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「反骨の魂」
〜失った栄光から、メジャーリーグへの挑戦〜


今関 勝(いまぜき まさる)
ベースボールコメンテーター

 武相高校をいじめにより1年で中退。翌年県立大楠高校再入学。しかし3年時に、高校野球連盟の規則により、試合に参加できず、クラブチームのウィーンベースボールクラブに所属。
 その後NTT東京を経て、93年にドラフト3位で日本ハムファイターズへ入団。その後ローテーションの一角として活躍、96年にはオールスター戦にも出場、自己最多の11勝をあげた。
 00年に日ハムを解雇され、野球を続けられる環境を探し、アメリカ独立リーグ(メジャーリーグの組織には属さない独自のリーグ)の球団に入団。昨年まで、メジャーリーグのスカウトの目にとまる事を信じ、ひたすら投げ続け、ローテーションの軸になりメジャー昇格も間近と思われたが、家族の事情でアメリカでの活動を断念し、帰国。

現在は、日本のクラブチームで好きな野球を続けながら、「日本のプロ野球」と「メジャーではないアメリカ独自の野球」の両方を経験した事を活かし、講演、文筆活動を中心に、野球の発展に貢献していく。その厳つい風貌とは裏腹な、その心優しさ、そして純粋さに周囲は惹かれる。


Vol. 53 「私の尊敬するスポーツ選手」

  前回、「プロフェッショナル」についてコラムを書いたが、
今回は私の尊敬するプロスポーツ選手について、書いていこうと思う。

 プロとはお金をいただき、その対価に見合った商品をお客様に提供するという物だ。プロスポーツ選手はパフォーマンスやメッセージでファン・お客様・視聴者に夢や希望を与えなくては成らない。また、ボランティア活動で地域・社会貢献していかなくてはならない。

 私の尊敬するスポーツ選手は4人(1つは団体)いる。
まずは、マラソンの高橋尚子選手だ。彼女はアテネオリンピックを逃した。アテネを逃した大会が東京マラソンであった。彼女は、2年後の東京マラソンで復活を果たした。しかし、彼女は決してベストコンディションではなかった。肉離れを3箇所している状態で優勝した。

 彼女のすごい所は、優勝した後のコメントだ。「引退も考えましたが、皆さんの声援に後押しされここに立つことが出来ました。本当に楽しい42KMでした」と言い切る。

 当然、高橋尚子選手のパフォーマンスはすごい。しかし、彼女には人をひきつけるコメントがある。それを本心から言っている。だから人気があるのであろう。私たちからすれば、マラソンなんてきつい物と思うが、彼女はマラソンの楽しさを世間に伝えようとしている。ゴルフの宮里藍も同様だ。

昨年からの千葉ロッテマリーンズの選手もファンの視点に立ち、ファンと一体感を持ち、夢・希望を与えている。ロッテにはすばらしい監督ボビー・バレンタインがいる。彼の意識改革が選手たちに自覚を持たせる原因となったのであろう。

 最後の4人目が北海道日本ハムファイターズの新庄選手である。
一見お調子者に見える新庄選手だが、彼の発言にもファンを魅了するコメント力である。

 アメリカに行く前には、正直ただのお調子者と見えたところもあった。しかし、厳しいメジャーの世界に足を踏み込み、また野球の楽しさを見つけて帰ってきたから、新庄選手は変われた。アメリカから帰国後は以前と同じようにふざけたように見せているが、明らかに発言が野球界を考えているコメントに変化した。
 
 新庄選手を変えたのは、環境なのか?それとも人なのか?
そのあたりは分からないが、アメリカに渡ったことで間違いなく、新庄選手は人間的にも、
プロ野球選手としても成長して帰ってきた。新庄選手も野球の楽しさを伝えている。

 これから、子供たちがプロスポーツ選手にあこがれるように、
プロスポーツ選手はすばらしいパフォーマンスを見せる事は当然のこと、コメント力も鍛えて欲しい。

 また、選手を辞めた後の行動もしっかりする事で、プロスポーツ選手への憧れが増すはずである。
 この地道な事が、野球・スポーツ人気を継続させる事につながるはずである。



<今関 勝講師のコラム バックナンバー>
Vol.52 「プロとは何だ?」
Vol.51 「理想を持ち自分に暗示をかける」
Vol.50 「自分の人生は自分で選択する」
Vol.49 「常識って何だろう?」
Vol.48 「躾とは何なのか?」
Vol.47 「漫画ドカベンのような観衆」
Vol.46 「交流戦を振り返って」
Vol.45 「日本女子ソフトボール1部リーグに学ぶ」
Vol.44 「自信をもつために」
Vol.43 「交流戦から地元密着」
Vol.42 「スポーツ指導者の役割と理想像」
Vol.41 「甲子園を沸かした二人の監督」
Vol.40 「ドリームゲーム」
Vol.39 「メジャーを目指す一人の男」
Vol.38 「謹慎処分」
Vol.37 「準備(過程)」
Vol.36 「考え方で結果は変ってくるもの」
Vol.35 「出逢いと縁」
Vol.34 「北朝鮮の問題に見る国際社会の中での日本」
Vol.33 「最近の若者の犯罪のニュースを見て思う事」
Vol.32 「目的意識を持とう」
Vol.31 「天災に学ぶこと」
Vol.30 「良いパフォーマンスを出すために」
Vol.29 「自信を持って生きる」
Vol.28 「オリンピックを振り返って」
Vol.27 「家族愛で掴んだ銅メダル」
Vol.26 「アメリカで見た野球を支える人々」
Vol.25 「小泉首相と渡辺オーナー」
Vol.24 「緊張・不安を取り除く方法」
Vol.23 「長崎児童殺傷事件」
Vol.22 「不安と緊張」
Vol.21 「全日本女子バレーボールのチームワーク」
Vol.20 「野球は確率のスポーツ」
Vol.19 「ベテラン」
Vol.18 「済美高校の優勝に関して」
Vol.17 「二人の同級生」
Vol.16 「クラブチームの野球への挑戦」
Vol.15 「独立リーグに学ぶこと」
Vol.14 「いじめ」
Vol.13 「それぞれのキャンプイン」
Vol.12 「3年間のアメリカ生活」
Vol.11 「私の独立リーグ生活から見るアメリカ野球の良さ」
Vol.10 「2度目のAll-Star Gameを終えて」
Vol. 9 「自由と責任」
Vol. 8 「アメリカと日本」
Vol. 7 「夢に向かって」

Vol. 6 「開幕を前に」

Vol. 5 「母の死、そして誓ったアメリカでの活躍 〜独立リーグ奮闘記〜」
Vol. 4 「日ハム解雇 〜野球を続けるためには待っていてはダメだった〜」
Vol. 3 「日ハム入団 〜素質やセンスを気持ちでカバーする〜」
Vol. 2 「プロ野球目指して」
Vol. 1 「高校中退」

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