koushinococoro.com 心
講演講師の思い・メッセージを伝える

講師の心.com



会社概要 講演のお問い合わせ 著作権 サイトマップ HOME


山崎 雅保のコラム「子育てカウンセリングレポート」
山崎 雅保
山崎 雅保(やまざき まさやす)
心理カウンセリングルーム「ハートピット」所長

心理セラピストとしてカウンセリングを担当する一方、親子問題、教育問題、更には心の健康に関する執筆活動や教育関連の団体での講演会を精力的に行う。講演は全国の教育関連担当者達の間でも好評。

 山崎 雅保講師詳細プロフィール
講演を依頼する

Vol. 14 『人間であるために。人間として育ってもらうために』
(2009年05月07日)
 この原稿にとりかかる数日前に、4歳で親の虐待によって死亡したとみられる幼児が、自宅の居間の冷蔵庫の野菜室から発見されるという事件が報道されました。

 異様な事件です。わが子の亡骸を間近にしながら「日常生活」を送ることができたという点できわめて異常です。
 けれど親によって子どもが虐待されて殺されてしまうできごとは少しも珍しいことではありません。その種の事件が報道されるたびにボクは嘔吐感を含む不快にとらわれます。けれど、そのような出来事が連続するのも、この時代、この社会の様相に照らしてみれば、そうであろう当然のことだと考えてしまいます。

 人という生き物は「その生育の過程において親から受けた扱いそのままを」、大人になってから、親になってから、そのまま反復してしまう傾向を強く持っています。また少なからぬ場合に「親から受けた扱い」をさらに増幅・憎悪させて反復してしまいます。

 4歳の幼児を虐待し殺しただろうとみられる両親。その片親は養父であり、これまで報道された情報からするとキレやすい暴力的な男性のようです。他方で、その男性と再婚した母親は、伴侶の暴力性を熟知しながらも逃れられず、わが子の命をまで潰えさせてえしまい、その後にも同居を続けざるを得なかったというのですから、きわめって強度な共依存の女性です。
 この養父の暴力性と母親の共依存(自己主張力の極端な脆弱性を底辺とする心理失調)の原因は、基を質せば、ともに彼らの親による何らかの虐待の結果であった可能性が高いのです。

 虐待は虐待として世代継承されがちです。暴力も暴力として世代継承されがちです。言語的暴力も言語的暴力として世代継承されがちです。性的虐待も性的虐待として世代継承されがちです。イジメや粗暴は、世代を超えて人々の心身を苛み続けてしまうのです。
 それが人という生き物です。

 子どものしつけには体罰も必要だ。そのような考えを持つ人は、おそらくは、自身が親や教師による体罰(虐待の可能性をも含む)を受けて育ったのではないか。ボクは、その可能性が高いだろうと観察しています。

 幸いなことに、ボクは親による暴力・暴言を受けずに育つことができました。だからわが子への暴力・暴言という衝動も生じないのだと感じています。

 たった一度だけ中学時代の体育教師により、眼球と耳への殴打を受けたことがあり、ケガもしました。念のために記せば、ボクは素行や言動に問題のない大人しく成績も上位の生徒でした。主観をまぬがれぬとはいえ、教師による激情にまかせて殴打を受けるほどに悪いことをした覚えはありませんでした。でも殴打されました。

 このときのボクの父は、即刻教職員室に赴いて強く抗議してくれました。
 「父親である私が手をあげたことのない息子を、なぜ殴った」
その父の抗議を受けて学校側がどのように応じたか。ボクは少しも憶えていません。父は徴兵を受けて戦争を体験した人でした。兵卒として幾度も虐待的体罰にさらされた人でした。そんな彼が、子どもに対して体罰をせずに抑制できたのは、彼もまた親からの体罰や虐待を受けずに育った人だったからなのだと、祖父母の姿を思い出しながらも想像しています。

 学校教育法(昭和22年・1947年法律第26号)の第11条は明確に規定しています。
 「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときには、文部科学大臣の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」

 教育現場における体罰事件の報道などを受けて、テレビのコメンテーターらの中には「体罰も有用である」に類する意見を口にする向きが少なくありません。それもまた、自身が体罰を受けて育った過去を、同時にそれがゆえに自身が子にした体罰を正当化しようとするが故なのかもしれません。

 人間は高度のコミュニケーション能力を培える生き物です。対して暴力(虐待)はもっとも動物的なコミュニケーション手段であり、生身の怒りの暴発です。
 キレる。人間的なコミュニケーション能力を放棄することです。だからこそキレは暴力に直結するのです。
 虐待はもちろん、体罰を言い訳にした暴力的しつけは、子どもの将来に「キレやすい性格」を招く危険性大です。
 だからこそ、いわゆる先進諸国うの多くでは、親による体罰をも法的に禁止されている、または禁止される傾向にあるのです。

 体罰・暴力・虐待の横行は、子どもに「コミュニケーション不全」という深刻な発達障害を招くことが、少なくとも発達心理学的にはあまりに明確なことだからです。
 子どもを虐待したくない。そう切実に願いながら、決意しながら、気づくと虐待を繰り返してしまっている母親。ボクはそんな母親を幾人も知っています。彼女たちはみな、親の虐待によって傷ついた心が癒えぬままに母となり、わが子のためにも親がもたらした「負の遺産」を何とか処理しようとして苦闘しているのです。


講演依頼.comのご紹介

あらゆるジャンルをカバーする沢山の講師の中から、講演主旨・講義テーマに合致する講師情報をご提供致します。
講演依頼の無料相談を是非ご活用ください。
人生・ライフスタイルから芸能・スポーツまで幅広いジャンルの中からお客様の目的に合った講師をご紹介させていただきます。
講師ジャンルカテゴリはこちら


講演講師の思いやメッセージを伝えるWEBメディア 提供サイト:講演依頼.com
心
講師の心.com 会社概要 講演のお問い合わせ 著作権 サイトマップ HOME

講師の心.comは、講師の紹介及び講演出演依頼を承るWebSite 講演依頼.comから
毎月旬でお勧めの講師の"心"="思いやメッセージ"をコラムやインタビュー形式でお伝えするWebメディアです。


Copyright(C) 2005-2010 PERSONNE,Inc,All rights reserved