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渡辺 真由子のコラム「子どもを取り巻くメディア」
渡辺 真由子
渡辺 真由子(わたなべ まゆこ)
メディアジャーナリスト

放送局報道記者として、いじめ自殺を取材したドキュメンタリー「少年調書」で日本民間放送連盟最優秀賞など受賞。その後カナダのメディア分析所に留学し、メディアリテラシーを研究。インターネットやテレビ、新聞などのメディアを"賢く"読み解くためのノウハウをわかり易く解説。

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Vol. 2 『プロフの使われ方』
(2010年05月10日)

新しい友達のことを詳しく知るのに、最近の子どもは時間がかからない。相手の趣味や好きな異性のタイプといった情報は、本来ある程度仲良くならないとわからないもの。だが、いまは『プロフ』がある。

 プロフとは、プロフィールを記入するホームページの略称だ。主に携帯電話からアクセスし、名前や生年月日、好みの音楽など、自分の情報を公開する。写真や日記を載せたり、第3者がコメントを書き込んだりすることもできる。文部科学省が昨年末に実施した調査によると、高校2年生の4割以上が、自分のプロフを開設している。一方、我が子がプロフをやっているのを把握する保護者は、2割に満たない。

 子どもたちは「私のプロフのアドレスはこれ」と名刺交換のように紹介し合う。言葉を尽くさず時間を共有せずとも、手っ取り早く相手を理解出来るので人気だ。本当は表面上の「データ」を知ったに過ぎないのだが。

 あまりに詳細な個人情報をネット上で公開すると、犯罪に悪用される危険性がある。しかし子どもによっては、名前は本名、住所は番地まで、学校名は学籍番号まで記入し、さらに素顔の写真を載せる。身近な友人にしか見られていないと思い込んでいるのだ。中三のA子の周りでは、友人と撮ったプリクラを掲載するのが流行中だという。
「いちいち友達に許可取るのは面倒くさい。勝手に載せるのが当たり前になっちゃってる」

 プロフの自己紹介欄には、先に挙げた基本的な個人情報に加え、似ている芸能人、前世、握力など、100近い項目が用意されている。いちいち答えるのは疲れるだろうに、子どもたちは律儀に書き込む。自分のことをわかってもらおうと必死なように見える。

 「誰か絡んでぇ」「絡め!素通り禁止」「絡もーよ」
 ある大手プロフサイトには、自分のプロフを宣伝できる掲示板がある。頻繁に登場するのが「絡んで」という言葉。「自分のプロフにコメントを書き込んでくれ」との意味だ。中二のB子の友人たちは、プロフを更新するたび「新しくしたよ。見てね」とメールしてくる。「こっちも義理で、コメント書き込まなきゃいけないから大変。わざわざ知らせてくれなくてもいいのに」

 子どもたちは、構って欲しいのだ。自分を理解し、声をかけて欲しいのだ。学校や家庭で、満たされない思いを抱えているのか。自己紹介欄をつぶさに記入し、「絡んで」と叫ぶ姿には、悲壮感すら漂う。

 ちなみに、子どもたちのプロフ利用の実態と親の対策について述べた本を、今年10月に出版する予定である。お楽しみに!




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