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Vol.53 「できないことに執着しない」
私が公認会計士の勉強を少しはじめたとき、友達から1通の手紙が来た。高校時代の親友の、「たまよ」からだ。富山弁がまるだしのところが面白いので、以下そのまま抜粋。
>「ところで今日、ご飯を作りながら考えとったんやけど。さやちゃんについて。
>さやちゃんは人と深く関わる仕事のほうがいいと思っとったん。
>
>さやちゃんて、無鉄砲なかんじで、たまに『えー!?』って
>びっくりするようなことをしでかしそうで、キケンな人だと思うけど、
>でもすごく考えの深い人やし、真の思いやりを持つ人ってかんじがする。
>この人が今何を求めているのか・・・ってこととか、直感的にわかりそう。
>人間的にかしこいと思う。
>
>だから、会計士(・・・ってくわしくわからんけど)とかよりもっと、
>ヒューマンサービスのほうがいいのに・・・と、
>ハンドボールの練習に付き合ってもらった、たまよは思うのである」
昨日、久しぶりに読んで、「うわー」と思った手紙だ。今読み返すと、かなり的を得たアドバイスなのに、私はこのとき、この手紙を無視していた。それでも、どこかひっかかるというか、私に響くところがあって、私はめずらしく、この手紙を、当時の日記に切り張りしていたのだ。(これはかなり珍しいこと)
自分のことって、案外わからないものである。私は今では、自分に対する理解がだいぶ進んで、何が得意で何が好きかを、ちゃんと言える。でもそのときは、いえなかった。
「できない」といいたくなかったんだと思う。はじめたことを途中でやめるなんて、かっこ悪くて絶対イヤだった。
「できる」自信がなかったから、「できない」ことを認めたくなかった。だからやめたくなかった。自信があったら、意地になんかならない。できないことに執着なんてしない。心の中で自分を無理に奮い立たせていることというのは、人から見たら、すぐにわかるんだなあと、この手紙を見て思った。
できないことに執着しないこと。それも変な意地で。私の教訓である。
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