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「反骨の魂」
〜失った栄光から、メジャーリーグへの挑戦〜


今関 勝(いまぜき まさる)
ベースボールコメンテーター

 武相高校をいじめにより1年で中退。翌年県立大楠高校再入学。しかし3年時に、高校野球連盟の規則により、試合に参加できず、クラブチームのウィーンベースボールクラブに所属。
 その後NTT東京を経て、93年にドラフト3位で日本ハムファイターズへ入団。その後ローテーションの一角として活躍、96年にはオールスター戦にも出場、自己最多の11勝をあげた。
 00年に日ハムを解雇され、野球を続けられる環境を探し、アメリカ独立リーグ(メジャーリーグの組織には属さない独自のリーグ)の球団に入団。昨年まで、メジャーリーグのスカウトの目にとまる事を信じ、ひたすら投げ続け、ローテーションの軸になりメジャー昇格も間近と思われたが、家族の事情でアメリカでの活動を断念し、帰国。

現在は、日本のクラブチームで好きな野球を続けながら、「日本のプロ野球」と「メジャーではないアメリカ独自の野球」の両方を経験した事を活かし、講演、文筆活動を中心に、野球の発展に貢献していく。その厳つい風貌とは裏腹な、その心優しさ、そして純粋さに周囲は惹かれる。


Vol. 4 「日ハム解雇 〜野球を続けるためには待っていてはダメだった〜」

 2000年、日本ハムを解雇されまいた。6球団のテストを受けましたが、全て通らず。この先どうして行けばいいのだろう、と迷っていた時、ある方から「アメリカでテストを受けてみないか!?」と、誘いを受けました。社会人野球への復帰や、台湾、韓国でのプレーも考えたのですが、より高いレベルで勉強をしながら野球が出来ればと思い、アメリカ行きを決心しました。

テストを受けるためにアメリカへ渡ったのですが、その紹介者の方がおっしゃっていた事とは違い、アカデミー(野球学校)のような所に入る事になってしまいました。そのアカデミー自体が悪いという事ではなく、自分はテストを受けに来ているのに、なぜ練習をしてるのか、なぜここのレベルでやっているのか、不安だらけでした・・・。そこで、待っていても仕方がないので、自分から色々な方にお願いをしてお手伝いしていただき、3つのメジャーリーグのテストを受けました。そこでも通らなかったのですが、野球への想いは強く、さらに独立リーグを2つ受け、ついに合格をいただきました。日本からテストを受け続けて10球団目、11球団目での合格でした。

メジャーのトライアウトを受けている中で、すごく久しぶりな選手達に会うことがありました。それはL.A.ドジャースのトライアウトを受けにベロビーチへ行った時です。自分がガゾリンスタンドで朝食をとっていた時に、どこかで見た事のある顔がやってきました。2人とも言葉が出ないほどの驚きでした。その選手は、日本ハムで2年間一緒にプレーをした、キップ・グロス選手でした!懐かしさと驚きとが交差してしまい、二人とも我を忘れて再会を喜びました。トライアウトを受けに来たことを伝えると、「何でお前が首にされるんだ、まだ若いのに・・・」、なんて泣ける事を言ってくれました(笑)。

ドジャースのトライアウトでは、他にも懐かしい人達に会いました。元ダイエーのトラックスラー、元オリックス・近鉄のCD、元阪神のハンセン、コーチ研修で来ていた巨人・西武でプレーし、現ジャイアンツ・ヘッドコーチ鹿取さん、同じトライアウトを受けに来ていた元西武・阪神の佐々木さん等、日本で活躍していた選手達と会い、まるで同窓会でもしているようでした。

現在所属のチーム、「Bridgeport Bluefish」が属しているアトランティックリーグとは、メジャーに所属していないリーグ(マイナーはメジャー配下のチーム)で、独立採算制になっています。シーズンは、5月の開幕から9月中旬まで。4ヵ月半で126試合というなかなか、いや、かなりハードなスケジュールです。移動は、マイナーに比べれば楽なのですが、最長で7時間、平均3〜4時間。移動日は設定されていません。前日が雨で中止になってしまえば、翌日はダブルヘッター(!)という、日本では考えられない厳しい日程です。レベルはと言うと、ここアトランティックリーグは日本の1軍半。アメリカで言うと2Aと3Aの間ぐらいですが、独立リーグの中では最高峰に位置します。

アトランティックリーグ1年目は、何を言われてもイエスとノーしか言えず、言われている事はほとんど分かりませんでした。生活習慣や食生活の違い、練習方法等も自分でどうしたら良いかも分からず、戸惑いながら過ごしていました。ビザの発行も遅れ、練習だけの毎日。試合は進んでいくのに自分だけが投げられないもどかしさ。そして苦しさ。6月にやっとビザが発行されたのですが、発行のためには1度日本に戻らければならないという事で、2泊4日で日本へ戻りました。「2泊4日」と言っても、飛行機を往復で25時間ほど乗っているのですから、どのくらい過酷か想像つく事でしょう。

アメリカに戻ってすぐに軽い練習をして、翌日にはゲームで投げました。投げたくて仕方がなかったのでそのような事をしたのですが、さすがに無理がありました。当然の事ながら打たれてしまいました。この時、チームメイト達は「さすがにお前もモンスターではなかったな!」とジョーク混じりに言っていました(苦笑)。自分がプレーするアトランティックリーグには、メジャー経験もあり、日本でも良く知られているホセカンセコや、カルロスバイエガ、日本でプレーしていた元中日パウエル、ヘンリー、元ロッテ・ヤクルト・ミューレン、元オリックスDJ、元近鉄クラーク、元横浜マラベ、元ロッテチェンバレン、ウィットモアー、インカビリア。チームメイトには、元ロッテ・クロフォード、元ヤクルト・ホージー、メジャーでゴールデングラブを獲得したことのあるホセリンド、というような顔ぶれです。日本人の選手は、時期は重なっていませんが、横浜にいた宮川さん、一緒に対戦したジャイアンツ・谷口、日本ハム・沼田。このような顔ぶれがいました。

 


<今関 勝講師のコラム バックナンバー>
Vol. 3 「日ハム入団 〜素質やセンスを気持ちでカバーする〜」
Vol. 2 「プロ野球目指して」
Vol. 1 「高校中退」

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