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渡辺 真由子のコラム「子どもを取り巻くメディア」
渡辺 真由子
渡辺 真由子(わたなべ まゆこ)
メディアジャーナリスト

放送局報道記者として、いじめ自殺を取材したドキュメンタリー「少年調書」で日本民間放送連盟最優秀賞など受賞。その後カナダのメディア分析所に留学し、メディアリテラシーを研究。インターネットやテレビ、新聞などのメディアを"賢く"読み解くためのノウハウをわかり易く解説。

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Vol. 4 『学校裏サイトに怯える』
(2010年07月09日)

携帯電話の登場は、子どもの「いじめ」をも大きく変えた。文部科学省の調査によると、携帯やインターネットを使う「ネットいじめ」は2007年度、全国の小中高校で5899件が発生。前年度に比べ、21%も増えた。ネットいじめの具体的な手口を、これから複数回にわたり報告する。

 「A子はマジきもいよねー。不登校になってくれて嬉しいわあ」「B子はどんな男とでも寝る女」「A男ぶっ潰す」
 これらは「学校裏サイト」に書かれている内容である。学校裏サイトとは、各学校の公式ホームページとは別に、在校生や卒業生が管理者となって情報交換などを目的に立ち上げる掲示板だ。無料で簡単に作成できる。ここに、特定の生徒の実名を挙げた誹謗中傷の書き込みが並ぶことも多い。

 「この学校で一番性格悪い奴らが集まっている部活は?」と誰かが書き込めば、「バスケ部」「サッカー部」などとすぐに他の生徒が反応する。さらに「バスケ部のキャプテンのB男が一番ウザい」と、個人攻撃につながっていく。やり玉に挙がった者の携帯電話の番号やメールアドレス、自宅住所などの個人情報が書き込まれるケースもあり、被害者の元には、嫌がらせのメールや電話がひっきりなしに来るようになる。

 学校裏サイトは全国の中・高校に3万8000件以上存在することが、文科省の08年の調べで明らかになった。単純計算で、各学校に最低2つの裏サイトがあることになる。掲示板のタイトルから学校名を外したり、友人の間のみで共有するパスワードをかけたりして大人の目をくぐろうとするサイトも多く、調査で見つかったのは氷山の一角だ。

 ネットいじめの場合、書き込みは匿名で行なわれるので、誰から攻撃されているかがわからない。被害者は「もしかしたら、あの子が書いたのかもしれない」と疑心暗鬼になり、人間不信に陥ってしまう。しかも学校裏サイトに自分の実名が書き込まれれば、いじめに遭っていることを多くの人に知られる。自尊感情が芽生える思春期の子どもにとって、非常に屈辱的だ。クラス替えなどを機に人間関係の「新規まき直し」も出来ない。

 「自分の名前が裏サイトに書かれていないか、毎日不安で眠れない」と中三のC子は訴える。一挙手一投足次第では、公衆の面前で罵倒されるかもしれない。子どもたちは学校の中で、そんな恐怖に怯えている。




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