて箱の中に入ります。そのとき、子どもはつ
い30分ほど前に学校で予定帳を書いたときのことを思い浮かべます。そして、今日
の宿題や明日の持ち物などが頭の中でフラッシュバックされます。
その後、子どもはすぐに遊びに行くそうです。でも、すべてを箱の中に出すように
してから、遊びの後の宿題への取り掛かりがスムーズになったそうです。
これを、さらに一歩進めることもできます。その日の勉強で使う物すべて、つま
り、プリント、漢字ドリル、漢字ノート、下敷き、筆記用具などを机やテーブルの上
に揃えてセットしておくのです。
このようにセットしておくだけで、取りかかるときのハードルはかなり低くなりま
す。その日やるべき勉強の全体が目に見えるようになっているのも大きいことです。
「セットどころかカバンの中身も出していない」という状態だと、取り掛かりの
ハードルはかなり高くなります。
宿題というとてもめんどうなものが、カバンの中に手つかずである状態です。全体
量が目に見えないので、それはいたずらに大きくふくらみます。こうなると、なかな
か取り掛かれないものです。
大人の仕事でも同じことが言えると思います。やるべき仕事が全く手つかずのまま
だと、なかなか取り掛かれないものです。ほんの少しやってあるだけで、または、や
る準備ができているだけで、取り掛かりのハードルは低くなります。
とにかく、大人も子どもも取り掛かりがたいへんなのです。ですから、取り掛かり
のハードルを低くする工夫が大切です。宿題に1ミリでも近づけるような工夫に心が
けましょう。