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「反骨の魂」
〜失った栄光から、メジャーリーグへの挑戦〜


今関 勝(いまぜき まさる)
ベースボールコメンテーター

 武相高校をいじめにより1年で中退。翌年県立大楠高校再入学。しかし3年時に、高校野球連盟の規則により、試合に参加できず、クラブチームのウィーンベースボールクラブに所属。
 その後NTT東京を経て、93年にドラフト3位で日本ハムファイターズへ入団。その後ローテーションの一角として活躍、96年にはオールスター戦にも出場、自己最多の11勝をあげた。
 00年に日ハムを解雇され、野球を続けられる環境を探し、アメリカ独立リーグ(メジャーリーグの組織には属さない独自のリーグ)の球団に入団。昨年まで、メジャーリーグのスカウトの目にとまる事を信じ、ひたすら投げ続け、ローテーションの軸になりメジャー昇格も間近と思われたが、家族の事情でアメリカでの活動を断念し、帰国。

現在は、日本のクラブチームで好きな野球を続けながら、「日本のプロ野球」と「メジャーではないアメリカ独自の野球」の両方を経験した事を活かし、講演、文筆活動を中心に、野球の発展に貢献していく。その厳つい風貌とは裏腹な、その心優しさ、そして純粋さに周囲は惹かれる。


Vol. 48 「躾とは何なのか?」

 今回、駒沢大學苫小牧高校野球部の部長から生徒への暴力事件で、優勝旗返還、もしくは優勝取り消しなんて言葉まで出ている。この問題に関しては、現在調査中ということなので、選手と部長の事については触れないが、自分の考えを伝える事にする。

 選手は最後に夏にかける思いは強いものである。何処のチームも全国優勝を勝ち取るために、苦しい練習にも耐え抜いている。駒沢大學苫小牧高校の選手たちが、私達ファンにくれた勇気は何も変わらない。それを取り消すというのは私には理解できない。

 今回は指導者の暴力行為ということであるが、明徳高校、日本航空高校などの選手の不祥事では高校生、大学生は自我があり、それを連帯責任として出場停止にしてしまうのはどうであろうか?これが教育なのでろうか?団体の面子ために、選手の思い、人生を変えてしまっていいのだろうか?
 報告が遅れただけで、出場停止。私には団体の面子を保つだけの処罰にしか感じない。
 
 話は変わるが、躾とは何なのか?現在、小学校・中学校・高校では、授業中に何も言わずにトイレに行く生徒が多いと聞いている。生徒が先生に「何で授業料納めているのに怒られなくてはいけないのか。」という生徒までいる。

 自由や権利を主張するが、果たして今の学生(親も含む)、責任を果たしているのであろうか?親は子供に真剣に向き合い、躾をしているのであろうか?躾は学校任せ、でも手を挙げるな。怪我をすれば、理由も聞かずに教育委員会に訴える。親が子供と向き合っていれば、道をはずす事も少ない。

 現在の子供たちは躾を受けていないことが多くなっている。この子供たちに躾をするには、多少の愛の鞭も必要になる時もあるのではないだろうか?当然、生徒と先生の間には信頼関係が無くてはならない。先生の気分で愛情を持たずに手を挙げてしまえば、それは体罰になる。愛情を感じられない生徒を育てたのも、実は親の責任ではないだろうか?

 手を挙げる躾をするときには、先生もそれなりの覚悟を持って、行動していると考えられる。そこまで、本気で生徒のことを考え、注意をしてくれる先生がいるのであろうか?躾をしてくれた先生とは、私は今でも会うことがある。その時は厳しい先生だったが、その時の事があったらこそ、今の自分がある。

 体罰、暴力は絶対にいけないことだが、子供たちにこれからどの様な躾をしていくのか、しっかりと考えなくてはならない。

 いじめと同じで生徒が体罰と感じてしまえばそれは体罰である。セクハラも同じであるが、ある人がすればコミュニケーション、同じことを他人がやるとセクハラ。感じ方、考え方はそれぞれ違うので、このあたりは難しいところではある。しかし、現在これを逆手に自分の責任はさておき、先生を脅す(教育委員会に訴える)生徒まで出てきているそうだ。

 最後にひとつ。これは私の受けた躾で感じた事で、決して体罰を容認しているわけではない。あくまでも信頼関係がある時だけに成立するものである。

 私が指導者になった時には、手を挙げる事は無いと思うが、私が受けてきたものは躾だと思っている。
先生、指導者の方には、躾をしづらい世の中になってきた。結局は親が躾をしなければ、子供たちは自由を履き違えた大人に成長してしまう気がしてならない。



<今関 勝講師のコラム バックナンバー>
Vol.47 「漫画ドカベンのような観衆」
Vol.46 「交流戦を振り返って」
Vol.45 「日本女子ソフトボール1部リーグに学ぶ」
Vol.44 「自信をもつために」
Vol.43 「交流戦から地元密着」
Vol.42 「スポーツ指導者の役割と理想像」
Vol.41 「甲子園を沸かした二人の監督」
Vol.40 「ドリームゲーム」
Vol.39 「メジャーを目指す一人の男」
Vol.38 「謹慎処分」
Vol.37 「準備(過程)」
Vol.36 「考え方で結果は変ってくるもの」
Vol.35 「出逢いと縁」
Vol.34 「北朝鮮の問題に見る国際社会の中での日本」
Vol.33 「最近の若者の犯罪のニュースを見て思う事」
Vol.32 「目的意識を持とう」
Vol.31 「天災に学ぶこと」
Vol.30 「良いパフォーマンスを出すために」
Vol.29 「自信を持って生きる」
Vol.28 「オリンピックを振り返って」
Vol.27 「家族愛で掴んだ銅メダル」
Vol.26 「アメリカで見た野球を支える人々」
Vol.25 「小泉首相と渡辺オーナー」
Vol.24 「緊張・不安を取り除く方法」
Vol.23 「長崎児童殺傷事件」
Vol.22 「不安と緊張」
Vol.21 「全日本女子バレーボールのチームワーク」
Vol.20 「野球は確率のスポーツ」
Vol.19 「ベテラン」
Vol.18 「済美高校の優勝に関して」
Vol.17 「二人の同級生」
Vol.16 「クラブチームの野球への挑戦」
Vol.15 「独立リーグに学ぶこと」
Vol.14 「いじめ」
Vol.13 「それぞれのキャンプイン」
Vol.12 「3年間のアメリカ生活」
Vol.11 「私の独立リーグ生活から見るアメリカ野球の良さ」
Vol.10 「2度目のAll-Star Gameを終えて」
Vol. 9 「自由と責任」
Vol. 8 「アメリカと日本」
Vol. 7 「夢に向かって」

Vol. 6 「開幕を前に」

Vol. 5 「母の死、そして誓ったアメリカでの活躍 〜独立リーグ奮闘記〜」
Vol. 4 「日ハム解雇 〜野球を続けるためには待っていてはダメだった〜」
Vol. 3 「日ハム入団 〜素質やセンスを気持ちでカバーする〜」
Vol. 2 「プロ野球目指して」
Vol. 1 「高校中退」

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