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Vol.75 「失敗した悔しさは、バネになる」
講演をはじめた初期の2年前のこと。
ある地方の団体が主催で、50代の経営者の方を目の前にお話させていただく機会がありました。
何日も前から、悩みました。私が伝えられることはあるんだろうか、子供ほど歳が違う私が言ったところで、経験を重ねたみなさんはどう思うのだろうか。
自信満々な私も、一瞬の不安がありました。それでも、主催者の人に会えば、その熱意が私にも伝わり、私にスイッチが入るかもしれない。
そう思っていたけれど、 その主催者の人に会うと、余計不安になりました。「適当にしゃべってもらえばいいですから。特に聞きたいことなどはありません。このあと飲み会があるんで、
つなぎで、しゃべってください」
つなぎで、1時間半・・・・。テンションがガクガクと下がっていくのを感じました。それでも意を決して、針のむしろのような壇上に立ちました。緊張するというか、力が抜けました。
「何をしゃべってくれるの?」という興味と、早く終わらせてよ・・・くらいの疲れた目の前に立ったとき、自分がそこで話すことが、むなしく思えたのです。それでも、壇上にたった以上は、自分が伝えたいことを必死で話しました。
でも、惨敗でした。
あのときの私は、まだ腹が据わっていなかったのです。プロとしての。話し手としての。目の前の人のペースをどうつかもうか、 どの周波数にあわせたらいいのか、探ってばかりいたような気がします。
あれから1年半がたった今なら、聴衆が誰であろうと、何を期待していようと、どんなにやる気がなかろうと、私は私の話を、私のペースでやろうとするし、できると、思う。今、あのときの失敗が、とても大切なものとなりました。あのあとの悔しさを、どれだけバネにしたことか。
失敗というのは、跳び箱のジャンプ台みたいなものなのかもしれません。一瞬はグンと沈むけれど、その反動で、さらに飛び出せる。やってみないと失敗もしない。最近、強くそう思うようになりました。
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