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「反骨の魂」
〜失った栄光から、メジャーリーグへの挑戦〜


今関 勝(いまぜき まさる)
ベースボールコメンテーター

 武相高校をいじめにより1年で中退。翌年県立大楠高校再入学。しかし3年時に、高校野球連盟の規則により、試合に参加できず、クラブチームのウィーンベースボールクラブに所属。
 その後NTT東京を経て、93年にドラフト3位で日本ハムファイターズへ入団。その後ローテーションの一角として活躍、96年にはオールスター戦にも出場、自己最多の11勝をあげた。
 00年に日ハムを解雇され、野球を続けられる環境を探し、アメリカ独立リーグ(メジャーリーグの組織には属さない独自のリーグ)の球団に入団。昨年まで、メジャーリーグのスカウトの目にとまる事を信じ、ひたすら投げ続け、ローテーションの軸になりメジャー昇格も間近と思われたが、家族の事情でアメリカでの活動を断念し、帰国。

現在は、日本のクラブチームで好きな野球を続けながら、「日本のプロ野球」と「メジャーではないアメリカ独自の野球」の両方を経験した事を活かし、講演、文筆活動を中心に、野球の発展に貢献していく。その厳つい風貌とは裏腹な、その心優しさ、そして純粋さに周囲は惹かれる。


Vol. 22 「不安と緊張」

 今回は不安と緊張について考えてみました。
 
 不安と緊張。この言葉を聞くと、人間にとって良くない事と感じる人が多いと思います。しかし、私はむしろ不安と緊張は人間に必要なものだと考えています。不安と緊張は誰もが持っているものですし、無理やり消し去ろうとするよりも、上手く付き合うことが大事だと思っています。
 
 まず何か目標に向かっていくときに、不安がなければ準備をすることが出来ません。不安がなければ、細かいことにきずく事もないわけです。そうなると失敗が起こる確率が上がります。準備・過程を踏んでいけば、本番の時には不安が少なくなります。出来るだけ本番には、過度の不安は持ってはいけませんが、多少の不安を持っていたほうが結果が良くなります。
 
 私が日本ハムでプレーしているときに、こんなことがありました。試合前のブルペンでは絶好調。球の切れもコントロールも良い、打たれるわけがないという調子でした。その時の私は不安をまるっきり持っていなかったため、細心の注意を払わず、ホームランを3本を打たれ、負けてしまいました。あの時に多少の不安があれば、細かい気配りが出来、調子自体は抜群だったため、勝ち投手として良いピッチングが出来たでしょう。過度の不安は当然良くないことですが・・・。
 
 緊張については、まるっきり緊張感がない状態で試合に入ると、良い結果が出ません。腑抜けのような状態になることが多くなります。適度な緊張が、良いパフォーマンスを出すためには必要です。
 逆に過度の緊張というのが、私の野球生活の中で2度ありました。1度目がプロで初登板、初先発のときです。このときは1回3分の1でノックアウト。憧れのプロ野球での初登板。その時の試合のことはまるっきり覚えていません。
 
 2度目がオールスターゲームで登板したときのことです。プロ野球に入ってからの夢。やっとその場所に立てたという喜び。子供の頃から画面を通してみていた人ばかり。このときもかなりの緊張でした。オールスターゲームに登板当日、帽子をかぶっているのに、帽子がどこにあるか探している状態でした。結果、1イニング目は抑えたものの、2イニング目に3ランホームランを打たれ3失点。過度な緊張はやはり結果は出ないものです。このときのことはさすがに覚えていますが、やはり普通の状態ではありませんでした。
 
 不安も緊張も適度に持っていると、良いパフォーマンスが出来るでしょう。

 


<今関 勝講師のコラム バックナンバー>
Vol.21 「全日本女子バレーボールのチームワーク」
Vol.20 「野球は確率のスポーツ」
Vol.19 「ベテラン」
Vol.18 「済美高校の優勝に関して」
Vol.17 「二人の同級生」
Vol.16 「クラブチームの野球への挑戦」
Vol.15 「独立リーグに学ぶこと」
Vol.14 「いじめ」
Vol.13 「それぞれのキャンプイン」
Vol.12 「3年間のアメリカ生活」
Vol.11 「私の独立リーグ生活から見るアメリカ野球の良さ」
Vol.10 「2度目のAll-Star Gameを終えて」
Vol. 9 「自由と責任」
Vol. 8 「アメリカと日本」
Vol. 7 「夢に向かって」

Vol. 6 「開幕を前に」

Vol. 5 「母の死、そして誓ったアメリカでの活躍 〜独立リーグ奮闘記〜」
Vol. 4 「日ハム解雇 〜野球を続けるためには待っていてはダメだった〜」
Vol. 3 「日ハム入団 〜素質やセンスを気持ちでカバーする〜」
Vol. 2 「プロ野球目指して」
Vol. 1 「高校中退」

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