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Vol.41 「自分が自分でいるために」
先日、「私には夢がある」のセミナーで、フリーライターの奥山貴宏さんにお話いただいた(2004年2月10日開催)。31歳で、余命2年と宣告され、それから1年がすぎた今、はじめての講演に挑んでいただいたのだ。はじめてとは思えないほどの心に響くお話だった。中でも、テレビを買いにいった話は印象的。
電気店に行き、店員の人にどのテレビを買おうか相談すると、「液晶は3年後が買い時ですよ」と言われたそうだ。余命1年もない奥山さんにとって、3年なんて待てない。普通に考えると、たまには贅沢をして、「液晶テレビを奮発購入しようか」という気分になるところかもしれない。でも、彼はこう言った。
「液晶テレビを買うことによって、自分が自分でなくなる気がした。病気であせっている人になりたくなかった。死ぬ前に贅沢するっていうのは、健康な人が考えた理屈。だって楽しくないから。むなしいだけ。結局日常が一番大事。そしてその日常に気付けたのは、病気になったから。
今は普通に仕事してるだけでも楽しくて充実感がある。仕事をしているからこそ電話がかかってくる。そういう当たり前のことがいとおしく感じる。自分自身でいたい。自分自身でありつづけたい。自分が自分でなくなるとしたら、生きている意味なんてあるのか。たかだか病気になったくらいで、自分であることを明け渡すのはイヤ。たえられないとボクは思った。自分を失いたくない。病気だから・・・という理由で、自分でいることをあきらめたくない」
結局、彼は液晶テレビを買わなかった。「病気くらいで、自分を失うのはイヤだったから」と。自分が自分でいることをあきらめたくないという言葉は、なんと深い言葉なんだろう。私は私でいるだろうか。環境に左右されない、私でいたい。
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