|
Vol.45 「アクションは最大の防御」
「和田さんは、目をつぶってアクセルを踏むタイプだね」
「ものごとをガリガリと進めるタイプだよね」
こんなふうにいわれたとき、ふっと笑ってしまいました。たしかに、行動だけみると、そうかもしれないなあ、と。ただ、それをしているときの自分の気持ちを知っている私としては、その評価は、イエスとも感じるし、いや、少しニュアンス違うなあと感じることもあるのです。
私が行動するのは、よくよく考えてみると、弱いからかもしれないと思うことがあります。
どういうことかというと、「どうしようかな」と考えて、不安や恐怖に似た気持ちの葛藤の渦から、早く抜け出したいから、行動しているということ。つまり、不安な気持ちを抱えたままでいるほど強くないということ。私にとって、「行動は、最大の防御」なのです。
小学校のころ、同じバレーボール部の友達に誘われ、遊園地にいきました。みんなが「ねぇねぇ、お化け屋敷、行くよね、ね、行こう!」とウキウキしながら300円のチケットを買って、お化け屋敷へ。
私は迷いました。テレビ番組の「あなたの知らない世界」という、お化けが出てくるようなテレビを見て以来、私はそういうのが大の苦手になっていたのです。考えただけでも足がすくんでしまいました。
しかし、友達全員が行くのに自分だけ行かないのもあれだなと思い、渋々チケットを買って、全員で、そのお化け屋敷の中に入りました。最初、入ってすぐに、床が地震のようにぐらぐらゆれ、目の前に、青くライトアップされた大きなお化けの人形があらわれました。
友達はみな、楽しそうに「キャー」といいながら、前に走っていき、難なくそのお化けの前を通り過ぎていきました。残ったのは私1人。震える足が動かず、そのお化けと5分以上対面していました。
帰ろうか、進もうか。まだ入り口から5メートルも進んでいないところ。せっかく300円払ったんだからと、もったいない気持ちと、「いや、無理。このお化けを乗り越えたとしても、次のお化けに1人で立ち向かうなんて無理無理。次もどうせ出てくるんだから」という気持ちが入り乱れ、15分その場に立ち往生して悩んでいました。結局、その目の前のお化けが何度も出たり入ったりするのを見た後に、入り口に逆走し、かなりダッシュで逃げました。
最初から友達とキャーと怖いながらも目をつぶって進むか、足がすくんだらすぐに入り口に向かって逆走して戻るかすれば、15分間も怖い目にあわずにすんだのに。あとでそう思いました。
そのとき思ったのです。立ち止まって考えていると、よけい辛い。アクションは、最大の防御だ、と。
立ち止まって(行動しないで)、その辛さにどっぷりつかるほど強くないからこそ、私は行動するのです。何も考えずに目をつぶってアクセルを踏んでいるわけではなく、怖いからアクセルを踏まざるをえないという状況なのです、いつも。
|