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Vol. 47 「漫画ドカベンのような観衆」
漫画ドカベンといえば、神奈川の明訓高校で個性的な選手が活躍する、水島慎司先生の漫画である。そのドカベンの選手、山田太郎と小さな大投手里中の銅像のある大和引地台球場で、7月21日にある出来事が起こった。
全国甲子園大会神奈川予選大会での事だった。4回戦屈指の好カード、選抜大会ベスト8の慶応義塾高校対昨年の覇者横浜高校。秋季神奈川県大会で、慶応義塾高校が横浜高校に大逆転をして、そこから勢いに乗り、神奈川準優勝。関東大会に出場し、選抜甲子園大会の出場を決めた。この因縁の対決を見るために、多くのファンが大和引地台球場に足を運んだ。
第一試合9時30分から試合開始であったが、1番乗りのファンは前日夜9時から並んでいた。試合開始30分後には、入場規制で1000名のファンが試合を見られなかった。球場内も立ち見は勿論の事、通路に座り、外野席も開放したが、それでもファンが入りきれない状況であった。
1998年、松坂投手擁する横浜高校が国体以来の快挙である。今回は、松坂投手のようなスーパースターがいるわけではなく、純粋にこの好カードを見るためにファンが集まった。
ゲームは引き締まった好ゲームで、横浜高校川角投手・桜田投手の継投、一方慶応義塾高校は中林投手と投手戦だった。リベンジを果たそうとする横浜高校、春の選抜大会で自信をつけた慶応義塾高校、共に一歩も引かず8回終了2対0で慶応義塾高校リード。9回表横浜高校の攻撃、1アウトからそれまで完璧に抑えられていた主砲福田選手が気合で豪快な一発。2アウトからセンター前ヒットと横浜高校も意地を見せたが、最後は中林投手の踏ん張りもあり、サードに強烈なライナーで試合終了。2−1で慶応義塾高校が勝利した。
漫画ドカベンでも入場規制が引かれることがあったが、神奈川の野球熱はすばらしいものがある。
何故、神奈川の高校野球熱が高いのか私なりに考えてみた。
これは何処の高校野球の予選でもそうなのだが、トーナメント方式で1度負けたら終わりと言う緊張感がある。これだけであれば、他の県大会も同じように観客が入るであろう。
しかし、神奈川の違うところは、強豪校が多く存在し、レベル的にも高く、力が均衡しているために、高いレベルのチーム同士の試合が見られるため、ファンが多く集まるのであろう。プロのスカウト・大學の監督さんと話をさせていただくと、これほどの課客は神奈川以外ではあり得ないということをよく聞く。
4回戦・5回戦になるとどの球場もファンが多くなってくる。また地元に愛されている高校が多いため、神奈川の中でも地元意識が芽生えてくるというところもあるようだ。これに加え、神奈川高校野球連盟は、入場料の1部を使用し、各チームへボールの配給を行い、勉強会なども色々なところで行われている。
当然、何処のチームも勝ちたい気持ちはあるはずだ。しかし、勉強会をすることでどのチームも強くなる。神奈川のレベルが上がればという意識を神奈川の指導者の方々が持っているところもすばらしい。球場も県予選が出来るレベルの球場が11球場あるのも、他の県とは違うところであろう。
今後、プロ野球・社会人野球・大学野球も何かを学び、それを生かし野球界の繁栄につなげてもらいたい。ファンが喜び、お金を集め、ビジネスとすることは決して悪い事ではないはずである。
ファン・選手・連盟みんながハッピーになれる形態を今後作っていただきたい。
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