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生駒 芳子「女性たちの新しい選択とライフスタイル」
生駒 芳子
生駒 芳子(いこま よしこ)
ファッション・ジャーナリスト・元「マリ・クレール」編集長

VOGUE、ELLEを経て、2004年から2008年までmarie claireの編集長を務める。その後ファッション雑誌の編集長経験を生かして、ラグジュアリー・ファッションからエコライフ、社会貢献まで広い視野でトピックを追い、発信するファッションジャーナリストとして活躍。

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Vol. 2 『「エシカル」という新しい消費の選択』
(2009年05月08日)

 まだ一般的には普及していませんが、今「エシカル」という言葉が時代のキーワードとして急浮上してきています。もともとは「倫理的に正しい」という意味の英単語で、イギリスで使い始められた言葉と言われています。

 イギリスで使い始められた歴史的背景には、「植民地支配」という過去があり、公正でない取引や搾取の現実、その非エシカルな行為を正していかねば!というのが、そもそも国家レベルでの課題でもあったわけです。フェアトレードなども、イギリスは相当の先進国であり、毎年2回行われるロンドン・コレクションの期間中には、平行して、オーガニック&エシカル&フェアトレードなブランドを集めた巨大な展示会「エスティティカ」が開催され、活況を呈しています。

 この「エシカル」という言葉、今年は日本でも少しずつ広まってきています。春に行われたエコイベント「アースデイ東京2009」(2009年4月18日、19日に開催)でも、テーマは「Go!エシカル」とうたわれていました。私自身は、ちょうど一年前に、当時編集長を務めていたファッション雑誌で、いち早く「エシカル・ファッション」の特集を組みましたが、予想通り、この「エシカル」という言葉が少しずつ、又着実に広がりを見せています。

 ここ一年、経済の冷え込みによって、ファッション業界は大打撃を受けていますが、そうした背景もあり、消費のあり方についての問いかけは一層深まっています。その答えを考えるとき、いくつかある未来に繋がるキーワードの一つが、この「エシカル」です。

 「果たして、贅沢は敵、なのか?」
 「ショッピングは罪悪か?いったい今何を買えばよいというのか?」 
 「投資価値のあるものは何なのか?」

 ジャーナリストとして、ラグジュアリーブランドからエコ・アクティビストまで、広く取材を手がけていると、こんな問いかけが盛んに聞かれます。
 
 そんな折に、私が必ず答えるのが、「消費の動機は多様化していますが、その選択肢の一つに、ぜひ、"エシカル"を加えて下さい」ということ。ただ見た目がきれい、安いという表面的な判断基準だけでなく、「オーガニックな素材を用いている」「生産のプロセスで非人道的なことが行われていない」「売り上げの一部なり全額が寄付される」「買うことで、カーボンオフセットがつく、エコポイントがつく」などなど。

 消費者の物の選択の判断・価値基準に、「目には見えなくとも、社会や環境にきちんと貢献している」という部分が見られ、そういった習慣自体、社会が求めているという現実があります。つまり、買うことで、地球や社会の未来に貢献できる、そんな「買い物で世界を救う!」的発想が、これからはスタンダードとなり、人の知性や品性、ひいてはおしゃれの格の高さを現す基準ともなるのです。

 企業におけるCSR 活動がまさに、この発想です。利益追求型の経済から、社会貢献する経済へと、社会が大きくパラダイムシフトすることを求められている今、私たち個人の消費マインドもシフトさせるときが来ています。

 物を送り出す側も、買う側も、「エシカル」の基準があることを、今一度心において考え直してみる。この知的な消費が、21世紀の繁栄の鍵を握っていると私は考えています。




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