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Vol.31 「忘れてしまっている、熱くなれるもの」
ある友人とのメールのやりとりで、彼はこう言った。「自分が忘れてしまっている熱くなれるもの、探します」と。
私は昔の自分を思い出した。大学時代、公認会計士になりたいと思って勉強していたころ、「もうイヤだ」と思い、突然勉強をやめたことがある。でも、何をしたいのか、情熱があるわけでもなく、ただなんとなくこんな気持ちがあったのだ。「違うなあ、これじゃない、モヤモヤする、楽しくない」。でも、何をやりたいのか、わからない。同じ毎日の繰り返しの中で、自分の存在が見えなくなっていた。
そこで私は、昔イチバンがんばっていた頃の自分を思い出そうと思った。そして、予備校に行ってみた。京都から金沢に行き、当時の先生に会いに行った。4年ぶりだった。
先生は相変わらずだった。何も変わってなかった。派手なワイシャツも、方言もそのままだった。授業も受けさせてもらった。イチバン後ろで、予備校生の熱気を眺めた。そのときの自分にはない、熱いものを感じた。
逃げたいわけでもないし、死にそうに苦しいわけでもない。ただ、何かが足りないと感じたのだ。燃えてくる熱い何か。そして、私は公認会計士の勉強をやめ、東京に飛び出した。何かを探すために、動いて見つけることにしたのだ。
今思えば、あのときのモヤモヤは、私にとって、チャンスだった。あの違和感がなかったら、今はない。モヤモヤしてきたなあと思ったら、軌道修正する時間が与えられたと思っていいと思う。
何かを変える必要はなく、今を見直す時期なんだと思う。「よし、このまま行こう」というのも、「後ろに戻ろう」「辞めよう」というのも、大きな一歩。前に進むのだけが1歩ではなく、ゼロを基準としてそこからどちらかにエネルギーをかけた場合、プラスだろうがマイナスだろうが進んだことになると思う。そして、そこにとどまることにも多大なエネルギーがいる。どちらにしても、自分が納得する方が、好きな道の方が、私はいいと思う。
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