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「反骨の魂」
〜失った栄光から、メジャーリーグへの挑戦〜


今関 勝(いまぜき まさる)
ベースボールコメンテーター

 武相高校をいじめにより1年で中退。翌年県立大楠高校再入学。しかし3年時に、高校野球連盟の規則により、試合に参加できず、クラブチームのウィーンベースボールクラブに所属。
 その後NTT東京を経て、93年にドラフト3位で日本ハムファイターズへ入団。その後ローテーションの一角として活躍、96年にはオールスター戦にも出場、自己最多の11勝をあげた。
 00年に日ハムを解雇され、野球を続けられる環境を探し、アメリカ独立リーグ(メジャーリーグの組織には属さない独自のリーグ)の球団に入団。昨年まで、メジャーリーグのスカウトの目にとまる事を信じ、ひたすら投げ続け、ローテーションの軸になりメジャー昇格も間近と思われたが、家族の事情でアメリカでの活動を断念し、帰国。

現在は、日本のクラブチームで好きな野球を続けながら、「日本のプロ野球」と「メジャーではないアメリカ独自の野球」の両方を経験した事を活かし、講演、文筆活動を中心に、野球の発展に貢献していく。その厳つい風貌とは裏腹な、その心優しさ、そして純粋さに周囲は惹かれる。


Vol. 42 「スポーツ指導者の役割 と理想像」

 指導者の役割は、選手の良い状況を作ってあげ、怪我をしない身体を作り、一定の気持ちの波を安定させ、良いパフォーマンスを出させることである。また、スポーツを好きにさせることである。気合・根性も必要ではあるが、選手の現状を把握し、どうしてそうなったのか・何故ミスが起きたのかを考えさせることも重要だ。それと共に、人間として魅力のある自己表現の出来る人間を育てたい。

今の子供たちは返事も出来ず、自分の意見を言うことも出来ない。コミュニケーション能力の低い子供達が多い。今のこの時代だからこそ、スポーツをやっている選手たちに、礼儀・コミュニケーション能力を鍛えてあげ、人間同士の出会い・縁を指導していきたい。 
 
 指導する時は理由付けをし、目標設定を明確にしてあげることも大事になってくる。
怪我や病気・日常生活・行動の違いなどに良く注意し、目で確認して、選手に声をかけ、現状を把握する。

 それでは、良いパフォーマンスを出すためにはどうしたら良いか?指導をする時には、選手の話を良く聞き、そこから経験・理論を伝えていく方法がベストではないかと考える。
 選手は誰もが自分の考えを持っている。言い訳だと感じる時もあるが、まずは選手の話を聞かないことには、選手も耳を傾けない。ゴマをするわけではないが、まず選手がどの様な選手なのか、どの様な気持ちを持っているのか、しっかりと聞いてあげることで、選手が指導者の意見に耳を傾ける。

 指導者は選手の心理を読み、指導していかなくてはならない。自分の機嫌ではなく、選手の体調、心理などを見ながら指導していくべきだと考える。 無理に教育をしたとしても、試合になったらワンプレーごとに試合を止めるわけにはいかない。そうなると選手の自主性や、考えが試合には生きてくる。

 経験はすごく大事なことであるが、それに理論を付けてあげれば、選手は納得し、その技術の習得に必死になるであろう。

 私はこれから、知識を増やしていき、色々なタイプ、色々なレベルの選手に対応できる指導者になっていきたい。高いレベルの選手にはプライドをくすぐりながら、指導していく。 レベルが高くない選手には、分かりやすい言葉で、難しいことを簡単に伝えるようにする。難しい表現、抽象的な表現は指導者の自己満足にしかならない。理解できない選手にそのくらい分かるだろうでは、指導者ではない。分からない選手に、しっかりと理論を伝え、次に同じ間違いがないように諭していければ良い。後は、選手がそれを信じて出来るかどうかの問題である。

 プレーについて叱る時、もしくは指導していくときには、何故ミスが起きたのか、理由を徹底して分かるように指導していくべきだ。

 コーチングとは、自分の持っている知識の引き出しの中から、選手に当てはまることを引っ張り出し、あてはめていく。ずれが生じるのであれば、また別の引き出しから持ってきて、あてはめていく。

 昨今、野球選手、元プロ野球選手・スポーツ選手の不祥事が続いている。指導者は、選手に野球だけを教えるのではなく、一般常識・礼儀作法・精神論・人生論・自主性などを身に付けさせ、野球だけの人生にさせないように、人間的に大きく、また成長させるような教育をしていきたい。自己表現の出来る人間にし、社会に出てからも、一社会人として生きていけるすべを身に付けさせたい。これはどのレベルでも当てはまることと考える。

プロ野球選手であれ、いずれは一社会人になるわけだから。 
 



<今関 勝講師のコラム バックナンバー>
Vol.41 「甲子園を沸かした二人の監督」
Vol.40 「ドリームゲーム」
Vol.39 「メジャーを目指す一人の男」
Vol.38 「謹慎処分」
Vol.37 「準備(過程)」
Vol.36 「考え方で結果は変ってくるもの」
Vol.35 「出逢いと縁」
Vol.34 「北朝鮮の問題に見る国際社会の中での日本」
Vol.33 「最近の若者の犯罪のニュースを見て思う事」
Vol.32 「目的意識を持とう」
Vol.31 「天災に学ぶこと」
Vol.30 「良いパフォーマンスを出すために」
Vol.29 「自信を持って生きる」
Vol.28 「オリンピックを振り返って」
Vol.27 「家族愛で掴んだ銅メダル」
Vol.26 「アメリカで見た野球を支える人々」
Vol.25 「小泉首相と渡辺オーナー」
Vol.24 「緊張・不安を取り除く方法」
Vol.23 「長崎児童殺傷事件」
Vol.22 「不安と緊張」
Vol.21 「全日本女子バレーボールのチームワーク」
Vol.20 「野球は確率のスポーツ」
Vol.19 「ベテラン」
Vol.18 「済美高校の優勝に関して」
Vol.17 「二人の同級生」
Vol.16 「クラブチームの野球への挑戦」
Vol.15 「独立リーグに学ぶこと」
Vol.14 「いじめ」
Vol.13 「それぞれのキャンプイン」
Vol.12 「3年間のアメリカ生活」
Vol.11 「私の独立リーグ生活から見るアメリカ野球の良さ」
Vol.10 「2度目のAll-Star Gameを終えて」
Vol. 9 「自由と責任」
Vol. 8 「アメリカと日本」
Vol. 7 「夢に向かって」

Vol. 6 「開幕を前に」

Vol. 5 「母の死、そして誓ったアメリカでの活躍 〜独立リーグ奮闘記〜」
Vol. 4 「日ハム解雇 〜野球を続けるためには待っていてはダメだった〜」
Vol. 3 「日ハム入団 〜素質やセンスを気持ちでカバーする〜」
Vol. 2 「プロ野球目指して」
Vol. 1 「高校中退」

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