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「反骨の魂」
〜失った栄光から、メジャーリーグへの挑戦〜


今関 勝(いまぜき まさる)
ベースボールコメンテーター

 武相高校をいじめにより1年で中退。翌年県立大楠高校再入学。しかし3年時に、高校野球連盟の規則により、試合に参加できず、クラブチームのウィーンベースボールクラブに所属。
 その後NTT東京を経て、93年にドラフト3位で日本ハムファイターズへ入団。その後ローテーションの一角として活躍、96年にはオールスター戦にも出場、自己最多の11勝をあげた。
 00年に日ハムを解雇され、野球を続けられる環境を探し、アメリカ独立リーグ(メジャーリーグの組織には属さない独自のリーグ)の球団に入団。昨年まで、メジャーリーグのスカウトの目にとまる事を信じ、ひたすら投げ続け、ローテーションの軸になりメジャー昇格も間近と思われたが、家族の事情でアメリカでの活動を断念し、帰国。

現在は、日本のクラブチームで好きな野球を続けながら、「日本のプロ野球」と「メジャーではないアメリカ独自の野球」の両方を経験した事を活かし、講演、文筆活動を中心に、野球の発展に貢献していく。その厳つい風貌とは裏腹な、その心優しさ、そして純粋さに周囲は惹かれる。


Vol. 43 「交流戦から地元密着」

 5月6日からプロ野球界で交流戦が始まった。やはりファンは交流戦を待っていた。ゴールデンウィークということもあるが、この週末は、ファンが球場を埋め尽くした。プロ野球改革第一歩としては、良いスタートが切れたと思う。

 しかし、ここで終わってしまったら野球界の発展は望めないであろう。折角、ファンがスタンドに足を運んでくれているのだから、ここでファンをがっちり掴み、地元密着型のチームを作れるかどうかが問題になってくる。

 今までも、セ・リーグのオーナーがジャイアンツ戦の放映権・観客動員数を期待して、交流戦に反対してきた。しかし、放映権は別にして、観客動員数は決して落ちないのではないかと思っている。今年から、始めた珍しさもあるが、やはり見たい対戦カードがたくさんあるのが理由である。

 目先ばかりのことを考えるのではなく、短期・中期・長期的にどのような考えの下に行動していくのか、考えていかないとファン獲得にはつながらない。

 東北楽天イーグルス対読売ジャイアンツの試合後、楽天ファンがインタビューを受けていた。そのインタビューでは、「元々ジャイアンツファンでしたが、本当に野球が面白くて楽天のファンに変わりました。」このような返答をしているのが一人や二人ではなかった。東北は元々ジャイアンツファンが多い。その東北のチームに楽天が根付こうとしている。この交流戦をうまく利用する事が楽天のフロントには必要であろう。交流戦は楽天にとってまたとないチャンスである。

 選手もプロ野球選手として、もう1度自覚を持ち、
勝ち負けではなく、精一杯のプレーをゲームセットがかかるまで見せて欲しい。

 そう考えると第1・2戦では負けはしたものの、9回に満塁ホームランで2点差まで追い上げた試合。12対4からでも最終回に2点を返したことなどは、少しづつではあるが意識が変わってきていると思う。この意識を今後も続けてもらいたい。続けることが出来れば、東北のファンが増えていくことは間違いない。今までもあきらめず応援してくれているわけだから・・・・。

日本のスポーツは教育から入っているため、遊び心が少ないと感じている。スポーツを見せる、ショービジネス・スポーツビジネスとして考え方がなかった。

今までの野球界は、野球を見たい人だけが見に来ればいいというような感じがあった。
しかし、今後は野球を知らない人が見に来ても楽しい環境を作ってもらいたい。

そうすれば、球場に足を運ぶうちに野球を好きになるファンも出てくるだろう。新庄選手のようなパフォーマンスをすべての選手にしろとは言わないが、各選手がどうすればファンが喜んでくれるのか?どうすればファンを集められるのか?選手からフロントに提案しても良いのではないだろうか。プロ野球選手も元々は、プロ野球ファンだった選手が多かったはずなのだから。

 スポーツでお金を稼ぐということは決して悪いことではない。
消費者(ファン)がその料金分の楽しみがあれば、消費者も経営者もハッピーになれるはずだ。

 今まで日本のスポーツ界は企業に頼る体質があったが、今後は地方自治体・企業が組みスポーツ発展に力を注がなくてはならないのではないだろうか。スポーツでその町が活性化されれば、税金での収入も増え、その町の名前が知れ渡り、観光客が増えるのも間違いない。

いろいろな可能性を考え、今後のプロ野球は進んでいってもらいたい。

 



<今関 勝講師のコラム バックナンバー>
Vol.42 「スポーツ指導者の役割と理想像」
Vol.41 「甲子園を沸かした二人の監督」
Vol.40 「ドリームゲーム」
Vol.39 「メジャーを目指す一人の男」
Vol.38 「謹慎処分」
Vol.37 「準備(過程)」
Vol.36 「考え方で結果は変ってくるもの」
Vol.35 「出逢いと縁」
Vol.34 「北朝鮮の問題に見る国際社会の中での日本」
Vol.33 「最近の若者の犯罪のニュースを見て思う事」
Vol.32 「目的意識を持とう」
Vol.31 「天災に学ぶこと」
Vol.30 「良いパフォーマンスを出すために」
Vol.29 「自信を持って生きる」
Vol.27 「家族愛で掴んだ銅メダル」
Vol.28 「オリンピックを振り返って」
Vol.26 「アメリカで見た野球を支える人々」
Vol.25 「小泉首相と渡辺オーナー」
Vol.24 「緊張・不安を取り除く方法」
Vol.23 「長崎児童殺傷事件」
Vol.22 「不安と緊張」
Vol.21 「全日本女子バレーボールのチームワーク」
Vol.20 「野球は確率のスポーツ」
Vol.19 「ベテラン」
Vol.18 「済美高校の優勝に関して」
Vol.17 「二人の同級生」
Vol.16 「クラブチームの野球への挑戦」
Vol.15 「独立リーグに学ぶこと」
Vol.14 「いじめ」
Vol.13 「それぞれのキャンプイン」
Vol.12 「3年間のアメリカ生活」
Vol.11 「私の独立リーグ生活から見るアメリカ野球の良さ」
Vol.10 「2度目のAll-Star Gameを終えて」
Vol. 9 「自由と責任」
Vol. 8 「アメリカと日本」
Vol. 7 「夢に向かって」

Vol. 6 「開幕を前に」

Vol. 5 「母の死、そして誓ったアメリカでの活躍 〜独立リーグ奮闘記〜」
Vol. 4 「日ハム解雇 〜野球を続けるためには待っていてはダメだった〜」
Vol. 3 「日ハム入団 〜素質やセンスを気持ちでカバーする〜」
Vol. 2 「プロ野球目指して」
Vol. 1 「高校中退」

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