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「反骨の魂」
〜失った栄光から、メジャーリーグへの挑戦〜


今関 勝(いまぜき まさる)
ベースボールコメンテーター

 武相高校をいじめにより1年で中退。翌年県立大楠高校再入学。しかし3年時に、高校野球連盟の規則により、試合に参加できず、クラブチームのウィーンベースボールクラブに所属。
 その後NTT東京を経て、93年にドラフト3位で日本ハムファイターズへ入団。その後ローテーションの一角として活躍、96年にはオールスター戦にも出場、自己最多の11勝をあげた。
 00年に日ハムを解雇され、野球を続けられる環境を探し、アメリカ独立リーグ(メジャーリーグの組織には属さない独自のリーグ)の球団に入団。昨年まで、メジャーリーグのスカウトの目にとまる事を信じ、ひたすら投げ続け、ローテーションの軸になりメジャー昇格も間近と思われたが、家族の事情でアメリカでの活動を断念し、帰国。

現在は、日本のクラブチームで好きな野球を続けながら、「日本のプロ野球」と「メジャーではないアメリカ独自の野球」の両方を経験した事を活かし、講演、文筆活動を中心に、野球の発展に貢献していく。その厳つい風貌とは裏腹な、その心優しさ、そして純粋さに周囲は惹かれる。


Vol. 62
 「いじめと自殺」

あえてこの話題に再度触れようと思います。
私のプロフィールや、ブログを見て頂いた方には重ね重ねで申し訳ありませんが、現在のいじめの問題について、いじめられた経験からお伝えしたいと思います。

いじめはふとしたことから始まります。私の場合は、高校時代の野球部で、ある時ふとしたことから喧嘩をし、そこから完全無視の状態になりました。"先輩の教育"という名の暴力はいくらでも耐えることができたのですが、同級生から、しかも完全無視。いじめられる側にとっては、どこに当たって良いのか分からず一番きついことなのです。

その後、部室のロッカーの野球用品がドブに捨ててありました。

いじめている側はいじめている意識がないのです。また見て見ぬ振りをするのもいじめと同様です。
いじめられる側にも何かしらの問題はありますが、いじめている側の「人を傷つけているかいないか分からない精神状態」の方が、今考えると怖いと思っています。

それから、登校しようとすると吐き気が襲います。だんだんと登校拒否の状態になっていきます。 
甲子園、プロ野球を目指すために、中学・高校と私学に行かせてもらっていた私は、親にも言うことができませんでした。

私が両親に本当に感謝しているのは、自分が無意識に出していたシグナルに気付いてくれたことです。また、すぐに学校に行けと言うのではなく、時間をかけ、また直接聞こうとせずに、叔父に話しをしろと言ってくれたことです。親には遠慮が出てしまうだろうから、第三者には話すことができるだろう。そんな配慮があったような気がします。
両親の愛情が私を助けてくれました。

学校側にいくら教育問題を問うたところで限界はあります。子供の教育・指導は最終的には親が行なわなければなりません。いじめは無くなることはないでしょう。しかし、自殺は防げることではないかと思っています。家族が同じ部屋に集まり、テレビを見ながらコミュニケーションをとる。挨拶をする。礼儀を教える。時間を守る。こういう基本的なことができていれば、いざという時、子供からのシグナルを見落とさずにすむはずです。

いじめられている側の子供を持つ親御さん。
子供は絶対にシグナルを出しています。見逃さないでください。そして叱らないでください。
自分が悪いのではないかと、更に考え込んでしまいます。
時間をかけてあげてください。会話をしてあげてください。

いじめている側の子供を持つ親御さん。
子供にストレス与えていませんか?あまりに聞き分けの良い子供になっていませんか?

両方の立場の親御さん。
子供を抱きしめてあげてください。それが何よりの薬です。
愛情がいじめからの自殺を防ぎます。

いじめる側の人間も、いじめられる人間になる可能性はあるんです。そのことを忘れずに。
「うちの子に限って…」ということはあり得ないことです。
子供の変化を見逃さないでください。



<今関 勝講師のコラム バックナンバー>
Vol.61 「息を吐くことの重要性」
Vol.60 「日本が狂いだしている」
Vol.59 「初心を忘れずに」
Vol.58 「何故日本代表が決勝トーナメントに進めなかったか?」
Vol.57 「子供の外遊び」
Vol.56 「スポーツ心理学」
Vol.55 「野球をプレーしていて良かった」
Vol.54 「数字を追って分かるもの」
Vol.53 「私の尊敬するスポーツ選手」
Vol.52 「プロとは何だ?」
Vol.51 「理想を持ち自分に暗示をかける」
Vol.50 「自分の人生は自分で選択する」
Vol.49 「常識って何だろう?」
Vol.48 「躾とは何なのか?」
Vol.47 「漫画ドカベンのような観衆」
Vol.46 「交流戦を振り返って」
Vol.45 「日本女子ソフトボール1部リーグに学ぶ」
Vol.44 「自信をもつために」
Vol.43 「交流戦から地元密着」
Vol.42 「スポーツ指導者の役割と理想像」
Vol.41 「甲子園を沸かした二人の監督」
Vol.40 「ドリームゲーム」
Vol.39 「メジャーを目指す一人の男」
Vol.38 「謹慎処分」
Vol.37 「準備(過程)」
Vol.36 「考え方で結果は変ってくるもの」
Vol.35 「出逢いと縁」
Vol.34 「北朝鮮の問題に見る国際社会の中での日本」
Vol.33 「最近の若者の犯罪のニュースを見て思う事」
Vol.32 「目的意識を持とう」
Vol.31 「天災に学ぶこと」
Vol.30 「良いパフォーマンスを出すために」
Vol.29 「自信を持って生きる」
Vol.28 「オリンピックを振り返って」
Vol.27 「家族愛で掴んだ銅メダル」
Vol.26 「アメリカで見た野球を支える人々」
Vol.25 「小泉首相と渡辺オーナー」
Vol.24 「緊張・不安を取り除く方法」
Vol.23 「長崎児童殺傷事件」
Vol.22 「不安と緊張」
Vol.21 「全日本女子バレーボールのチームワーク」
Vol.20 「野球は確率のスポーツ」
Vol.19 「ベテラン」
Vol.18 「済美高校の優勝に関して」
Vol.17 「二人の同級生」
Vol.16 「クラブチームの野球への挑戦」
Vol.15 「独立リーグに学ぶこと」
Vol.14 「いじめ」
Vol.13 「それぞれのキャンプイン」
Vol.12 「3年間のアメリカ生活」
Vol.11 「私の独立リーグ生活から見るアメリカ野球の良さ」
Vol.10 「2度目のAll-Star Gameを終えて」
Vol. 9 「自由と責任」
Vol. 8 「アメリカと日本」
Vol. 7 「夢に向かって」

Vol. 6 「開幕を前に」

Vol. 5 「母の死、そして誓ったアメリカでの活躍 〜独立リーグ奮闘記〜」
Vol. 4 「日ハム解雇 〜野球を続けるためには待っていてはダメだった〜」
Vol. 3 「日ハム入団 〜素質やセンスを気持ちでカバーする〜」
Vol. 2 「プロ野球目指して」
Vol. 1 「高校中退」

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