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「反骨の魂」
〜失った栄光から、メジャーリーグへの挑戦〜


今関 勝(いまぜき まさる)
ベースボールコメンテーター

 武相高校をいじめにより1年で中退。翌年県立大楠高校再入学。しかし3年時に、高校野球連盟の規則により、試合に参加できず、クラブチームのウィーンベースボールクラブに所属。
 その後NTT東京を経て、93年にドラフト3位で日本ハムファイターズへ入団。その後ローテーションの一角として活躍、96年にはオールスター戦にも出場、自己最多の11勝をあげた。
 00年に日ハムを解雇され、野球を続けられる環境を探し、アメリカ独立リーグ(メジャーリーグの組織には属さない独自のリーグ)の球団に入団。昨年まで、メジャーリーグのスカウトの目にとまる事を信じ、ひたすら投げ続け、ローテーションの軸になりメジャー昇格も間近と思われたが、家族の事情でアメリカでの活動を断念し、帰国。

現在は、日本のクラブチームで好きな野球を続けながら、「日本のプロ野球」と「メジャーではないアメリカ独自の野球」の両方を経験した事を活かし、講演、文筆活動を中心に、野球の発展に貢献していく。その厳つい風貌とは裏腹な、その心優しさ、そして純粋さに周囲は惹かれる。


Vol. 11 「私の独立リーグ生活から見るアメリカ野球の良さ」

 アメリカに来て3年、自分で練習プログラムを組みながら、毎回試合に臨んでいます。当然、日によってトレーニング内容は違うのですが、私がアメリカでの野球生活、どのような1日を過ごしているのかご紹介させて頂きたいと思います。

朝9時半に起床。パソコンを開き、メールの返信などをした後、10時からホテルのトレーニングルームでストレッチ後、エアロバイク30分、プールに移動し、30分間プールでのトレーニング。

シャワーを浴び、12時に食事。その後、1時間ほど仮眠を取り、2時に球場へ出発。2時半〜3時半まで個人練習(その間にランニングやピッチング、ノック等を行う)。

3時45分からバッティング(そのときには外野で球拾いをするのですが、その事をシャグといいます。それはメジャーのピッチャーでも仕事としてやっています)。

4時45分にバッティング終了。その後、アイシングやウォールプール、電気治療などのトリートメント。

5時半頃に、中華のデリバリーが来るようにオーダーしておき食事。

試合開始の6時35分まではリラックスした時間を過ごし、試合に入ります。アメリカでは先発ピッチャーも必ずベンチ入りし、前日にはスコアーブックもつけます。それは打者をよく見ろという意味と、決められた球数でピッチャー交代をよくする事、との両方の面からだと思います。

話は私の1日に戻りますが、試合の平均時間は3時間弱のゲームが多いので、9時半ごろ。球場で軽食、軽くビールなども飲み、シャワーを浴びてからホテルへ帰宅。10時半前後にホテルに戻る事が多いです。部屋に戻ってからは読書をしたり、パソコンを開いて日本の記事を呼んだり、自由な時間を過ごします。大体1時から2時の間には就寝します。

「アメリカでは練習しない」と思っている方が多いと思いますが、決してそんな事はなく、ただ全体練習が短いだけで、後は各個人に任せるという考え方ですね。実際何もしないで試合に臨む選手もいますが、そういう選手はやはりむらが出てきます。

日本のように全体練習を重んじる事は、サボり癖の多い選手には良いのかもしれません。だとしても、「考える力を育てる」という側面ではどうなのでしょうか?「考えを持たなければ、行動は生まれない。」、その考える力を育てるためにも、自分で考える事を普段から身につける事が、良い選手になる要素の大部分を占めているような気がします。

こちらに来てから、自分で練習メニューを組み、試合に臨んでいますが、ほかの人に決めてもらった時のほうが楽に感じた時期もありました。自分で決め、自分で練習して、それで成績が出なければ「明日にでもクビ」のような世界ですから・・・。でも、それが「自己責任」と言う前程での、自由と責任にも絡んでくるのでしょう。そのような緊張感、またすぐにでも上に上がれるチャンスがあるところ、それがアメリカの野球の良さだと思います。

 


<今関 勝講師のコラム バックナンバー>
Vol.10 「2度目のAll-Star Gameを終えて」
Vol. 9 「自由と責任」
Vol. 8 「アメリカと日本」
Vol. 7 「夢に向かって」

Vol. 6 「開幕を前に」

Vol. 5 「母の死、そして誓ったアメリカでの活躍 〜独立リーグ奮闘記〜」
Vol. 4 「日ハム解雇 〜野球を続けるためには待っていてはダメだった〜」
Vol. 3 「日ハム入団 〜素質やセンスを気持ちでカバーする〜」
Vol. 2 「プロ野球目指して」
Vol. 1 「高校中退」

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