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Vol.65 「チャンス」
「チャンスは突然現れる」とか、「目の前にチャンスはいつもある」とか、チャンスについて、いろいろ言われているが、なんとなくわかりそうでわからなかった。
だって、それが目に見えるものなのか、見えないものなのか、「今だ!」と気づくものなのか
その、一般的に言われるチャンスというものに、つかみどころがないから。
チャンスって何なんだろう。昨日、電車に乗りながらぼんやり考えていた。私にとっての、今までに訪れたチャンスとはどんなものだったのだろうか、と。
一番に思い出したのは、藤原和博さんの本を編集しているとき、あまりにもひどい原稿だと怒られ、もう企画がダメになりそうなときに最後にもう一度話したあのとき。本の出版を考えていたけれど、なかなか前に進まない。このままやめようか・・・、そんな雰囲気だった。
そのとき、「で、和田さんはどうしたいの?」と聞かれた。私は自分がなぜその本を出したいのか、どんな意義を持って作ろうとしていたのか、どんなメッセージを誰に伝えたいのか、どこまで藤原さんにほれ込んでいるのか、などを話した。すると、その思いが伝わったのか、新しい原稿を足して出版しようということに話がまとまったのだ。
今思えば、あの問いは、チャンスをいただいたのだと思う。藤原さんが、チャンスをふってくれた。話を聞かずになかったことにすることもできた。そんな中で、「あなたはどうしたい?」という問いは、「あなたに盛り返しのチャンスをあげよう」ということだったのだ。
チャンス。確かに、それは目には見えない。でも、自分の意見を聞かれている言葉の中に、さりげなく隠れていたりも、するのだ。意見を聞かれる、自己主張する、提案する、企画する。チャンスとは、自分の意思表示をしてこそ、寄ってくるものなのかもしれない。
私が就職活動で東京にきて、出版社に自分を売り込みに行くときのように、積極的に取りに行くことが、チャンスとばかり思っていたけれど、そんな大それた自分で作るチャンスじゃなくても、いろいろあるんだなあと、昨日は思った。
いま一緒に働いていて、右腕となっているスタッフは、私からの「会社一緒にやる?」や、「社長やる?」という問いかけに、すべて「うん、やる」と即答した。それが、意思表示であり、チャンスをゲットした瞬間なのかなとかも、思う。チャンスは誰かが投げかけてくれていることが多い。
自分の意志を表示する。それが、チャンスをものにするためのまず最初の段階なんだろうと、思った。
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